「ねるねるねるね」って一般に知られてる…? ゲラに入った校閲の素朴な問いに、ミルクボーイや“累計9億個”で総ツッコミ
本が世に出る前には、「校閲」という、文章の事実関係や表現を細かくチェックするプロの工程があります。その校閲から思わぬ“確認”が入ったと、文芸評論家の三宅香帆(@m3_myk)さんが秋に出る新刊のゲラ(校正刷り)を前に、動揺をあらわにしました。
問題になったのは、文章中に登場する「ねるねるねるね」という言葉。粉に水を混ぜて練ると色が変わってふくらむ、あの知育菓子です。三宅さんはこれを比喩として使ったのですが、ゲラには校閲からの赤字で「一般的に知られていますか?」というコメントが。著者としては「知られてるよね……!?!?」と、思わず天を仰ぐ事態だったようです。
校閲の仕事は「みんなが分かる」前提を疑うこと
一見すると「さすがに知ってるでしょ」とツッコみたくなりますが、これは校閲の真面目さの表れでもあります。読者の中には、その言葉になじみのない人もいるかもしれない。そう考えて、「本当に説明なしで伝わるか」を一つひとつ確認していくのが、彼らの大切な仕事だからです。世代や地域によって“常識”は変わるもの。だからこそ、あえて素朴な問いを投げかけるのですね。
「知られてる証拠」が続々
とはいえ、リプライ欄には「いや、さすがに知られている」という擁護(?)が殺到しました。
たとえば、テレビディレクターからは「ミルクボーイが漫才のつかみで『ねるねるねるねの2の粉をいただきました!』と言って笑いが取れるのは、一般的に知られているからですよ」という鋭い指摘。あの掴みが成立する時点で、国民的な認知度の証明になっている、というわけです。さらに、「累計の販売数は9億個にものぼり、世界的なベストセラー級」というデータを持ち出す人まで現れ、その知名度の高さが次々と裏づけられていきました。
知っている人にとっては当たり前すぎて、逆に「知らない人がいるの!?」と驚いてしまう。そんな“みんなの常識”を、改めて立ち止まって確認する。本づくりの裏側にある、地道で誠実な攻防がのぞいた一幕でした。