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「パーフェクトジャガイモ」と呼ばれる北海道の2026年産じゃがいも、帯広の夏は去年より涼しく雨は2倍以上だった

2026年9月10日 ・ トレンド「パーフェクトジャガイモ 北海道 じゃがいも 2026 出来 十勝 帯広 じゃがバター 塩」より

タイムラインに「パーフェクトジャガイモ」という単語が急に増えている。発端はXユーザーの日報さん(@nippou_)が2026年9月9日に投稿した、今年の北海道産じゃがいもを推す2本のポストだ。1本目が4.3万いいね、3時間後の2本目が15.1万いいねまで伸びて、9月10日には元の投稿と関係のないアカウントが「パーフェクトジャガイモ」だけを打っている状態になっている。呼び名だけが先に独り歩きしはじめた形だ。

発端は「今すぐ買った方がいいです」の1本

9月9日13時27分の投稿がこれ。

書き出しは「これは役に立つ情報ですが、今年の北海道のじゃがいもは美味しすぎるので、今すぐ買った方がいいです。」。ただし投稿はここで終わっていなくて、このあと「今年の北海道のじゃがいもは旨味と甘味がありすぎて、じゃがバターのバターに塩を足して強化してあげないと、バターがイモに負けます」という食べ方の話まで続く。後半のほうが実用的なので、これは後ろでもう一度取り上げる。

投稿者のプロフィール欄には「狩猟免許を持っている、北国の農家。農閑期に同人誌を書いたりもします。」とある。書いてあるのは「北国」までで、北海道の農家とは名乗っていない点だけ先に置いておく。

3時間後の「まとめ」で呼び名が生まれた

同じ日の17時16分、日報さんは箇条書きの「まとめ」を投稿する。ここで例の単語が出てくる。

  • 今年は北海道が暑くならなかった
  • 苗の余力充分、万全の状態で収穫期へと突入
  • パーフェクトジャガイモ爆誕!!
  • 10年に一度の味
  • 最高と言われた2023年を上回る美味しさ
  • 開拓以来最高の出来栄え

伸びたのは圧倒的にこちら。「10年に一度の味」も「開拓以来最高の出来栄え」も日報さんの言葉で、公的な作況統計で確かめられる種類のものではない。ただ、その向き(今年の道産いもは条件が良かった)だけは、まったく別のところからも同じ方向の話が出ている。

カルビーポテトの社長も「豊作が期待できる」と話していた

日報さんの投稿より1週間ほど早い2026年9月1日、カルビーポテトが北海道帯広市の畑で「じゃがいも収穫式2026」を開いている。登壇したのは代表取締役社長の田崎一也さん、川西支所の駒形康文支所長、帯広市川西加工馬鈴薯生産組合の佐藤智史組合長の3人。そこで田崎社長が話した内容がPR TIMESのリリースに載っている。

「昨年は高温や干ばつの影響を受けたものの、今年は比較的冷涼な気候と適度な降雨に恵まれ、豊作が期待できる」

去年との比較で「冷涼」「適度な降雨」と言っているところが、日報さんの投稿と同じ向きを指している。リリースによると、カルビーグループが国内調達するじゃがいもの約8割が北海道産。ポテトチップスの原料の大半が道産いもということで、作柄の良し悪しがそのまま袋の中身に効いてくる立場だ(ちなみに、そのポテチの袋がなぜ透明じゃないのかは以前まとめた)。

そして同じリリースには「北海道でのじゃがいも収穫は、今後10月末頃まで続く予定です。」とも書いてある。つまり今から店頭で探しても間に合う。

帯広の観測値を去年と並べてみた

気になったので気象庁の帯広の月ごとの値を2026年と2025年で引き比べてみた。

月平均気温は6月から8月まで、どの月も去年を下回っている。差は6月が3.7℃、7月が4.0℃、8月が1.8℃で、効いているのは6月と7月のほうだ。降水量はもっと極端で、6月は49.0mmから113.5mm、7月は53.5mmから129.5mmと2倍以上に増えている。去年の帯広の夏がかなり乾いていた、という言い方のほうが近い。田崎社長の「昨年は高温や干ばつの影響を受けた」という表現とも数字が噛み合う。

ただし「北海道が暑くならなかった」わけではない

ここは分けて読んでおきたいところ。気象庁が2026年9月1日に出した2026年夏(6〜8月)の天候のまとめには、こう書かれている。

「平均気温は、北日本、西日本ではかなり高かった。東日本では高かった。沖縄・奄美では平年並だった。」

北日本は「かなり高かった」側だ。平年と比べたら今年の夏も暑かったわけで、「北海道は涼しい夏でした」と言える話ではない。上の数字で言えるのは、去年の帯広と比べたら気温が下がって雨がしっかり降った、という比較のところまで。日報さんの箇条書きの1行目は投稿者の実感で、平年比の話とは物差しが違う。

じゃがいもにとっては、この「去年ほど極端ではなく、雨も降った」が効く。カルビーポテト側の言い方でも、今年を評価する軸は平年比の暑さではなく干ばつからの回復にある。

本題は「じゃがバターに塩を足す」のほう

呼び名の派手さに埋もれているけれど、1本目の投稿でいちばん今日から使えるのはこの部分だ。原文はこう続いている。

「そしてこれは更に役に立つ情報ですが、今年の北海道のじゃがいもは旨味と甘味がありすぎて、じゃがバターのバターに塩を足して強化してあげないと、バターがイモに負けます。じゃがバターに塩を足す」

有塩バターを乗せたらそれで完成、と思っていた人(自分もそうだった)は、今年はもう一つまみ足してみる価値がある。イモ側の甘みが強いぶん、バターの塩気が輪郭を作りきれないという理屈で、道具も追加の材料もいらない。ちなみに北海道庁の「北海道のじゃがいも」によると、道内は全国の収穫量の8割を占める産地で、作付けされている品種はおよそ50種類ある。主要品種の一覧を開くと、男爵薯やキタアカリのような生食向けと、トヨシロやスノーデンのようにポテトチップス用と書かれた加工向けが分けて並んでいる。じゃがバターにするなら前者の生食向けを選ぶと、投稿の話に近い食べ方になる。

「語呂がなんか好き」と言われて広がった

反応を見ていくと、じゃがいもの作柄そのものより「パーフェクトジャガイモ」という語感で受けている人が多い。「パーフェクトジャガイモって語呂がなんか好きです笑」という声や、「パーフェクトジャガイモ食べたい🥔」だけを打つ投稿がいくつも流れていた。

食べ方の計画を立てはじめている人もいる。「今度、ホックホクのじゃがバター作るぞ🤟」「北海道産の新じゃがを見かけたら買お〜っと(´ω`)」といった具合だ。「今年の秋は、パーフェクトジャガイモ🥔」から「ポテチ・フライドポテト・じゃがバターの無限ルーティン確定です!」まで宣言している人までいた。

いちばん実務的だったのが「いつ買えばそのパーフェクトジャガイモなんですか?!」という質問。これはカルビーポテトのリリースが答えになっていて、北海道の収穫は10月末頃まで続く予定と書かれている。今スーパーに並んでいる北海道産の新じゃがも、これから入ってくるぶんも、その期間の収穫だ。

北海道産と書かれた袋を見かけたら、いつもより少し多めに買っておくといいかもしれない。食べるときはバターのあとに塩をひとつまみ足す、これだけ覚えて帰ってほしい。

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