ネット都市伝説「巨頭オ」が実写映画化、12月25日公開 20年前の数行のコピペが長編になる
山道を走っていたら、村の名前を書いた看板が「巨頭オ」になっていた。これだけで20年ぶん怖がられてきたネット怪談が、映画になります。8月21日、ホラー映画『巨頭オ』が12月25日に公開されると発表されました。
監督は近藤亮太さん本人の投稿です。「半分はきっと想像通りの、もう半分は全く想像していないような映画になっていると思います」という言い方が、原作を知っている人ほど引っかかるところだと思います。
そもそも「巨頭オ」は数行しかない
原典は2006年、インターネットの掲示板に投稿された短い体験談です。昔に行った村へもう一度向かったら、村の名前のはずの看板が「巨頭オ」になっていた。その先の集落で、異様に大きな頭を左右に振りながら近づいてくる何かに遭遇して、慌てて逃げ帰った。話はそこで終わります。
怖さの正体が最後まで説明されないところが、この話が長く残った理由です。看板の「オ」については、本当は「巨頭村」で、「村」の字が掠れて「オ」に見えただけではないか、という考察が古くからあります。ただしそれも読者側の推測で、原文には書かれていません。表記についても「巨頭オ」と半角カタカナで書かれることが多く、映画の公式サイトは全角の『巨頭オ』を採っています。
配給ファインフィルムズの公式チャンネルで公開された特報です。夜の山道、森、そして例の看板。原典を読んだことがある人なら、映像が何をなぞっているかがすぐ分かる作りになっています。
「あの短さで映画にできるの?」
反応の大半は、驚きよりも先に尺の心配でした。「巨頭オって文章5行くらいしかないネット都市伝説なのに、映画にできるんだ」「あの短さシンプルさが魅力な気がするが」といった声が並んでいます。逆に「あの短文でめちゃくちゃ怖さを掻き立てられていたからこそ、映像化するとどうなるのか気になる」と、そこを楽しみにしている人もいました。
原作の粗筋どおりに撮ると「行きました、いました、帰りました」で10分もたないので、映画版は父の死の真相を追うという別の軸を足しています。公式のあらすじによると、主人公・高尾春馬は、20年前に山奥の廃村から帰ったあと様子がおかしくなり亡くなった父の日記をたどり、失踪の記録と村の儀式、そして「巨頭オ」と呼ばれる禁忌にたどり着きます。「巨頭オ」の看板は物語の入口であって、全部ではないという構成です。
監督は「日本ホラー映画大賞」出身
近藤亮太さんは、第2回日本ホラー映画大賞で大賞を受賞した短編を長編化した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で2025年1月に劇場デビューしたばかりの監督です。派手に驚かせるより、じわじわ気持ち悪くしてくるタイプの作風で知られていて、反応にも「ジャンピングスケアがないことがウリの監督が巨頭オを撮るのか」という書き込みがありました。
主演の前田拳太郎さんは『仮面ライダーリバイス』の五十嵐一輝役で、これが映画初主演。婚約者役の久保史緒里さんは乃木坂46を卒業後、俳優としての出演が増えています。
2ch怪談の実写化は続いている
ネット怪談の映画化そのものは、ここ数年ずっと続いている流れです。2004年に投稿された「きさらぎ駅」は2022年に映画化されてヒットし、2025年には続編の『きさらぎ駅 Re:』も公開されました。永江二朗監督は『真・鮫島事件』『きさらぎ駅』『リゾートバイト』を「ネット都市伝説3部作」として撮っています。
そこに「巨頭オ」が加わったかたちで、反応にも「2ch洒落怖モノは軽率にガンガン映像化してもろて」と歓迎する声がありました。原典を知らない世代がどう受け取るかも含めて、12月25日が答え合わせになります。クリスマスに観る映画としては、なかなかの選択肢です。