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会社の近所に「大衆焼肉 暴飲暴食」がオープンしようとしている、店名で全部言い切る焼肉店は都内で増殖中だった

2026年8月13日 ・ トレンド「大衆焼肉 暴飲暴食 焼肉 店名 新進気鋭 広尾」より

会社の近所に新しい店ができるとき、たいていは工事の囲いが取れて看板が出た瞬間に業態が分かる。今回もそうだった。分かった上で、穏やかではなかった。

黒地に白抜きの明朝体で「大衆焼肉 暴飲暴食」。左肩に小さく「大衆焼肉」と入っているので、業態の説明はしてくれている。していない方の4文字が強すぎるだけだ。

店名が注意書きも兼ねている

普通、飲食店の名前は素材や地名や店主の名前から取る。この店は客が店を出るときの状態を名前にしている。看板の前を通っただけで「今日はやめておくか」と「今日はやるか」の二択を迫られる。

ふざけて付けた名前かというと、そうでもない。運営元である新進気鋭グループの公式サイトには、このブランドのコンセプトがこう書いてある。焼肉を食べる日は、糖質制限、ダイエット、禁酒とか一旦やめにして、思いのままに暴飲暴食。

看板と本文が一致していて、読んだあとに追加で分かることが何もない。潔い。

広尾で始まって、いつのまにか5店舗

写真の店は屋号だけで地名が入っていないので、どこにできる新店なのかは投稿からは分からない。ただ、このブランド自体は前からある。1号店は広尾で、2023年の開業と紹介されている。公式サイトのブランドページには現在、広尾・武蔵小杉・中目黒・四谷・東陽町の5店舗が並ぶ。

新進気鋭グループは会員制の焼肉店を中心に展開していて、そのなかで暴飲暴食は予約サイトから普通に取れる位置づけにあたる。名前がいちばん派手なのに、いちばん入口が広い。

中身は意外と真っ当

グルメ媒体の紹介によると、広尾店のコースは1本だけで、価格は8,000円台。国産牛が1人あたり450g以上出て、ドリンクは種類を問わず1杯90円均一とされる。キムチや焼き野菜などのサイドはおかわり自由。つまり「肉の量とドリンクの本数を客に気にさせない」ための設計になっていて、コンセプトから逆算した構成だと分かる。

暴飲暴食という言葉は普通、事故の記録として使われる。締めのラーメンまで行ってしまった翌朝に思い出す単語であって、予約を取って向かう先の名前ではない。それを最初に宣言しておくと、店を出るときに反省の材料が減る。あらかじめそういう日だと決めて行ったのだから、当然の結果として消化される。

健康診断の前にこの看板の前を通ることになった人には気の毒だけれど、終わったあとの一発目としては、これ以上ないくらい分かりやすい目印だと思う。