「食べないでください」と書かれた座布団 乾燥剤そっくりのクッションが実在する
袋菓子を開けると必ず入っている、あの白い小袋。ふだんは中身を見もせずに捨てているあれが、座布団のサイズで売られています。
白い生地に黒い明朝体で「SILICA GEL」「THROW AWAY “DO NOT EAT”」「DESICCANT」。文字の並びも、袋の口をとじたようなヘリの処理も、本物の乾燥剤をそのまま45cm角に引き伸ばした見た目です。ソファに置いておいたら、律儀な人がゴミ袋に入れてしまいそうな迫力があります。
Xで見つけて驚いた人の投稿では、店頭の棚の前で本物そっくりの白い袋が抱えられています。
売っているのはRomelCheoというブランドで、楽天市場の同ブランドのショップで扱われています。サイズは45×45cm、素材はコットンとポリエステル。背当てにも座布団にも使える大きさで、価格は4,980円(送料無料)です。実際に部屋の湿気を吸う機能は、当然ながらありません。
そもそも、なぜ食べてはいけないのか
ネタとして成立しているのは、「DO NOT EAT」という一文が誰の記憶にも刷り込まれているからです。ではあの警告、どれくらい本気なのか。
シリカゲルの正体は二酸化ケイ素で、水晶や石英と同じ成分です。化学的に安定していて毒性はなく、口に入っても体内でほとんど消化吸収されません(シモジマの解説)。子どもが少しなめてしまった程度なら、特に処置は要らないとされています。食べ物ではないので当然表示は必要ですが、中身そのものが猛毒というわけではないわけです。
気をつけるものが混ざっている場合はあります。粒の中に青いものが混じっているタイプは、湿り具合を目で見て分かるように塩化コバルトを指示薬として加えたもの。水分を吸うと青からピンクへ変わる仕掛けです。この成分は大量に摂れば中毒の心配があるため、近年はコバルトを使わない製品も増えています。
拡大するだけでネタになる日用品の系譜
このクッションが面白いのは、デザインを何も足していないところです。文字も配置も本物のまま、大きさだけを50倍くらいにしている。輪ゴムやクリップ、電池といった「見慣れすぎて誰も見ていないもの」を巨大化させると急に絵になる、という手口の一種です。
しかも乾燥剤には「捨ててください」と「食べないでください」という、家具にはまず書かれていない指示が最初から印刷されている。抱きしめる前提のクッションに、捨てろと大書してあるのがきれいなねじれになっています。
実物は楽天市場のRomelCheoのショップで見られます。部屋の湿気は1グラムも吸ってくれませんが、来客に二度見させる性能はかなり高そうです。