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伊藤博文の1000円札を銀行で交換したら手数料990円、旧券取扱手数料が新設されていた

2026年9月7日 ・ トレンド「伊藤博文 1000円札 交換 手数料 990円 旧券取扱手数料 銀行 旧札 千円札 2026」より

部屋の整理をしていたら、子どものころに珍しがってしまい込んだ古い千円札が出てきた。せっかくだから銀行で交換してもらおうと窓口で伝えたら、手数料が990円だと言われた。1000円札を出して、990円引かれる。

Xユーザーの上野ちゃんさん(@GFzhZFYUQJf1uuc)が9月7日の17時59分に投稿したこの報告が、その日のうちに65万回以上表示されました。

写真に写っているのは伊藤博文の肖像が入った千円札で、記番号は「VM805232M」。上野ちゃんさんは投稿の後半で、去年くらいに旧券取扱手数料というのが新設されていたらしい、記念硬貨も該当するらしいので覚えておきたい、と書いています。これは窓口の担当者が間違えたわけでも、意地悪をされたわけでもなく、各行が公表しているルールどおりの案内です。

990円は2025年10月から始まっている

上野ちゃんさんはどこの銀行かを書いていないので、ここでは公表資料が読める例として三井住友銀行を見てみます。同行は2025年4月25日付で「硬貨入金整理手数料および旧紙幣・旧硬貨・記念貨幣の取扱改定について」というお知らせを出していて、「三井住友銀行では 2025 年10月1日(水)より、硬貨入金整理手数料および旧紙幣・旧硬貨・記念貨幣の取扱を改定いたします。」と書かれています。

金額は「1~100 枚まで 990 円(消費税込)」で、それを超えると「以降、100 枚毎に 990 円加算(消費税込)」。手数料の名前は「現金整理手数料」です。1枚でも100枚でも990円なので、千円札1枚だけを持ち込むのがいちばん割に合わない使い方になります。

見落としやすいのが取扱方法の欄で、「口座入金 (両替での取扱は終了)」と書かれています。三井住友銀行では旧札を新しい札に「両替」してもらう窓口はもう無く、口座に入れる形しか残っていない。しかもその入金に990円かかる、という構図です。上野ちゃんさんも返信で、今回行った銀行では交換でも入金でも「取扱」に手数料がかかるという認識で、入金も990円払わないとダメみたいだった、と補足しています。

こうした手数料は1行だけの話ではなく、地方銀行や信用金庫、信託銀行にも同じような新設の告知が広がっています。上野ちゃんさんが「去年くらいに」と書いているとおり、ここ1〜2年で一気に増えた仕組みです。

対象外リストに載っている千円札は野口英世と夏目漱石

三井住友銀行の手数料チラシには「現金整理手数料 適用対象外紙幣・硬貨一覧」という表があります。千円券でそこに載っているのは「千円券/野口英世、夏目漱石/昭和59年(1984年)11月以降」の2種類です。今の北里柴三郎の千円札はこの表に名前がありませんが、日本銀行が「現在発行されている銀行券」として載せている現行券なので、そもそも旧紙幣に当たりません。野口英世も同じく現在発行中で、そのうえ対象外リストにも入っています。

伊藤博文の千円札は日本銀行の資料で昭和38(1963)年11月1日発行開始とされ、掲載先は「現在発行されていないが有効な銀行券」のページです。旧紙幣の定義にはまるのに対象外リストには入らないので、手数料がかかる側に振り分けられます。記念硬貨のほうも対象は「財務省ホームページの『記念貨幣一覧』に掲載の貨幣を指します。」と定義されていて、上野ちゃんさんが書いていた「記念硬貨も該当するらしい」という話にちゃんと裏が取れます。オリンピックや万博の記念500円玉を引き出しに溜めている人は、まとめて100枚ぴったりにしてから持ち込んだほうが単価が下がる計算になります。

日本銀行の窓口なら手数料を取らない

ここから主語が変わります。街の金融機関ではなく、日本銀行の本店と支店の話です。

日本銀行の損傷現金の引換えについてには、手数料の項に「日本銀行は、手数料を徴収することなく、損傷現金の引換えを行います。」とはっきり書かれています。ここで言う損傷現金は汚れたり破れたりしたお金のことですが、損傷したお金の引換え窓口のページには別に「また、流通に不便なお金(例えば、既に発行を停止している肖像が聖徳太子の一万円券や記念貨など)についても、引換えを行います。」と書いてあります。例に挙がっているのは聖徳太子の一万円券と記念貨で、伊藤博文の千円券が名指しで載っているわけではありませんが、発行が停止された古い券という点では同じ扱いになるとみられます。持ち込む前に問い合わせておくのが確実です。

ただし日本銀行の引換え窓口には制約が3つあります。「この引換えは、日本銀行の本店とすべての支店において受け付けます。」とあるとおり場所が限られること。「引換えを希望される際には、日本銀行ホームページや電話等でご来店される日本銀行の本支店にご予約のうえ、ご予約の日時にご来店いただきますようお願いします。」と予約が要ること。そして「なお、日本銀行では、郵送による引換えは行っておりません。」という点です。

もうひとつ大事なのが、日本銀行は「両替業務は行っていません。両替をご希望の方は、お近くの金融機関にご相談ください。」と明言していること。細かい金種に崩したいなら民間の金融機関、古い券を今の券に引き換えたいなら日本銀行、と役割が分かれています。

場所の数も具体的で、日本銀行の概要によると本店のほかに国内に32の支店を置いています。本店を足して33か所。千円札1枚のために新幹線に乗ったら本末転倒なので、近くに用事があるときのついでにする話です。

そもそも伊藤博文の1000円札は今も有効

いちばん大事なところを最後に。伊藤博文の千円札は使えなくなった札ではありません。日本銀行のサイトでこの券が載っているページはその他有効な銀行券・貨幣の千円券で、昭和61(1986)年1月4日に発行が停止されただけ。今も額面1000円の日本銀行券として通用します。

つまり、990円払って交換する必要はそもそもありません。手数料を払うくらいなら、そのまま持っておくか、コンビニやスーパーでふつうに1000円として使ってしまえばいい。

古い値段の話でいうと、御座候が1個10円だった時代から今の110円まで上がってきたわけで、伊藤博文の千円札が現役だったころの1000円は今よりずっと重かったはずです。それを990円の手数料で10円に変えるのは、たしかにもったいない。

返信欄では日銀派とそのまま使う派に分かれた

投稿の返信には、対処法を持ち寄る人が並びました。「口座に入金すればよしw」と軽く返す人がいれば、「日銀の本店か支店で交換してもらうのがいいですね。ただ、全国で33箇所しかないので、お近くに行く機会があればその時にとなりますが。」と場所の少なさまで込みで教える人もいます。

いちばん身も蓋もないのが「銀行でわざわざ交換しなくてもいいじゃん、コンビニとかで普通に使えばいいだけじゃん」という返信で、こちらは(セルフレジを除く)という注釈つき。機械が読み取れるかは別問題という話です。

窓口で断られた経験を書く人もいて、「メインバンクに旧札入れようとしたら断られたことがあります ちなみにゆうちょだけは入れられるので郵便局の窓口行くといいですよ」と回避策まで添えた声もありました。手数料を取るところ、そもそも受け付けないところ、対応は金融機関によってばらつきがあります。

実家の引き出しから伊藤博文や岩倉具視が出てきたときは、いきなり銀行の窓口に持って行かないほうがよさそうです。急いで換金する理由がないなら、そのまま置いておくのがいちばん安く済みます。

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