八景島シーパラダイスの「マツケンまみれまみれ島 秋の陣」は9/30まで、晴れさせ契約の謝礼は米俵50kg
「今、シーパラダイス来た方がいいぞマジで」。9月9日の夜、そんな一言と4枚の写真がXに投げられて、そのまま7万9千いいねまで伸びた。写真を1枚ずつ見ていくと、たしかに来た方がいい気がしてくる。
1枚目は園内の汽車を正面から撮ったもので、車体の真ん中にでかいマツケンの顔がはまっている。しかも不機嫌そうに口をへの字にしている。2枚目は水槽のウミガメで、甲羅から生えている首がマツケンになっている。3枚目はイワシの群れの中を金の着物のマツケンが何匹も泳いでいて、4枚目はフラミンゴの真横に金ぴかのマツケンパネルが立っている。
正体は「マツケンまみれまみれ島 秋の陣」
やっているのは横浜・八景島シーパラダイス。公式アカウントが9月8日の朝に告知していて、期間は9月30日(水)まで。園内を「どこにいてもマツケン」「何をしてもマツケンサンバ」で埋める企画で、公式が自分で「過剰没入型エンターテインメント空間」と呼んでいる。
もともとは今年のGWにやった「マツケンまみれゆうえんち」(4月17日〜5月7日)が始まりで、夏休みに水族館まで巻き込んだ「夏の陣」(7月18日〜8月31日)に拡大した。それで終わるはずだったのが、プレスリリースによるとお盆シーズンの悪天候で来場をあきらめた人から続けてほしいという声が届いたため、「秋の陣」として継続することになったという。
汽車が怒っているのは仕様
1枚目の汽車は「表情可動式マツケントレイン」という名前がついている。GWの時点では顔が固定だったのが、夏の陣の途中から眉毛と口がマグネットになり、笑ったり怒ったりキリっとしたりと表情を変えられるようになった。写真のマツケンが不機嫌なのは、たまたまその日そういう顔にされていたからだ。
ちなみにこの汽車が走るのは土日祝だけで、平日は停留している。投稿があった9月9日は水曜なので、写真のマツケンも動かない日にじっと正面を睨んでいたことになる。顔だけはずっと仕事をしているわけだ。
秋からは「マツケンまみれバス」も増えた。園内を周る周遊バスの車体のあちこちにマツケンが出るようになったもので、1回100円で約30分。汽車、クルーズに続く3台目の「マツケンモビリティ」ということになる。
水族館は生きものの習性でボケてくる
面白いのは、水族館側の展示が単にマツケンの顔を貼っただけではないところ。秋の陣で追加された展示は、その魚の生態をちゃんと使ってくる。
- マツケンフウセンウオーレ!(アクアミュージアム1F LABO3)。フウセンウオはお腹に吸盤状のヒレを持っていて岩などにくっつく。水槽に巨大なマツケンの顔を入れて、その顔や頭にフウセンウオがぺたりとくっつくのを見る展示。どこにくっつくかは魚の気分次第
- 巻きつケン!タツノオトシゴ(3F LABO6)。タツノオトシゴが尾で海藻に巻きつく習性を使って、マツケンに巻きついてもらう
- マツケンクラゲ水槽 万華鏡・改(3F LABO9)。夏に登場したクラゲ水槽のアップデート版で、今回は水槽内に「オーレ!」の文字が追加された
- クリオーレ水槽(1F LABO3)。クリオネとオーレを掛けた命名で、流氷の下を小さいマツケンが泳ぐ
3枚目のイワシの写真は、5万尾のマイワシがいるアクアミュージアムの大水槽とみられる。国内で最も多くマイワシを飼育している水槽で、音楽に合わせて群れが形を変える「スーパーイワシイリュージョン 〜輝く群れの奇跡〜」が1日数回行われている。その群れの中に金の着物のマツケンが混ざってくるのだから、もう何のイリュージョンなのか分からない。
フードも名前で押してくる。「マツケン直轄地謹製 マンゴーパフェ」900円、「恋せよアミーゴ!黒蜜きな粉クレープ」980円、「サンバだ!チュロスだ!ソフトクリーム」850円あたりが並んでいて、ホテル シーパラダイス インには世界初を名乗る「マツケンコラボルーム」まで用意された(9月8日〜29日・1日1部屋限定)。壁も窓もベッドスローもマツケンだという。
発端はGWの「晴れさせ契約」、謝礼は米俵50kg
ここまで振り切った理由を遡ると、今年のGWにたどり着く。
シーパラダイスは昨年のGWが悪天候だったことを逆手に取り、マツケンサンバの「サンバ」を「SUN(太陽)」に読み替えて、松平健さんを晴れの神さまとして起用した。しかもGW期間中に晴れた日数に応じて謝礼の内容が変わる、天候インセンティブ報酬付きの「晴れさせ契約」を本人と締結している。日本初だという。
結果は公式が発表している。対象期間の4月25日〜5月6日の12日間のうち晴天は11日、雨は5月1日の1日だけで、晴れさせ率91.7%。契約に基づいて松平さんへの謝礼は米俵50kgに決まった(晴れ10〜11日のレンジに該当)。同じ期間の集客も前年同期比プラス26%だったと発表されている。
そして秋の陣の初日、9月8日にも本人が来島して「マツケン超晴れ祈願」を実施している。今回も地上15mの高所作業車から、「マツケンサンバⅡ」の歌詞をアレンジしたオリジナル曲『晴れ乞いのマツケンまみれまみれ♪ハレっ!』を、お面をつけた約50人の来園者やスタッフと一緒に披露した。
契約も再締結された。次の目標はシルバーウィークの最大9連休をすべて晴れにする「9戦9勝」で、11勝1敗だった前回より条件は厳しい。本人は「全国のみなさんに晴れを届けられるよう、しっかり祈願したい」とコメントしている。イベント後には「たくさんの方に踊っていただいて、会場全体がすごく盛り上がったと思います。来ていただいたみなさんが笑顔になってくれて本当に嬉しいです」とも話していて、夏までの反響については「GWや夏の陣は、SNSでの反響が多く、大変嬉しいですね。私自身もビックリしました!」と振り返っている。
メリーゴーラウンドのBGMまで暴れん坊将軍
行った人の投稿を見ると、視覚だけの話ではないらしい。乗換案内NEXTのアカウントは、メリーゴーラウンドのBGMが暴れん坊将軍のテーマだったと動画つきで報告して、こちらも1万9千いいねを超えた。
公式自身が「気づけば一日中マツケンから逃れられない」と書いているとおり、目に入るものだけでなく耳から入るものまでマツケンで固めてある。おまけにワンデーパスを買うとマツケンのお面がもらえるので、自分もマツケンになった状態でマツケンだらけの島を歩くことになる。
秋の陣は9月30日まで。シルバーウィークの天気が9戦9勝になるかどうかも、そのころには答えが出ている。