シウマイ弁当の「ご飯が足りない」を白米持参で解決しようとした人、東京駅で最悪の結末を迎える
崎陽軒のシウマイ弁当を食べていると、ある一点で手が止まる瞬間がある。おかずはまだ残っているのに、俵型のごはんが先に尽きるのだ。筍煮と鮪の漬け焼きだけで白米が消える、あの配分バグ。
その悩みに対して、極めて論理的な解決策を実行した人がいた。家で白米を炊いて、タッパーに詰めて持っていく。作戦としては完璧だった。
東京駅の崎陽軒が、根こそぎ売り切れていた。
テーブルに残ったのは白飯だけ
投稿された写真には、新幹線の座席テーブルに置かれたタッパーの白飯が写っている。ふたを開けたそこにあるのは、ただの白いごはん。隣に置かれるはずだったシウマイも、鮪の漬け焼きも、あんずも存在しない。背後の座席ポケットにはペットボトルが1本刺さっているだけで、まさかそれをおかずにするわけにもいかない。
準備を万全にしたせいで、本体を失ったときのダメージが最大化されている。投稿は5万いいねを超え、「めっちゃわかるけど、可哀想すぎる」という同情と笑いが同時に集まった。
なお8月12日は、お盆の帰省ラッシュのピークにあたる時期だ。東京駅の駅弁売り場が普段より早く品薄になるのは十分あり得る話で、よりによってその日に白米だけを持参してしまったところに悲劇の密度がある。
「ご飯が足りない」と思っていたのは1人ではなかった
反応を見ていくと、この不満を抱えていた人はそれなりにいた。「白米足りなくなるのめっちゃわかる」「筍煮だけでご飯が全部いける。シウマイに手をつける頃にはごはんが無い」といった声が続き、なかには「1つで足りないなら2つ買えばいい」という身も蓋もない解決策も出ていた。
ただ、いちばん的を射ていたのはこの指摘だった。
家で炊いた白米を持っていっても、たぶん満足はできない。シウマイ弁当のごはんは、量の問題ではなく質の問題だからだ。
あの冷めたごはんは、家では再現しにくい
シウマイ弁当は1954年に登場して、今も税込1,180円で売られている。中身は俵型ごはん(小梅、黒ごま)に昔ながらのシウマイ5個、鮪の漬け焼き、蒲鉾、鶏の唐揚げ、玉子焼き、筍煮、あんず、切り昆布と千切り生姜という構成だ。
このごはんが冷めてもおいしい理由としてよく挙げられるのが、容器に使われている経木である。経木はスギやマツを薄く削った木の板で、ごはんの余分な水分を吸って調湿してくれる。プラスチックの容器だと蓋の裏に水滴がついてごはんに落ちるが、経木だとそれが起きにくい。文春オンラインの取材記事でも、崎陽軒がごはんの程よい水分量を保つために今も経木の弁当箱を使い続けていると紹介されている。加えて、ごはんは炊飯ではなく蒸気で炊き上げているとされ、べちゃっとしない独特の固さになる。
つまり白米を持参しても、あの木の匂いがうっすら移った冷やごはんにはならない。増量はできても、味の再現はできない。理屈っぽく考えた末の作戦が、根っこのところで空振りしていたことになる。
対策としては予約が正解
シウマイ弁当は多い時期で1日4万食以上が動く商品なので、繁忙期に売り場から消えること自体は珍しくない。どうしても確保したい日は、崎陽軒の店舗受取サービスで店舗と受け取り日時を指定しておく手がある(対応は店舗によって違うので、確認してから使いたい)。横浜駅や東京駅は店舗数が多いとはいえ、帰省ラッシュの当日に「行けば買える」と踏むのは、いま振り返るとやや強気だった。
そしてタッパーの白飯は、たぶんおにぎりにでもして食べたのだと思う。次の遠征では、ごはんの前に弁当を確保してほしい。