ちいかわの「思い出茶碗」で茶碗編が完結、割った犯人はハチワレの新曲だった
8月18日の夜、Xのトレンドに「思い出茶碗」という見慣れない言葉が並びました。出どころは「ちいかわ」の最新話です。ナガノさんが8月12日から5日ぶんかけて描いてきた茶碗のお話が、この回でようやく着地しました。
31万いいねを超えた最終話ですが、ここだけ読んでも「なんで茶碗?」となります。話の流れを最初から追うと、この5話はかなり手の込んだつくりになっていました。
発端はハチワレの新曲
始まりは8月12日の「新曲。」です。ハチワレがギターを抱えて、自作の新曲を披露します。歌詞は「ラーメン食べて あーそんじゃええッ♪」。ノリノリで弾いているうちに、ギターのヘッドがテーブルの茶碗にコツンと当たります。
じわじわ端に押し出された茶碗は、そのまま落ちて真っ二つ。ハチワレは「こっち土でくっつくかなァ!?」と土で補修を試みますが、しばらくして「もろり。」と再び割れます。「だめだ」でこの回は終わりました。自分の演奏で自分の茶碗を割るという、なんとも締まらない事故です。
買った茶碗に「変な突起」があった
翌8月13日の「茶碗」では、市場でちいかわと合流し、青みがかった鎧さんのお店で同じサイズの茶碗を選びます。ハチワレは即決でした。
問題は次の8月14日「ハッ…」です。ちいかわが新しい茶碗をくるくる回して眺めていると、フチのあたりに小さな突起があることに気づきます。ここでちいかわの心臓が「ドキン…ドキン…」と鳴りはじめる。これには理由があって、以前ちいかわのポシェットに穴が空いていたとき、それに気づいて鎧さんに言ってくれたのがハチワレだったからです。今度は自分が言う番だ、というわけです。
ちいかわは勇気を出して鎧さんに「これは…」と切り出します。鎧さんが「アッ…ココ?」と聞き返し、ちいかわがコクッとうなずいたところで、コマは茶碗のアップに切り替わります。突起は鼻で、まわりのくぼみは目と口。不良品ではなく、最初から顔がついているデザインでした。
ちいかわが真っ赤になり、鎧さんも謝った
8月15日の「顔」は、この5話でいちばん反響が大きく、41万いいねを超えています。鎧さんの「『顔』になってるんだ」の一言で、ちいかわの体が全身まっピンクになるほど赤面してしまう場面です。
ここで話が終わらないのがちいかわのいいところで、ちいかわはペコッと頭を下げて謝り、鎧さんも「いやッ!! 説明不足でごめんッ!!」と謝り返します。ハチワレはちいかわに「この茶碗で…平気?」と確認してから、その顔つきの茶碗を選びました。ちいかわが「おねがいします」と言い、小さな声で「ありがとッ」が添えられます。誰も悪くないまま、全員が少しずつ謝ってお辞儀している構図です。
「思い出茶碗」と名付けて、あの歌に戻る
そして8月18日の最終話。帰り道を歩きながら、ハチワレが茶碗を取り出して言います。「この茶碗サ……なんか…買ったばっかりなのに」。愚痴が来るかと思いきや、続いたのは「『思い出』がついたッ!!」でした。ちいかわの「すっごい」という短い返しと、ピンクの背景に置かれた茶碗の絵に、「思い出茶碗。」とだけ書き添えられます。
締めがまた憎くて、ハチワレは「よーしッ としたらこの後は…」と切り出し、二人で「ラーメン食べて あーそんじゃええッ♪」を歌いながらスキップして去っていきます。茶碗を割った張本人であるあの新曲が、今度はアカペラで、二人ぶんの声になって戻ってくる。5話をまたいだ伏線回収でした。
「ほめられリボン」を思い出したファンが続出
ファンの反応で目立ったのが「ほめられリボン」との比較です。こちらは、ちいかわがハチワレに贈ったクッキーの水色のリボンを、鎧さんたちに褒められたハチワレが「ほめられリボン」と名付けた過去の話。ものに名前をつけて宝物に変えるのは、ハチワレの得意技というわけです。
Xには「褒められリボンの次は思い出茶碗」「ハチワレの感性が素敵」「即決で決めた茶碗でも、思い出は世界に一つ」といった声が並びました。中には「思い出茶碗、商品化したら絶対買う」という気の早い人も。ちなみに読み方は作中で「ぢゃわん」と振られており、そこにも反応が集まっています。
かわいい絵柄のわりに話がえぐいことで知られるちいかわですが、こういう回はとことん優しいです。ちなみにナガノさんの言葉選びは「ひとりごつ」が古語だったことでも話題になったことがあり、造語のセンスは折り紙付き。茶碗を割ってから5日、無事に新しい相棒が決まってよかったです。