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台風直撃のお盆にナス製カイオーガが出動 4年目の精霊馬がまた進化していた

2026年8月12日 ・ トレンド「精霊馬 カイオーガ ナス ポケモン お盆 台風15号」より

台風15号が関東に近づいていた8月11日の朝、Xにこんな投稿が流れてきました。「台風の中、ご先祖様が無事に帰還出来るようにカイオーガを手配しました」。添えられた2枚の写真に写っているのはナスです。ただし、そのへんに転がっているナスではありません。皮を削り、切り込みを入れ、組み合わせて作られた海の伝説ポケモン、カイオーガの精霊馬でした。

ナスの皮を「塗り分け」て模様にする

真上から撮った1枚を見ると、作りがよくわかります。胴体は大きめのナス1本。そこから左右に伸びるヒレも、後ろで扇のように広がる尾も、別のナスを削り出したパーツです。

うまいのは色の出し方で、絵の具は一切使っていません。ナスの黒い皮をどこまで残し、どこを削って白い果肉を出すか、その塗り分けだけでカイオーガの模様を再現しています。ヒレの付け根に入った丸い輪郭も、腹の白い部分も、削りの深さを変えて作った線です。

横から撮ったもう1枚では、頭に彫り込まれた目と口のラインまで確認できます。ナスのつやのある皮がそのまま体表の光沢に見えるので、遠目には海洋生物のフィギュアです。投稿は12日朝の時点で4万8000を超えるいいねを集めました。

精霊馬は行きが馬で、帰りが牛

ここでお盆の風習をおさらいしておくと、きゅうりとナスで作るあの飾りは「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれます。きゅうりは足の速い馬で、ご先祖様に早く帰ってきてもらうための迎え用。ナスは足の遅い牛で、お土産を積んでゆっくり戻ってもらうための送り用です。13日は内向き、16日は外向きに置くのが一般的とされています。

つまりナスで作る以上、これは「帰り便」の担当。ご先祖様がのんびり帰るはずの区間に、海を司る伝説のポケモンが配車されたことになります。

そして今年はその天候がなかなか本気でした。台風15号(チャンホン)は8月11日の20時ごろに茨城県南部へ上陸し、関東を横切りながら30メートル近い暴風を観測しています(ウェザーニュース)。帰省ラッシュのど真ん中に直撃したかたちで、牛のスピードで帰るのはさすがに厳しい。カイオーガを手配したくなる気持ちもわかります。

2023年から毎年、去年はテレビにも出た

作者のようさんがこの精霊馬を始めたのは2023年です。その年は「ご先祖様へ台風でも帰れるようにカイオーガをご用意致しました」で6万いいね。2024年は原始回帰させてゲンシカイオーガに仕上げ、6万7000いいね。頭の飾りが鋭く伸びて、ヒレの模様も別物になっています。

そして2025年の「大雨の中」バージョンが23万8000いいねと大きく跳ね、TBSの「THE TIME,」と「Nスタ」で紹介されたと本人が報告しています。ナスの工作で地上波に出るのは、なかなかない体験だと思います。

きっかけはスーパーでナスを見たときに「カイオーガの胴体に似ている」と思ったこと。小学1年生のときに発売された『ポケットモンスター サファイア』から全シリーズを遊んでいて、パッケージを飾るカイオーガが一番好きなのだそうです。制作には4時間かかり、そのうち2時間が模様の削り出し。ナスも朝採りの新鮮なものを選んでいると、grapee のインタビューで語っています。4時間のうち半分を模様に注ぎ込む配分が、あの再現度の答え合わせになっています。

「その特性、雨降らしでは」というツッコミ

反応で目立ったのは、ポケモンに詳しい人ほど気づいてしまう矛盾でした。カイオーガの特性は「あめふらし」。原始回帰したゲンシカイオーガに至っては「はじまりのうみ」で雨が降り続きます。台風の日に呼ぶと、天気を鎮めるどころか悪化させかねない相手です。「嵐を起こしてるお前では」と書き込む人が何人かいました。

とはいえ擁護もあります。精霊馬の常連はカイオーガとレックウザで、レックウザの特性は天候の効果を打ち消す「エアロック」。どちらも荒れた天気でふつうに動けるので、悪天候の送迎役としては案外まっとうな人選ではある、という指摘です。「移動手段が強すぎる」という素直な感想も見かけました。

送り盆は16日。ナス売り場の前で「これ、胴体に使えるな」と考え始めたら、それはもう手遅れです。