「レターパックで現金送れ」は全て詐欺、この1行の“現金”をどんぐりに変えた大喜利が2万いいね
郵便局の窓口や交番の掲示で見かける「レターパックで現金送れ」は全て詐欺、という一行。あの定型文の単語をひとつだけ差し替えたポストが、8月15日に2万いいねを超えました。
現金がどんぐりになると、詐欺がリスになる。それだけの話なのに、言われるまで誰も気づいていなかったやつです。
元ネタは警察と郵便局が本気で貼っている一行
差し替えられる前の原文は、特殊詐欺の注意喚起として全国の警察が使っている文言です。長野県警は「『レターパック等で現金を送れ』は詐欺!」と掲げ、富山県警も「『レターパック、宅配便で現金送れ』は、全て詐欺」という表現で呼びかけています。総務省も、レターパックを悪用した詐欺事件が発生しているとして注意を出しています。
日本郵便の案内でも、レターパックで送れないものとして現金や貴金属などの貴重品がはっきり挙げられています。つまりこの一行は、ネットのコピペではなく現実の掲示物として全国に大量に貼られている。だからこそ、1語ずらされたときの「見たことある」感が強いわけです。
そもそも、なぜレターパックで現金を送れないのか
ここが地味に「へぇ」ポイントで、これはマナーや自主ルールではなく法律の話です。郵便法第17条で、現金を郵便で送るときは現金書留によらなければならないと決まっています。レターパックはもちろん、ゆうパックでも簡易書留でも一般書留でも、現金を入れた時点で規定から外れます。
理由もはっきりしています。現金書留は中身の金額を申告して差し出し、万一の紛失時には申告額の範囲で補償が受けられる仕組みです。逆にレターパックは送金記録も補償も想定されていないので、まっとうな商取引ならわざわざ選ぶ理由がない。「その送り方を指定してくる時点でおかしい」という、手口そのものを狙い撃ちにした標語なんですね。
リプ欄が丸ごと大喜利になった
いいねが伸びるにつれて、リプ欄と引用は同じ型の派生で埋まりました。「レターパックでひまわり送れ」は全てハム太郎、「レターパックできみ送りたまへ」は全て与謝野晶子、「レターパックで魂送れ」は全てダービー、といった具合です。ネコを送れば当然ネコが返ってくるし、アマガエルを送るとサギ(鷺)になって一周して戻ってくる。
真面目に返している人もいて、「現金を送る方法を対象に違法としているのは少し不条理では」「本当は『現金をくれ』という要求のほうを遠回しに違法だと言っているのでは」と、標語の言い回しそのものを考察するリプも付いていました。大喜利の下でひっそり郵便法の議論が始まっているのが、いかにもこの手のバズらしいところです。
どんぐりは、実際のところ送れる
ついでに確認しておくと、どんぐり自体はレターパックで送っても問題ありません。日本郵便がレターパックの対象外に挙げているのは、現金や貴金属などの貴重品、爆発物や毒劇物などの危険物、哺乳類や鳥類などの愛護動物、それに法令で輸送が禁止・制限されているもの。木の実はどれにも当たりません。中に虫が残っていないかだけ気をつければ、リス役をやりたい人は今日からでも始められます。
もっとも、送り先から「レターパックでどんぐり送れ」と指定された場合は、相手がリスなのかどうかを一応確かめたほうがいいと思います。