フリーレンの杖を手作りした小1が提出日の朝に登校、赤い宝石の正体はタコわかめのフタ
夏休みの提出物を持って登校する朝の写真は、だいたい画用紙か紙粘土か貯金箱です。9月4日の朝にXへ上がった1枚は、そこに杖が入ってきました。ランドセルを背負った小1の娘さんが、自分の背丈ほどある杖を斜めに担いで歩いていく後ろ姿。添えられていたのは「提出日に間に合ったわ… 教室でゾルトラークかましてきてくれ…」の2行でした。
9月4日8時51分、ランドセルの脇に杖を担いだ後ろ姿
投稿したのは、プロフィールに「小1の娘の為のアイプリ垢」と書いている @aipurimithuki(みつきの母)さん。投稿時刻は9月4日の8時51分で、ちょうど登校の時間帯です。5日の朝の時点でいいねは16万8千を超え、リポスト7,380、ブックマーク5,326、表示回数は582万に達しています。
写真を拡大して見ると、作りがけっこう本気です。柄は木の棒で、先端に金色の輪。その輪の中心に赤い丸い宝石がはまっていて、そこから赤いリボンが垂れています。杖の長さは娘さんの背丈とほとんど変わらず、頭を前に出す形で斜めに担いでいます。身なりのほうは深緑の通学帽に水色のデニム、黄色い交通安全カバーを掛けた茶色のランドセルで、右わきにはピンクの花柄の巾着が下がっています。全体としては完全に登校中の小1なのに、担いでいる物だけ装備が違う。
娘さんがフリーレン好きなのは、母親のプロフィール欄からもわかります。「娘は、ドロヘドロ、フリーレン、うる星やつら、らんま1/2、アメデジ、ハズビンホテル、まどマギ、プリパラ、ガッシュベル、ローゼンメイデン、ダンダダン、スンスンとかも好きだよ。」(半角カナは原文ママ)と並んでいて、小1にしてはラインナップが渋い。母親は自分のことを「平成一桁サブカルクソ女」と書いていて、家の趣味の出どころもだいたい察しがつきます。
「提出日」の中身は、たぶん夏休みの自由工作
投稿の本文には「提出日に間に合ったわ…」としか書かれていないので、何の課題なのかは明示されていません。リプ欄でも 「夏休みの宿題なのかな??」 と直球で聞いた人がいたのですが、母親の返しは 「学童にフリーレンの漫画が置いてあるくらいなので… わからないですよ?w」 で、はぐらかされています。ただ、9月4日という日付と、小1で杖を作って持っていくという状況から、夏休みの自由工作とみるのが自然でしょう。
補強になるリプライもありました。3日前の9月1日に、別の親アカウントが同じように杖を持って登校していく子の写真を「うちのフリーレンも元気に登校していきました」と投稿していて、そちらには #自由研究 と #自由工作 のタグが付いています。その投稿を引用して「フリーレン仲間がおる・・・w」とリプライした人がいて、やりとりだけで1,300いいねを超えました。同じ夏に、同じ杖を作って学校へ運んだ家庭が少なくとも2つある。
夏休みの提出物にどこまで本気を出すかという話では、8月31日の深夜にカンペうちわの視認距離を実測した自由研究も出ていました。あちらは大人の趣味の自由研究でしたが、方向性は同じです。
公式のなりきり杖は全長約60センチ、劇伴曲「Zoltraak」入り
フリーレンの杖は、公式のなりきり玩具にもなっています。バンダイがプレミアムバンダイで受注生産したもので、電撃ホビーウェブの紹介によれば「主人公フリーレンが愛用する杖を、全長約60センチの迫力あるサイズ感と、クリアパーツや彩色で豪華に再現!」という代物。サイズは約600mm×約113mm×約33mm、価格は8,800円(税込)で、予約は2025年11月に締め切られ、2026年3月発送予定でした。
ギミックの説明がまた細かくて、「振り子センサーを搭載した「魔法モード」では、杖を振ると赤い宝石部分が美しく光り、フリーレンの魔法使用時のあのセリフやSE音が鳴って光ります。」とあります。光るのは赤い宝石部分。手作りの杖に赤い丸い宝石が付いているのは、そこを外していないということです。
そして母親が書いた「ゾルトラーク」も、この玩具に入っています。紹介文には「さらに、劇伴曲「Zoltraak」も搭載。」と書かれていて、作中の魔法の名前がそのまま劇伴曲のタイトルになっている。詳しい仕様は電撃ホビーウェブの記事にまとまっています。
8,800円の公式版と、小1が家で作った版。輪と赤い宝石とリボンという構成は同じです。では家のほうは何でできているのか、というところをリプ欄でちゃんと聞いた人がいました。
赤い宝石の正体は「甘酢で食べるタコわかめの蓋」
材質を推理したのは @tomtom_shogun(トントン@食いしん坊将軍)さん。「ヘッドの石の部分はレジン、ヘッド自体はフロアマット魔改造だろうか。」と当ててみせたところ、母親が写真付きで答えました。「石は甘酢で食べるタコわかめの蓋で、ヘッド自体はスチロール板の魔改造です」。
添えられていたのは、スーパーの惣菜コーナーで売っているタコとわかめのパックの写真でした。公式版が「クリアパーツや彩色で豪華に再現」した赤い宝石のほうを、惣菜の透明フタで出している。土台のヘッドもスチロール板です。
塗りのほうも締め切りギリギリで、母親は別のリプライに「昨夜娘が、頑張ってアクリル絵の具塗ってました」と書いています。「提出日に間に合ったわ…」の三点リーダーには、前の晩の作業時間が入っていたわけです。
リプ欄は保護者会というより冒険者ギルド
リプライは250件を超えていて、話の向きがだいぶ冒険寄りでした。@KtRU5zidBz3JquH(ほしいも)さんの「帰りミミックに気を付けるんだよー 今開けようとしてる箱99%ミミックだからね」には228いいね。学校帰りの通学路にミミックが湧く前提で話が進んでいます。
これに母親が返した内容がさらに良くて、「実は家に手作りの入れるミミックもあったりします………笑」とのこと。杖だけじゃなく、人が入れるサイズのミミックが家にある。工作は今回が初犯ではなさそうです。
先生の反応を気にする声もあって、@mo_pu_mo(もぶ)さんの「こんなん持ってきたら先生おったまげwww」には638いいねが付きました。母親は「ベテラン先生なので、きっと似たような前例はある筈」と返したうえで、ちいかわのさすまたを本気で作る子はいないかな、と続けていました。
ちなみにフリーレン界隈にはフリーレン構文のように作中に無い台詞が独り歩きしている例もあって、ネタとして触りやすい作品でもあります。美術館とも相性がよく、今年はフェルメール展とのコラボで描き下ろしも出ました。
杖が実際に教室でどう受け止められたのかは投稿されていません。ただ、自分の背丈ほどある杖を担いだ小1が通学帽で歩いていく写真は、その日の朝の通学路にいた人にとってもだいぶ良い光景だったはずです。似たような装備の子を見かけたら、たぶんそれも提出物です。