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よしながふみ『大奥』が宝塚で舞台化、男女逆転の物語を女性だけの劇団が演じるねじれ

2026年8月12日 ・ トレンド「大奥 宝塚 舞台化 星組 2027 有功 家光編 暁千星」より

男が激減して、将軍も大名も女が務める江戸時代。その世界を、団員が全員女性の劇団が上演する。8月12日に発表された宝塚歌劇団のラインアップに、よしながふみさんの『大奥』が入っていた。

告知したのは、原作を連載していた白泉社「メロディ」編集部の公式アカウント。2027年に星組で舞台化され、上演されるのは「有功・家光編」だと明かされている。

男役が、女将軍に仕える

『大奥』は、若い男だけが命を落とす疫病によって男女の人口比が崩れた江戸時代を描くSF大河だ。将軍職は代々女性が継ぎ、江戸城の大奥には美男が集められる。累計発行部数は800万部を超え、ドラマ化も映画化もされている。

宝塚は男役と娘役で成り立つ劇団で、男の役はすべて女性が演じる。そこに「男女が逆転した世界」を持ってくると、二重にねじれる。女性が演じる男が、女性が演じる女将軍に仕える構図になるからだ。原作でいちばんの核になっている、男が数のうえで弱い立場に置かれるという設定が、宝塚の様式と正面からかみ合う。

選ばれたのが「有功・家光編」

シリーズは複数の時代を行き来する構成だが、今回上演されるのは第1巻から始まる有功と家光の物語だ。京の公家出身の美僧でありながら還俗させられて大奥に入る万里小路有功と、亡き父の身代わりとして「家光」を名乗らされた娘・千恵。この二人の関係が、後の大奥のかたちを決めていく。宝塚歌劇の発表でも、高潔な美貌の僧侶と孤独を抱える少女の物語を、濃密で繊細な人間ドラマとして届けると説明されている。

シリーズの中でもとりわけ切なさが濃い部分で、原作を読んだ人ほど「そこをやるのか」となるはずだ。

「宝塚にミリも興味のない私がザワついている」

反応は原作読者と宝塚ファンの両方から出ていた。「宝塚にミリも興味のない私が、大奥(しかも家光編)をやると聞いてさすがにザワついている」という声もあれば、「一瞬どっち!? と思ったけど逆転のほうだよね」と、同名の別作品と取り違えかけた人もいる。

宝塚ファン側からは、脚本・演出の栗田優香さんの名前に反応する投稿が目立った。過去作を挙げて「刺さりまくって大好きなので、大奥もとんでもないことになりそう」と身構えている人もいる。「今年 宝塚のおかげで原作履修した漫画」というリストに『大奥』を書き足していた人もいて、舞台化が原作の入り口として機能しているのがうかがえた。

公演は2027年2月からなので、まだ1年半ほど先になる。原作を読んでいない人にとっては、全19巻を読み切るには十分すぎる時間が残っている。