「ヘーベル石田」とは?葛葉が描いた魔界生物の意味・元ネタ・グッズ化まで
白い立方体に、細い線みたいな手が2本。指の数は右手が6本で左手が8本。にじさんじの葛葉さんが配信の落書きで生んだ 「ヘーベル石田」 は、そのまま公式グッズの名前になりました。
「ヘーベル石田」とは?
ヘーベル石田は、葛葉さんが配信中にたびたび描く「魔物」(魔界の生物)の代表格です。葛葉さんは2018年3月に個人VTuberとしてデビューし、同年7月ににじさんじゲーマーズへ加入したライバーです。自分の出身設定である魔界の生き物を、雑談やお絵かきの流れで思いつきのまま描いてきました。そのなかでいちばん名前が残ったのが石田です。
見た目は説明するのが難しいくらい単純で、真っ白な立方体の胴体から細い手が伸びているだけ。顔は微笑んでいるように見えますが、戦いが始まると表情が変わるとされています。指の本数が左右で揃っていないのも設定として語られていて、右手6本・左手8本という中途半端さがそのまま持ちネタになりました(ファンwikiのにじさんじ Wiki* 葛葉ページの魔物一覧にも同じ記述があります)。
リスナーのあいだでは、フルネームで呼ぶより単に「石田」で通じます。表記も1つに定まっていなくて、ANYCOLORの公式リリースは「へーべる石田」と頭が平仮名、イラスト担当者の告知やファンwiki、検索の打鍵は「ヘーベル石田」とカタカナ。どちらで書いても同じ生き物のことです。
元ネタ・由来
石田が初めて画面に出たのは、2019年2月10日の深夜に始まった配信でした。本間ひまわりさん公式チャンネルの「【ド葛本社】家族の絆を取り戻せ〜鍋バトル!」で、1時間2分16秒あたりに葛葉さんが描いています。この時点ではまだ名無しの落書きです。
名前の元になった「ヘーベル石田」というコメントが流れたのは、その1週間後の雑談配信でした。葛葉さん本人のチャンネルに残っている「【雑】反省会~HAN-SE-KAI~」の8分10秒あたりがその場面だと、前述のファンwikiは記録しています。
名前として決まったのは2019年4月下旬、ニコニコ超会議2019(4月27日・28日開催)の打ち上げ配信でした。本間ひまわりさん公式チャンネルに残る「【ド葛本社】超会議お疲れ様!打ち上げ&反省会」の1時間47分43秒あたりで、コメントに流れていた「ヘーベル石田」がそのまま採用されています(ファンwikiの記載は4月25日で、アーカイブの公開日4月28日と食い違っています)。産みの親は葛葉さんでも、名付け親はリスナーということになります。
肝心の「ヘーベル」がどこから来たのかは、はっきりしません。住宅メーカーの商品名から取ったのではという説はよく見かけますが、本人がそう言った記録は確認できず、ファンwiki自体が推測の形で書いています。四角くて白い箱型という見た目から連想された、という以上のことは分からないままです。
広まった理由は3つあって、まず作者が葛葉さん本人で、視聴者が生まれる瞬間をリアルタイムで見ている。次に名前を決めたのがコメント欄で、界隈の共同所有物みたいな扱いになっている。そして公式が正式名称としてグッズにしたことで、ライバーを追っていない人の目にも商品名として入るようになりました。
グッズ化
最初にまとまった商品になったのは2022年9月28日で、「葛葉魔界図鑑」という企画がにじさんじ公式のBOOTHで展開されました。ここでは「石田タワー(三階建て)」と題したTシャツが6,000円(ホワイトとライトピンクの2色・S〜XL)で並び、ほかにも「ISHIDA!!パーカー」や、魔物をまとめて詰め込む「魔物詰め放題パック」といった品が出ています(にじさんじ公式BOOTHの商品ページ)。石田を3体積み上げただけのデザインが商品名になるあたり、扱いがだいぶ雑で愛されています。
大きく動いたのが2025年です。6月3日に葛葉さんのYouTubeチャンネル登録者が200万人を超え(にじさんじ所属では初)、6月11日の記念ライブ「葛葉200万人記念3D感謝」で記念グッズの中身が発表されました。そこに魔物7体をマスコットにするラインが入っていました。10月27日には、魔物カードとコレクションホルダーの「へーベル石田」「へーベル石田(タワー)」を描いた黒井ススムさんが自分の担当分を明かしています。この投稿は3.4万いいねまで伸びました。
販売は2025年11月8日12時からの「Kuzuha Celebration Goods」で、目玉が魔物マスコット全7種でした。ラインナップはへーべる石田、キンタロウ、ケルベロス、ナギ、フライナゲット、うさじ、ねごの7体で、価格は各2,200円(税込)。石田はW130×H50×D50mmのポリエステル製で、横に長い形のまま立体になっています。ほかにルームライトが6,300円、魔物カードセットが2,000円など、「Kuzuha Celebration Goods」は全8種。同じ日に誕生日グッズ「Happy B-day to Kuzuha」12種も並びました(ANYCOLORの公式リリース/にじさんじ公式のお知らせ/商品ページ)。同じ11月8日から24日まで、原宿の Six Gallery Harajuku でポップアップストアも開かれました。
落書きから公式マスコットへ、という経路をたどったキャラは同じにじさんじにもいて、イブラヒムさんのマラカスおばけがその代表です。石田の場合は名付けまでリスナー側がやっているぶん、界隈の内輪ネタとしての色がもう少し濃く残っています。
使い方・例文
- 「石田のマスコット買った、思ったより横に長い」
- 「葛葉が魔物描き始めた、また石田出てくるやつ」
- 「ヘーベル石田の指、何回数えても左右で合わない」
- 「今日の落書き、石田タワー建ててて笑った」
短く「石田」と言うだけで通じるのは葛葉さんの配信まわりの話をしているときだけなので、界隈の外に持ち出すときはフルネームで書いたほうが伝わります。
関連する言葉
ヘーベル石田は、配信の落書きが公式グッズになった例としてマラカスおばけと並べて語られます。にじさんじ発の固有名詞では、古参ばかりが集まった配信を指す公民館のように、リスナーの言い回しが公式のチーム名にまで昇格したパターンもあります。
グッズが出ればぬいぐるみやマスコットを連れ歩くぬい活や痛バの話につながっていくのも、この界隈のいつもの流れです。キャラを外部のイラストレーターが描き下ろす形も増えていて、いらすとやが名取さなさんを描き下ろしたコラボグッズはその極端な例でした。
覚えなければいけない固有名詞はこうしてどんどん増えていて、約1万人・18,515語を収録したVTuber変換辞書まで作られています。石田のような魔物の名前まで入っているかは分かりませんが、入っていても驚きません。