「八尺様がいた夏休み」がキヨの実況で伸びる、Steam「非常に好評」の和風ハートフルホラー
夏休みが終わる週に、『八尺様がいた夏休み』というホラーゲームの名前がやたらと流れてきます。ネット怪談でおなじみの八尺様が、田舎に預けられた少年にべったり付いてくるという一人称視点のアドベンチャーです。
火が付いたきっかけははっきりしていて、実況者のキヨさんが8月26日18時に投稿した動画。公開から2日足らずで120万回以上再生されました。
1,200円のインディーゲーム、レビューは「非常に好評」
開発・販売はFukachi World。Steamのストアページに載っている配信日は7月29日で、価格は1,200円です。ジャンルはアドベンチャー、カジュアル、インディーの3つ。ユーザーレビューは353件のうち331件が好評で、Steamの評価は「非常に好評」になっています(数字は8月28日時点)。
舞台は鬼伏村(きぶせむら)。父の都合で祖父の家に預けられた少年・さくが、村に伝わる怪異「八尺様」に気に入られてしまうところから始まります。連れて行かれないように隠れたり逃げたりしながら、村で出会った少女と一緒に村の謎を解いていく、という筋書きです。
ストアページに「実況・配信、大歓迎です!」と自分で書いてある
このゲーム、Steamの紹介文の最後に開発者からの一文が入っています。「実況や配信、大歓迎です! もしよければ、動画の概要欄などにこのページのURLを貼ってもらえると、とても嬉しいです!」。実況で見つけてもらう前提で作られている、というわけです。
そこにキヨさんの動画がはまりました。タイトルは「今話題の『八尺様』と夏休みを過ごすホラーゲーム」。投稿から2日足らずで120万回を超え、Xでも「きよの八尺様がいた夏休み、完走した」といった感想が並んでいます。
キヨさん以外にも、Vtuberや個人配信者が同じ時期に次々とプレイしていて、8月26日から28日にかけての配信告知だけでもかなりの数が流れました。1,200円で数時間で終わる規模というのも、配信に乗せやすい理由なのでしょう。
遊べるのはWindowsのSteam版だけ、キヨの実況は2時間37分
対応機種は、10月8日時点でもSteamのWindows版だけです。ストアページに出ているのはWindowsのアイコンのみで、SwitchやPlayStation、スマホ版の案内はありません。通常価格は1,200円のままです。
ストアページの動作環境は、最低がWindows 10(64bit)・メモリ4GB・GeForce GTX 1060、推奨がWindows 11。ただし最低環境の欄には、開発側がまだ検証できていないので最低要件は分からない、という英語の注記が付いています。対応言語は日本語のほか、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ロシア語、スペイン語など。
クリアまでのプレイ時間は、ストアページには書かれていません。目安になるのはキヨさんの実況で、YouTubeの動画は1本で2時間37分。10月8日時点で再生回数は366万回を超え、8月28日に書いた120万回から3倍になりました。
レビューも増えていて、10月8日時点で420件中93%が好評、評価は「非常に好評」のまま。直近30日に絞ると49件中87%が好評です。
ストアページには、AI生成コンテンツの使用についての開示もあります。開発者の説明では、生成AIを使ったのはシナリオの校正、一部の翻訳、ゲーム内の一部のテクスチャで、すべて人の手で確認・調整したうえで組み込んだとしています。
「怖い」より「泣いた」の感想が並ぶ
面白いのは、感想の温度がホラーゲームらしくないことです。「ホラゲで半泣きなったの初めて」「ホラーだけど感動した」「切なさが残るのが夏の思い出にふさわしい」と、怖がる声より情緒に振れた声のほうが目立ちます。「八尺様が美人すぎて何も怖くない」という身も蓋もない感想もありました。
公式の紹介文でも「やさしくて怖い和風ハートフルホラー」と名乗っていて、鬼ごっこの緊張感と田舎の夏の空気を両方乗せにきています。時間で移り変わる景色や自然の音を売りにしている、というのもストアページに書かれているとおりです。
元の八尺様は2008年の掲示板発
そもそもの八尺様は、2008年に2ちゃんねるオカルト板の洒落怖スレッドへ投稿された創作怪談です。身長が八尺、およそ2.4メートルある女性の姿の怪異で、「ぽぽぽ…」という声と、顔がよく見えない白い帽子が定番の描写。海外の怪人スレンダーマンに影響を受け、それを日本の田舎に置き換えたものと言われています。
田舎、夏休み、祖父の家という舞台立てはもともとの怪談から来ているので、8月末に遊ぶには時期がちょうどいい題材でした。夏休みの宿題を片付けそこねた人は、少年の夏で気を紛らわせるという手もあります。