「ピグレットミーム」とは?意味・元ネタ(映画『くまのプーさん』のしわしわ顔)を解説
人差し指をピンと立てて、顔じゅうにしわを寄せて、なんとも言えない不安顔。プーさんの友達であるコブタのピグレットが、たった一枚の画像でめちゃくちゃ困っているのが伝わってくる。これが 「ピグレットミーム」 です。
「ピグレットミーム」とは?
ピグレットミームは、右手の人差し指を立て、しわの寄った不安げな表情をしたピグレットの画像を使うリアクションミームです。「しわしわピグレット」「変顔のピグレット」とも呼ばれます。
使いどころは「困った」「どうしよう」「ちょっと怖い」あたり。文字で説明せず、この一枚を貼るだけで空気が伝わるのが強みです。かわいいキャラのはずなのに顔がぐしゃっと崩れている、そのギャップがそのまま笑いになっています。
元ネタ・由来
元ネタは、2011年公開のディズニー映画『くまのプーさん』のワンシーンです。北米公開が2011年7月15日、日本公開は2011年9月3日で、日本では短編『ネッシーのなみだ』が同時上映されました(Wikipedia)。
問題のシーンはこういう流れです。プーたちは「スグモドル」という怪物を捕まえるために落とし穴を掘り、そこに自分たちで落ちてしまう。地上に残ったピグレットが、みんなを引き上げる縄跳びの縄を取りにクリストファー・ロビンの家へ向かう。薄暗い森の中で赤いものを見つけて一瞬ビクッとするものの、正体がただの赤い風船だと分かってホッとし、右手を挙げて人差し指を上に向ける。ところが次の瞬間、その風船が木に引っかかっていることに気づいて表情が不安顔へ一変する。
ミーム画像になっているのは、この「安心」から「不安」へ切り替わる途中の一瞬です。ニコニコ大百科にも、ピグレットはこの顔で静止していたわけではないと書かれています。つまり本編を普通に観ていたら気づかずに流れていくコマで、切り出して止めたからこそ「そんな顔してたの?」になった。しわしわ顔の正体はアニメーションの中割りに近いもので、狙って作られた変顔ではありません。
下の動画は、その映画の公式予告編です(Walt Disney Animation Studios 公式チャンネル)。ミームになったカットそのものではありませんが、ピグレットの手描きの質感や作品の空気は伝わると思います。
なぜ流行したのか
映画の公開当時、このカットが特に話題になった記録はありません。火が付いたのは13年後の2024年7月中旬ごろで、該当シーンの切り抜き画像がXに投稿されはじめたのがきっかけとされています。
跳ねた理由のひとつが、再現の手軽さです。2024年7月23日、Xユーザーのちゃもさんが「お泊まり大はしゃぎ」の一言とともに、ピンクの風船をひょうたん状に膨らませて顔を描き、色紙で作った耳を付けた立体版ピグレットを投稿しました。風船が顔に重なるよう友人に撮ってもらった一枚で、ねとらぼが7月30日に記事化した時点で約25万いいねまで伸びています。風船と色紙とペン、それだけであの顔が成立するのがずるい。
8月27日には、Xユーザーのムさん(@_eunosroadster_)による別の再現がねとらぼで記事になりました。セブン-イレブンで売られていたキャラクターケーキ「ピグレット ラズベリークリーム&はちみつゼリー」の裏側に、チョコペンであの顔を描いたものです。こちらはねとらぼの記事執筆時点で約27万いいね。反応には「やめてよぉwwwww」「夜中にわろてますww」「食べられる瞬間に嫌な顔されたら食べる気なくなるw」といった声が並びました。
もうひとつの特徴が、英語圏には対応するミームが定着していないことです。Know Your Meme にも「Shocked Piglet」という項目はありますが、出典は2003年の別作品『Piglet’s Big Movie』で、しかも内容不足・知名度不足を理由に却下(Deadpool)扱いのままです。日本のSNSを中心に広まった流行、という見方でよさそうです。
使い方・例文
- 「明日提出の課題、まだ白紙」→ ピグレットミームを1枚
- 「バイトのシフト表見たときの顔」
- 「え、それ今日までなの?(しわしわピグレット)」
- 友達のやらかし報告に、何も書かずこれだけ返す
関連する言葉
映画の1カットにラベルや文脈を足して使う、いわゆるリアクション画像型のミームです。画像1枚で会話を成立させる遊び方はスパイダーマン指差しと同じ系統で、こういう「じわじわ来る顔」を見て笑うのがじわるの感覚にあたります。
同じプーさんのIPから生まれたミームに上流プーさんがありますが、あちらは1974年の作品のプーさんに燕尾服を合成した海外発の2段対比フォーマットで、別作品・別の使い方です。ピグレットミームは合成せず本編のコマをそのまま使うので、クソコラのような加工ネタとも成り立ちが違います。
なお、この手のミームは知識として溜め込むだけでなく遊びの題材にもなっていて、上の句からネットミームの下の句を当てる「ミームかるた」のようなゲームも登場しています。