「水曜どうでしょう」2026年最新作がNetflixで世界独占配信、来春から
Netflix Japanの公式Xが9月6日の20時ちょうどに投げてきた告知が、それなりの人数の夜を持っていった。北海道テレビ(HTB)の『水曜どうでしょう』の2026年最新作を、「Netflix完全版」として来春から世界独占配信する、という内容だ。投稿は数時間で1万4千を超えるいいねが付いている。
告知に書かれているのは「2026年最新作」「Netflix完全版」「【来春】世界独占配信決定」の3点と、締めの「続報をお楽しみに!」だけ。配信開始日も、話数も、どこへ行った旅なのかも、まだ何も出ていない。
発表が出たのは「水曜どうでしょう祭」の最終日
Netflixがこのタイミングを選んだ理由は、たぶん祭の日程を見ればわかる。30周年を祝う7年ぶりの「水曜どうでしょう祭UNITE2026」が9月4日から6日まで札幌の大和ハウス プレミストドーム(旧・札幌ドーム)で開かれていて、その会場で最新作の第1夜・第2夜が先行上映されていた。発表が飛んできた9月6日は、その最終日にあたる。
電ファミニコゲーマーの記事によれば、今回の最新作は2026年3月から4月にかけて撮影されたもの。つまり半年近く伏せられていた映像が、まず現地の客に見せられて、その日のうちにNetflixから世界配信の告知が出た形になる。会場にいた人とライブビューイングを見た人が感想を書き込み、そこへ公式の発表が重なったので、タイムラインが一気に「水曜どうでしょう」で埋まった。
なお同記事によると、ロケが終わったとき大泉洋が藤村忠寿ディレクターに向かって、これは最高傑作になるかもしれない、と言い残したという。公式サイト経由で伝わっている話なので、本人の言い回しがそのままかどうかまでは確認できていないが、ハードルの上げ方としては十分すぎる。
「来春」は2027年の春。今年の春ではない
ここは間違えやすいので先に整理しておく。告知の【来春】は2027年の春を指す。この記事を書いている時点が2026年9月なので、待ち時間は半年強ということになる。
具体的な日付は公式からまだ出ていない。会場やライブビューイングで見た人の投稿には、来年3月ごろに放送開始で、Netflixではメイキング映像付きの配信がある、という報告がいくつか上がっている。ただしNetflixもHTBも文書ではそこまで出しておらず、公式に確定しているのは「来春」「世界独占配信」までだ。地上波の放送日やメイキングの有無は、続報を待つ話として置いておくのが正しい。
会場で見た編集者・ライターの石黒直樹さんは「来年3月くらいに放送開始予定で、Netflixではメイキング映像付き配信があるとのこと。地方局での放送予定を気にしなくていいのはありがたいなと。」と書いていた。この最後の一行が、けっこう本質を突いている。『水曜どうでしょう』の新作は長らく、HTBで放送されたあと各地の局がバラバラのタイミングで流すという形だった。住んでいる場所によって数か月待たされるし、そもそも放送が無い地域もある。世界独占配信なら、その待ち時間がまるごと消える。
半年前、公式サイトで「グローバル化」が予告されていた
面白いのは、この発表を半年近く前に自分たちで予告していたことだ。HTBの30周年特設サイトに載っている嬉野雅道ディレクターのメッセージに、こう書かれている。
でも、必ず始まるであろう、「水曜どうでしょう」のグローバル化です。
そして同じ文章の中で、旧作がすでにNetflixで配信されていることにも触れている。「DVDが下火になろうとも、ちゃっかりNetflixさんで配信されており、当たり前の顔をして令和の若者の気分にも訴求して、新規の『水曜どうでしょう』ファンを新たに増やし続けている」という書き方だ。つまりNetflixで初めてこの番組を知った層が実際に増えている自覚があって、そのうえで次は世界だと書いていたことになる。
メッセージの締めは「ただ、そのマイナーさも今度は世界規模、これはただ事ではない、ということですね」。世界で見られるようになっても番組がメジャーになるわけではなく、マイナーなまま規模だけが世界に広がる、という言い方だ。しかも嬉野ディレクターはグローバル化の話の直前に「さすがにそれは、すぐではないのかもしれないけれど」と予防線を張っていた。その半年後に世界独占配信の告知が出たので、読み返すといちばん驚いているのは書いた本人かもしれない。
30年前は深夜0時50分の北海道ローカルだった
数字を並べると、この番組が今どこまで来たのかがわかりやすい。
30周年サイトによると、始まった当時は大泉洋がまだ現役の大学生で23歳、のちに「ミスター」と呼ばれる鈴井貴之が34歳。チーフディレクターの藤村忠寿が31歳で、カメラ担当の嬉野雅道が最年長の37歳。それが今では「いつの間にか4人中3人が還暦を超え、最若手でも53歳というなかなかの高齢者集団になってしまいました」と、公式が自分で書いている。
その一方で、旧作はNetflixの作品ページにきちんと並んでいる。30周年サイトによると、DVDの「水曜どうでしょう全集」は2026年春に最後の新作がDVD化されて全タイトルをコンプリートする。デアゴスティーニの「水曜どうでしょう DVDコレクション」のほうは2026年1月6日に創刊済みで、1996年の「サイコロ1 第一夜」から2023年の「懐かしの西表島 最終夜」まで全278エピソードを放送順に収める隔週刊が、全69号予定で今も続いている。パッケージで一区切りつけつつ、新作は世界配信へ、という並びになっているわけだ。
反応で目立ったのは地上波の扱いと、待たされなくなることへの期待
タイムラインで目立ったのは、放送形態の話と、単純に楽しみだという声だった。ある視聴者は「水曜どうでしょうの新作、来年の3月からでNetflixでメイキングの配信や、これから収録する一分程度の追加枠とか色々楽しみ」と投稿している。メイキングや追加収録の話は公式発表に含まれていないので、会場で共有された情報が広まっている段階だ。
ネット配信が主戦場になることで、これまで地方局の編成に合わせて何か月も待っていた人が同時に見られるようになる。一方で、地上波でどう扱われるのかがまだ見えないので、そこを気にする書き込みも並んだ。どちらにしても、現時点で確定しているのは「来春」の二文字しかない。
祭が終わった最終日の夜に、次の予定が投げ込まれた。旧作を全話見終わって次を探していた人にとっては、半年後の予定が1つ埋まったことになる。続報が出るまでは、とりあえずNetflixで旧作を1本見返しておくくらいがちょうどいいと思う。