仮面ライダーフォーゼが15周年、賢吾役の高橋龍輝と脚本の中島かずきが祝った
『仮面ライダーフォーゼ』の放送が始まったのが2011年9月4日。2026年9月4日で、ちょうど15年になった。節目にいちばん刺さる祝い方をしたのが、歌星賢吾を演じた高橋龍輝さんだった。賢吾を知っている人ほど効くやつだったので、順に説明していく。
賢吾の口ぐせ「時間の無駄」を、ひっくり返して祝った
投稿は9月4日11時42分。中身はたった3行だ。
「仮面ライダーフォーゼ15周年」から始まって、「時間の無駄…ではなかったな。」と続き、「おめでとう。」で終わる。そして最後に「歌星賢吾」と署名が入っている。本人名義ではなく役名で締めているので、賢吾が言っている体裁になっている。
賢吾がどういうキャラだったかというと、内向的で毒舌、思ったことを歯に衣着せずズバズバ言うタイプだった。価値観の合わない相手には辛辣で、Wikipediaの人物説明にも「『時間の無駄』としてしばしば物事を否定する」と書かれるくらいには、この言い回しが定着していた。その口ぐせを持ってきて、否定の部分だけ裏返している。いいねは収集時点で17,154件まで伸びていた。
高橋さんにとってフォーゼは、テレビドラマ初出演の作品でもある。1993年3月28日生まれなので、放送が始まった2011年9月は18歳。高校生役に高校生の年齢で入って、そこから15年が経った計算になる。
放送は2011年9月4日から2012年8月26日まで、全48話
作品のおさらいをしておくと、放送期間は2011年9月4日から2012年8月26日までの全48話。舞台は天ノ川学園高等学校で、リーゼントに短ランという格好の転校生・如月弦太朗が「この学校の生徒全員と友達になる」と宣言するところから始まる。
仮面ライダーの世界観としては珍しく、物語の範囲がほぼ学校の中に収まっている。前々作『仮面ライダーW』が「風都」という街を舞台にしていたのに対して、フォーゼは高校ひとつぶん。だからゲストの大半が同じ学校の生徒で、一度出てきた人物が後で敵側になったり、倒された相手がまた出てきたりする。校内の人間関係がそのまま話数をまたいで効いてくる作りだ。
キャストの並びも、いま見返すとなかなか濃い。主人公の如月弦太朗が福士蒼汰さん、後から合流する朔田流星が吉沢亮さん、そして歌星賢吾が高橋龍輝さん。2011年時点ではまだ全員が新人に近い立ち位置だった。
アストロスイッチが40個あるのは、シリーズが40周年だったから
フォーゼの変身に使う「アストロスイッチ」は全部で40個ある。この数字、なんとなくキリがいいから40なのではなく、2011年が仮面ライダーシリーズ40周年だったことにちなんでいる。1971年の初代から数えて40年、それに合わせてスイッチも40個そろえた。
40周年の仕込みはもう1つあって、仮面ライダー部の部員の名前が、過去シリーズの登場人物のアナグラムになっている。当初は部員7人の予定で、そこに歴代の名前を割り振っていったらしい。
歌星賢吾の名前を並べ替えると、本郷猛が出てくる
いちばん分かりやすいのが賢吾だ。「うたほしけんご」を並べ替えると「ほんごうたけし」になる。初代仮面ライダーの本郷猛だ。7文字がぴったり一致していて、余りも足りない字もない。
同じ調子で、アメフト部部長の大文字隼は2号ライダーの一文字隼人、チア部部長の風城美羽はV3の風見志郎から来ている。並べ替えの元ネタを知ってから登場人物表を見直すと、学校の名簿がそのまま歴代ライダーの名簿になっていることに気づく。
アナグラムから外れているのが如月弦太朗・朔田流星・我望光明の3人で、こちらは月がテーマだ。仮面ライダー部の部室が月面にあることにちなんだもので、中島さんは2017年に「『如月弦太朗』の名前には至る所に月やそれに関係のある文字を織り込んでます」と投稿している。如月(きさらぎ)、弦月の弦、字の中に月を抱えた朗と、名字と名前のあちこちに月が入っている。朔田流星の「朔」も新月を指す字だ。
翌日には脚本の中島かずきも、福士蒼汰との再会に触れた
日付が変わった9月5日1時4分、フォーゼのメイン脚本を担当した中島かずきさんも投稿している。
「ちょっと遅れたけど、『仮面ライダーフォーゼ』15周年おめでとうございます。」から始まり、「あっという間だなあ。」「でも、未だに好きだと言ってくれてるファンの方がいてありがたい事です。」と続く。締めが「福士蒼汰くんと新感線の舞台で再会できたのも嬉しかったな。」だった。
中島さんは劇団☆新感線の座付作家で、そちらが本業と言っていい人だ。特撮では2006年の『ウルトラマンマックス』で脚本デビューし、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』『仮面ライダーW』と参加を重ねて、2011年のフォーゼで初めてメイン脚本を任された。舞台の人が特撮のメインを張って、15年後にその主演俳優と舞台で顔を合わせている。締めの一文が効いているのはそういう経緯があるからだ。
反応で目についたのは、感想より「もう15年」への驚き
9月4日から5日にかけて、Xでは「#仮面ライダーフォーゼ15周年」のタグを付けた投稿が続いていた。お祝いや作品の感想に混じって目についたのが、単純に年数への驚きだった。
- 「フォーゼ15周年?時空歪んでない???」「時の流れこわいね」
- 「仮面ライダーフォーゼがもう15年前なのかよ…ウソだろ…」
- 「感覚としては10周年やったのついこの間って感覚だよ」
自分の年齢に換算する人もいた。「カブト20周年、フォーゼ15周年… そりゃ幼女だったわたしも立派(?)な成人女性になりますこと。。」という投稿がだいたいの空気を代弁している。2011年に小学生でフォーゼを見ていた層は、いま20代前半から半ばだ。
作品そのものへの言葉も出ていた。「あの青春感と、熱さがいまでも好き」、「如月弦太朗のあの見た目とキャラとテンションで、バックヤードがなかなか重めなのがチラッと見えるところが好きなんだよな」あたりは、学園ものとして見ていた人の感想だ。フィギュアの写真を上げる人、当時のポスターを引っぱり出す人、「真骨彫フォーゼ待ってます」と要望を飛ばす人もいた。
15周年の2日後に、新しいライダーが始まる
タイミングがなかなか良くて、9月6日からは新作『仮面ライダーマイス』が始まる。変身ベルトの音声担当が発表されたのがつい先週の話だ。15年前の作品を懐かしんだ翌々日に、次のライダーの1話が来る。
フォーゼ本編は東映の仮面ライダーWEBに作品ページがある。「そんなに前だったのか」で終わらせるのがもったいない人は、1話だけでも見返してみると、転校初日から全校生徒に友達申請していく弦太朗の勢いを思い出せると思う。