サカナクション山口一郎の「エビオス錠の悲劇」、拾って飲んだ10錠がちょうど1回分だった
8月17日の夕方、サカナクションの山口一郎さんがXに写真を1枚上げた。グレーのタイルの床いちめんに白い錠剤が散らばり、右下には茶色いガラス瓶が口から欠けた状態で転がっている。ふたは離れたところに落ちている。添えられていたのは11文字だけだった。
「エビオス錠の悲劇。とりあえず拾って10錠飲んだ。」。いいねは5.5万を超えて、リプ欄には「どうした」という驚きと、「先日、米でやりました」のような自分の失敗報告が並んだ。瓶を落とした経験がある人にはわかる、あの手の施しようがない感じが写真によく出ている。
拾って飲んだ「10錠」は、実は決められた1回分だった
散らばった中から10錠を拾って飲む、という行動がなんとなくヤケっぱちに見えるのだけど、この10錠には根拠がある。エビオス錠の用法・用量は、15歳以上で1回10錠、1日3回、食後。1日で30錠を飲む薬だ。つまり彼は、床から拾ったという点を除けば、ふつうに1回分を服用しただけということになる。
なぜそんなに飲むのかは、アサヒグループ食品が公式のよくある質問でそのものずばり答えている。「エビオス錠はなぜ1回10錠も飲まなくてはいけないの?」という項目があって、回答はこうだ。主原料の乾燥酵母を一定量とることで効果が出る指定医薬部外品なので、1日の用量が30錠、1回あたり10錠に定められている。有効成分を濃縮した薬ではなく、酵母そのものを量で摂る作りになっている、というわけだ。
名前の由来は恵比寿。瓶が大きいのにも理由がある
写真を見た人の何割かは「瓶でかくない?」と思ったはずで、実際「一生分くらい瓶がでっかい」という感想も出ていた。これも1日30錠という設計から逆算するとわかりやすい。2000錠入りなら約66日分、600錠でも20日でなくなる計算になる。日用品みたいなサイズになるのは必然だった。
リプ欄が大喜利会場になった
この投稿、面白いのはここからで、リプ欄が加工画像の大喜利で埋まった。床に散らばった錠剤を素材にして、文字を組んだり配置を変えたりする遊びが始まっている。
なかでも伸びたのが、錠剤で「EUREKA」の文字を作った1枚だ。サカナクションの楽曲「ユリイカ」に引っかけたもので、投稿した@madowercel_dawnさんは「『ユリイカ』のPV風」とだけ書いていた。数十秒後に本人がいいねを押していったスクリーンショットも上がっている。
「ユリイカ」は2014年1月15日に出た両A面シングル「グッドバイ/ユリイカ」の1曲で、ミュージックビデオは前年12月に公開されている。錠剤を並べて再現するようなものではないはずなのだが、モノクロの床に白い粒がばらまかれた画から連想した人がいて、本人にも通じてしまった。
ほかにも歌詞の言い回しに合わせた替え歌、「昔の日本の暮らしなら畳と床座りだから割れなかったのでは」という生活様式論、「プロテインの大きいボトルでも起こりえる」という筋トレ勢からの自分ごと化まで出ていた。一方で「ガラスが割れてるのに拾って飲んで大丈夫なの」と素直に心配する声も並んでいて、これはまあそのとおりだと思う。
胃腸薬をぶちまけた話がここまで転がるのは、瓶のでかさとタイルの床という画の強さのおかげでもある。手元にエビオス錠の瓶がある人は、置き場所を少しだけ内側にずらしておいてもいいかもしれない。