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「かわいいのに話がえぐい」ちいかわ、セブンの“赤魚の煮付”に「公式が鬼」の声 背景は原作の重さ

2026年7月26日 ・ トレンド「ちいかわ 赤魚の煮付 えぐい セイレーン編 セブン 骨 鱗 骨とり」より

ただのかわいいコラボ商品のはずが、なぜかファンがざわついています。セブン-イレブンで発売された「映画ちいかわ 赤魚の煮付」。この一品に「公式が鬼」「人の心よ」といった声が集まっているのです。

かわいい煮付けに「心が痛い」の声

商品は、映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』とのコラボで、作中に登場する煮付けをイメージしたものです。

パッケージには、煮付けを前に喜ぶキャラクターたちと、赤いうろこを見つめるちいかわの姿。ぱっと見はほっこりする和定食コラボなのに、SNSには「よく商品化したな」「わかってる人ほど手が止まる」といった、どこか複雑な反応が並びました。かわいい見た目と、ファンの妙にざわついた温度差。これこそが今回の面白いところです。

そもそも「ちいかわ」は、かわいいのに話がえぐい

「ちいかわ」を知らない人からすると、まるっこくてかわいいキャラのほのぼの漫画に見えます。ところが実際の世界観は、なかなかにシビアです。この世界では、草むしりや危険な「討伐」といった労働をこなして報酬を得なければ、食事にもありつけません。がんばっても報われないこともあり、かわいい絵柄とのギャップにゾクッとさせられる。それが「ちいかわ」が幅広い世代に刺さる理由でもあります。

今回の映画のもとになった「セイレーン編(島編)」は、その中でも特に重いエピソードとして知られています。「カンタンな討伐で100倍の報酬」というおいしい話に誘われて謎の島へ向かう、というスタートからして不穏。人魚をめぐる言い伝えや、単純な勧善懲悪では割り切れない因果が描かれ、読んだ人の心にずっしり残ると評判のお話です。

だから“赤魚の煮付”がえぐい

そうした重い物語の文脈を知っていると、「赤魚の煮付」というかわいいコラボ飯が、ただの和定食には見えなくなってきます。作中の切ないエピソードと結びつく一品を、こんなにポップなパッケージで、しかもコンビニで手軽に買える形にしてしまう。ファンが「公式が鬼」とツッコミたくなるのも無理はありません。

もちろん、物語を知らずに「おいしい煮付け」として味わうのも全然アリです(実際、味の評判も上々のようです)。ただ、映画やコラボ商品でちいかわに触れて「かわいいだけじゃないぞ」と気づいた人は、原作もチェックしてみてください。かわいさの奥にある“えぐさ”に、きっとやられます。なお、映画は記録的な大ヒットスタートを切っており、セブンのコラボ商品は全10品が登場しています。

【8月23日追記】「コラボ用にわざと骨を残している」説を確かめた

発売から1か月たって、この煮付けについて新しい話が回りはじめました。「本来なら骨も鱗も処理して売るところを、コラボ用の煮付けはあえて残して“命”感を上げているらしい」という受け止めです。

映画を観たあとだと信じたくなる話ですが、公式の情報を並べていくと少し違う絵が見えてきます。

まず、セブン-イレブンで売っているこの煮付けは、コラボのために作られた新商品ではありません。7プレミアムの「赤魚の煮付」は前からある定番で、コンビニ飯のレビューブログには2025年7月時点で税込311.04円で売られていた記録が残っています。今回はそこにちいかわのパッケージが付き、298円(税込321.84円)になった形です。

商品説明の文言も、セブンプレミアム公式のちいかわパッケージ版のページで「魚や骨から出たうまみや脂を含んだ甘辛いタレでふっくらと炊いた煮魚に仕上げました」と書かれています。骨ごと炊いて、そこから出る旨味をタレに移すのがこの商品のつくり方であって、コラボに合わせて骨を足したわけではありません。

では「本来は骨を取って売っている」という感覚はどこから来たのか。セブンプレミアムには「赤魚の煮付 1枚入」397円(税込)という別商品もあって、こちらの説明は「甘辛くにつけた、骨とりの赤魚の煮つけです」。同じ名前で骨とりのラインが存在するわけです。ちいかわ版のページには「セブン-イレブン店舗のみのお取り扱い」と明記されていて、こちらの1枚入りとは扱いが分かれています。同じブランドの中に骨あり版と骨とり版が並んでいるので、骨とりのほうだけ知っていると「今回は骨を残してある」と見えることになります。

というわけで、担当者が映画に合わせて骨を残した、という説明にはいまのところ裏付けがありません。骨ごと炊くタイプの煮付けが、たまたま映画の内容と噛み合ってしまった。そう考えたほうが、むしろ怖い偶然という気もします。骨ごと炊いてある商品なので、食べるときは骨に気をつけてください。

【8月23日追記】映画の前に煮付けを食わせるのが、ミリしら勢への定番になっている

発売から1か月、この煮付けの使われ方がひとつ増えました。ちいかわを1ミリも知らない人が映画を観に行くとき、経験者が「先に赤魚の煮付を食べておいたほうがいい」と勧めるという流れです。

8月22日、その通りにしてから映画館に行った人の投稿が5万9000いいねを超えました。

「あと煮付け食べて行かなきゃよかったな」「食べて観に行くといいよっておすすめしてくれたひと本当にありがとね!グーでいくね!」。お礼の形をしていますが、中身は完全に恨み言です。

同じ経路をたどった人はほかにもいて、「これ見たあと煮付け食べれんくない?」「煮付けの意味がようやくわかった」といった感想が並びました。逆に、すすめられた側が原作を読んでいる家族に止められて食べずに済み、映画を観たあとで感謝した、という報告もあります。事前に食べさせようとしたら売り切れていた、という人もいました。

なぜ勧めるほうが楽しいのかは、この記事の前半で書いたとおりです。煮付け単体は普通においしいコンビニの和惣菜で、食べている時点では何も起きません。映画を観ると、その味の記憶のほうが後から意味を変えられる。順番が逆だと成立しないので、みんな「観る前」にこだわっているわけです。

すすめる側に悪意があるかどうかは、正直よくわかりません。ただ、送り出す側も送り出される側もこの構図を楽しんでいるようではあります。これから観に行く予定で、まだ煮付けを食べていない人は、ここで判断してください。

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