『ズートピア3』製作決定、次の舞台は鳥。哺乳類しかいない街に鳥がいなかった理由
日本時間の8月15日、ディズニーの公式ファンイベント「D23」で『ズートピア3』の製作が発表されました。ディズニー・アニメーション公式アカウントの告知に添えられていたのは、ズートピアの世界はこれから鳥のほうへ向かう、という一文です。
続編そのものは、前作のヒット規模を考えれば驚く話ではありません。ファンが食いついたのは鳥のほうでした。以下、前作『ズートピア2』の終盤に触れます。
ズートピアには、そもそも鳥がいない
1作目の『ズートピア』が公開されたのは2016年。動物たちが服を着て暮らす大都市が舞台ですが、思い返しても鳥は出てきません。ハトもカラスもいない。空を飛ぶキャラクターが1匹もいないのに、言われるまで気づかない作りになっています。
これは描き忘れではなく最初からの設計です。制作陣は各分野の動物学者に取材を重ねたうえで、登場するのは哺乳類だけと決めて街を組み立てました。草食動物と肉食動物が同じ街で暮らすという物語の骨格を成立させるために、扱う範囲を絞ったわけです。
脚本を書いたジャレド・ブッシュは以前から、鳥や爬虫類が存在しないわけではないと説明していました。あの惑星にはちゃんといる。ただ1作目は、その生き物たちが暮らす大陸の話ではなかった、という言い方です。
今回のD23でもブッシュは同じ趣旨のことを口にしています。自分たちはまだ、ひとつの惑星の、ひとつの大陸の、ひとつの街しか見ていない。10年かけて引かれていた線が、3作目で動きます。
前作の最後に落ちてきた、あの羽
その線は前作ですでに1本ほどけていました。『ズートピア2』に登場したゲイリー・ダ・スネーク、つまりヘビです。哺乳類だけの街に爬虫類が現れるという一点が、前作の入り口になっていました。
そして『ズートピア2』は、ジュディの部屋の窓際を何かの影が横切り、羽が1枚落ちてくるところで終わります。哺乳類から爬虫類へと広げてきた世界が、最後に空を指して幕を閉じた形です。この羽を見て「次は鳥だ」と読んでいた人もいて、今回の発表には「予想できた」「鳥メインなのも知ってた」という反応も出ていました。
D23のステージには、ブッシュに加えてジュディ・ホップス役のジニファー・グッドウィンと、ゲイリー役のキー・ホイ・クァンが登壇しています。グッドウィンが「うさぎとヘビが帰ってくる」と宣言し、ジュディとゲイリーの続投が明らかになりました。
流された映像は、鳥の足が新聞を踏みつけるカットです。踏まれた新聞にはホップスとワイルドの名前が載っていて、ニックも戻ることが読み取れる。姿は見せず、爪だけで鳥の到来を伝える見せ方でした。
劇場で見られるのは当分先
嬉しい発表の直後に水を差すようですが、公開はかなり先になりそうです。ブッシュ自身が、長編アニメーションは完成までにだいたい4〜5年かかると説明しています。ここから逆算して2030年前後ではないか、という見方が海外メディアで出ています。
それでも発表を急いだ理由は、前作の数字を見れば納得できます。『ズートピア2』は全世界興行収入18.7億ドルを超え、『インサイド・ヘッド2』の16.8億ドルを抜いてアニメーション映画の世界歴代1位になりました。日本国内でも140億円を突破し、洋画アニメーションとしては歴代2位です。ここまで当たった作品を寝かせておく理由がありません。
日本のファンの反応は、素直に喜ぶ声が中心でした。「楽しみに生きてもいいんですか」「特典が出るたびに行く」といった投稿が並んでいます。前作の記録は映画.comなどが年明けに伝えていたので、続編が来ること自体は織り込み済みで、驚きは鳥の一点に集まった格好です。
鳥が来るというのは、これまで空だった上の階層が街に足されるということでもあります。ハトが電線に止まっているだけで新鮮に見えるはずで、そこをどう作るのかは気の長い楽しみになりました。