← 一覧へ 暮らし

🍘この絵文字、日本人は一瞬で「のり煎餅」。でも海外の人には“夜のビルと満月”に見えていた

2026年7月4日 ・ トレンド「煎餅 絵文字 🍘 外国人 満月 ビル」より

スマホの絵文字パネルを開けば、当たり前のように並んでいる食べものの絵文字たち。その中に、黒い帯の巻かれた丸い🍘があります。日本で育った人なら、一瞬の迷いもなく「のり煎餅」だとわかるはず。ところがこれは日本だけでなく、世界中のスマホに入っている共通の絵文字なのです。そこに面白い“ズレ”が生まれていました。

投稿したのは、「日本推しラトビア人」として親しまれるアルトゥル・ガラタ(@ArturGalata)さん。日本の文化や言葉のちょっとした発見を、日本語で面白おかしく発信して人気を集める人物です。彼いわく。「この絵文字を見て『のり煎餅』と日本の方はわかると思いますが、(略)『のり煎餅』を見たことない外国人は『高いビルの後ろに満月がある』というロマンチックな絵文字と勘違いすることがあります」。

言われてみれば「夜のビルに、まんまるの月」

種明かしをされて🍘をもう一度見ると、もう先ほどまでのようには見えません。中央の黒い四角は、夜空にそびえる高層ビルのシルエット。その奥にぽっかり浮かぶ丸は、煎餅ではなく満月。香ばしいおやつだったはずの絵文字が、急に静かで詩的な夜景に切り替わってしまいます。

リプライ欄も、同じ体験をした人たちで賑わいました。「もう満月にしか見えなくなった」「ビルと月だと思って見ると本当にロマンチック」と、一度その見立てを知ってしまうと元に戻せない、という声が続々。何気なく使ってきた絵文字の中に、こんな“もう一つの絵”が隠れていたとは、と多くの人が二度見しました。

そもそも🍘は「せんべい」の絵文字

念のため裏を取ると、🍘は Unicode に U+1F358 として登録された、正式名称「Rice Cracker(せんべい)」の絵文字。2010年の Unicode 6.0 で承認され、絵文字としては「アジアの食べもの」カテゴリに分類されています。デザインの元になっているのは、まさに海苔を巻いた丸い煎餅そのものです。

つまり“正解”は煎餅で間違いないのですが、海苔巻きの煎餅という食べもの自体が海外ではあまり馴染みがありません。前提を知らない目で見れば、黒い長方形と丸い円という抽象的な図形の組み合わせ。そこに「ビルと満月」という別の意味を読み取ってしまうのも、まったく無理のない話なのです。

実は“日本人にしか一発で伝わらない”絵文字は他にも

こうした絵文字は🍘だけではありません。たとえば🍥。日本人には「ナルト(鳴門巻き)」だとすぐわかりますが、海外では渦巻き模様のキャンディやロリポップと勘違いされがちな一枚です。串に刺さった🍡(だんご)や🍢(おでん)、🎐(風鈴)なども、和の食文化や風物を知らないと「これは一体何のマーク?」となりやすい絵文字たち。私たちが説明不要で共有している“当たり前”は、世界から見ると意外とローカルな記号なのだと気づかされます。

日本の文化を外側の視点から眺めるアルトゥルさんならではの、鮮やかな“気づき”。2025年の関西万博ではバルト館のスタッフとしても活躍し、日本の細やかな面白さを拾い上げてきた彼らしい投稿でした。次にメッセージで🍘を使うとき、あなたの目にはもう、香ばしい煎餅ではなく、ビルの向こうに昇る満月が見えているかもしれません。