ブルボンが博物館支援を開始、「儲かる」オチのフローチャートが的確すぎると話題に
菓子メーカーのブルボンが、博物館の支援に乗り出した。展示や研究の中身ではなく、社内で磨いてきたデジタル技術を博物館に貸し出すという珍しい形の文化支援で、これを知った学芸員アカウントが考えた「支援する理由」のフローチャートがSNSでじわじわ広がっている。
きっかけは公式の発表
最初にこの話を広めたのは、宇仁義和さんの投稿だった。
引用されている文面のとおり、ブルボンは「菓子食品製造業として製品の品質と生産性の向上を目的にデジタル技術の活用を進め、知見を深めてまいりました。このたび、これら取り組みで得た知識・知見を、文化支援活動の一つとして『博物館支援』に活かします」と説明している。ブルボン公式のニュースリリースでも、社内のデジタル技術の知見を活用した博物館へのデジタル支援の検証を始めたと発表されている。
なぜお菓子の会社が博物館を支援するのか
工場のライン管理や品質検査で培った画像解析・データ処理のノウハウを、そのまま博物館の現場に転用するという発想らしい。実際に公開されている「博物館サポートツール」というサイトを覗くと、来館者の基礎データから調査をサポートする「来館者分析ツール」、来館者向けの「音声ガイド」、そして音声・動画ファイルを話者分離したうえで文字起こしし、ワードファイルにまとめてくれる「文字起こしツール」の3つが紹介されている。展示解説の録音を職員が手作業でテキスト化する手間なんかは、多くの博物館が抱えている悩みのはずで、地味だが刺さる支援内容だ。
「儲かる」オチのフローチャートが拡散
この発表を受けて、学芸員の休日というアカウントが投稿したのがこちらのフローチャートだ。
「ブルボンが博物館を支援する→博物館の運営状況がよくなる→研究活動が活発になる→民俗調査が行われる→お茶菓子で味ごのみとルマンドが出る→ブルボンが儲かる」という5段オチで、博物館支援がめぐりめぐって自社の売上げに還元されるという、うがった見方をユーモラスにまとめたものだ。もちろんブルボン自身がそこまで言っているわけではなく、あくまで投稿者の想像が加わった一本の理屈なのだが、これが妙に納得感があるとリプライ欄でも盛り上がりを見せた。Togetterでもこの投稿がまとめられている。
「セブンにあるマカデクッキーうめえと思って食ってたらブルボン作だった。博物館支援も嬉しい」「本当は国が予算の配分を考えて欲しいけれど、民間の会社が力を添えてくださるの、とても明るい気持ちになれます」といった反応も並んでおり、フローチャートの面白さだけでなく、支援そのものを好意的に受け止める声も目立った。
冗談半分、でも中身はまじめ
博物館の運営難は「冬の時代」と呼ばれるほど長く続いている話で、そこに菓子メーカーが自社の得意分野をそのまま持ち込む支援の仕方は珍しい。フローチャートは笑い話として広まったものの、蓋を開けてみれば来館者分析や文字起こしといった実務ツールが並ぶ、地に足の着いた取り組みだった。次にルマンドや味ごのみを手に取ったときは、博物館の裏方をちょっとだけ支えているのかもしれない、と思い出してみてほしい。