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バナナの馬にパイナップルの牛 南国すぎる精霊馬が12万いいね

2026年8月14日 ・ トレンド「精霊馬 バナナ パイナップル 南国 お盆 変わり種」より

迎え盆の8月13日、お昼すぎに投稿された1枚の写真が伸びました。畳の上に置かれた黒い漆の丸盆、そこに割り箸の足で立っているのは、きゅうりでもなすでもありません。バナナとパイナップルです。

添えられた一言は「今年は先祖に南国気分を味わわせてみようと思う」。8月14日の昼の時点で12万いいねを超えています。

割り箸4本ずつ、ちゃんと精霊馬の作法で立っている

写真をよく見ると、思ったより真面目に作られています。バナナは反った形をそのまま活かして、腹の下に割り箸を4本。カーブの頂点が背中になるので、横から見ると首を下げて草を食んでいる馬っぽいシルエットになります。

パイナップルのほうは胴体を横倒しにして、こちらも割り箸を4本。とがった葉の束が後ろにばさっと張り出しているので、結果的に尻尾の位置に立派な飾りが付きました。「しっぽ強そう」という感想が出るのも分かります。

盆に載せて畳の上、という置き方も含めて、ふざけているようで手つきは丁寧です。

そもそも精霊馬は、行きが馬で帰りが牛

念のため元のルールを確認しておくと、きゅうりとなすで作るあの飾りは精霊馬(しょうりょううま)と呼ばれます。きゅうりは足の速い馬で、ご先祖様に早く帰ってきてもらうための迎え用。なすは足の遅い牛で、お土産をたくさん積んでゆっくり戻ってもらうための送り用です(はせがわ)。

もともとは麦わらなどで作られていたものが、都市部で材料が手に入りにくくなり、身近な夏野菜に置き換わったという流れがあります。つまり「そのへんにある細長いものを馬、丸っこいものを牛にする」というのが本来の発想。細長いバナナを馬、ずんぐりしたパイナップルを牛に割り当てたこの配役は、形の理屈だけでいえば正しいわけです。

ツッコミは「パイナップルの乗り心地」に集中した

反応で目立ったのは、ご先祖様の身体を心配する声でした。「パイナップルの背中はチクチクして痛そう」「ゆっくり帰る道中ずっとあれに乗るのはきつい」と、送り便の座り心地を気にする人が続出。バナナのほうは逆に評判がよく、「きゅうりより明らかに乗り心地がいいだろ」という擁護も出ていました。

一方で「よく考えたらきゅうりも表面わりとゴツゴツしてるので、条件はそんなに変わらないのでは」という冷静な指摘もあり、言われてみればそのとおりです。ほかにも「ドラゴンフルーツもいい、トサカがあるから掴まれる」と別案を出す人、「TLでパイナップル精霊馬を2つ観測した」と流行の兆しを報告する人もいました。

沖縄のお盆では、フルーツを供えるほうが普通だった

ここで面白いのが、日本のなかにも「精霊馬を作らない地域」があることです。沖縄の旧盆にはきゅうりとなすの精霊馬という習慣がなく、代わりに長いサトウキビを仏壇の両脇に飾ります。グーサンウージと呼ばれるもので、ご先祖様が帰り道でつまずかないための杖であり、お土産をぶら下げる天秤棒でもあるとされています。

さらに沖縄では、お供えの果物(ナイムン)にも意味が割り振られていて、バナナは男性性を、みかんやりんごは女性性を表すとされます(沖縄いちゃりばメモリアル)。バナナを仏前に供えること自体は、まったく突飛な行為ではないんですね。

ネタで組んだトロピカル精霊馬が、南に行けば普通のお供えに近づいていく。作法がどうこうと目くじらを立てず、地域ごとにゆるく形が変わってきたからこその話です。

今年の精霊馬は当たり年かもしれない

ちなみに今年のお盆は、変わり種の精霊馬が例年以上に目につきます。台風のなかご先祖様を迎えるためにナスを彫ってカイオーガを仕立てた人もいて、そちらは4年目の恒例行事になっていました(台風直撃のお盆にナス製カイオーガが出動)。

送り盆は8月16日です。スーパーの果物売り場でバナナを見て「これ、足を刺したら馬になるな」と思い始めたら、もう手遅れだと思ってください。