キタニタツヤが「ヨルシカ」のサポートを終了、結成から9年ベースを弾いていた
9月17日の12時ちょうど、ヨルシカの公式アカウントが「サポートミュージシャンに関するお知らせ」を投稿した。内容は、結成当時からサポートミュージシャンとして参加していたキタニタツヤさんが、前日に終わった LIVE TOUR 2026「一人称」の公演をもってサポートを終える、というもの。投稿は14万を超えるいいねを集めている。
そして検索がざわついた。「キタニタツヤ ヨルシカ ベース」「キタニタツヤ ヨルシカ 関係」あたりが一気に打たれたようで、リアルタイム検索には「キタニタツヤってヨルシカのベースだったんだ! めっちゃタイムリーに検索したw」という投稿も流れていた。ソロのキタニタツヤしか知らなければ、そりゃ驚く。
ヨルシカは2人組で、ベースは「サポート」の枠だった
ここがいちばん誤解されやすいところなので先に整理しておく。ヨルシカは、コンポーザーのn-bunaがボーカルのsuisを迎えて結成したバンドで、公式のバイオグラフィにメンバーとして名前が載っているのはこの2人だけだ。ライブで音を鳴らしているギター・ドラム・ピアノ・ベースの面々は、その下に「サポートメンバー」として別枠で並んでいる。
つまりキタニタツヤさんは脱退したわけでも卒業したわけでもなく、公式が使った言葉どおり「サポートを終えることとなりました」が正確なところ。ヨルシカ側のコメントでは「サポートベーシスト」と書かれていて、担当はベースだったことも明記されている。
ヨルシカとして活動が始まったのは2017年4月。そこから2026年9月までなので、9年5か月のあいだライブの低音を支えていた計算になる。
半年走った「一人称」ツアーの千秋楽が区切りになった
区切りになった LIVE TOUR 2026「一人称」は、公式のライブ一覧によると2026年3月21日に始まって9月16日に終わっている。全国6都市12会場という規模で、ほぼ半年かけて回った長いツアーだ。
最終日は9月16日(水)、千葉のLaLa arena TOKYO-BAY公演で、開場18時・開演19時。公式の案内によると会場にはグッズ販売のほか「後書き」のブースやガチャブース、「二人称展」のラベル缶自販機まで出ていて、開場前の昼から人が動くつくりになっていた。
ツアーの音の話でいうと、サウンド&レコーディング・マガジンが7月30日の横浜アリーナ公演に入って、ライブ・サウンドの作り方を全8ページで特集するという。発売は9月25日の11月号。
n-bunaとsuisの連名コメントが、思ったより長かった
Xに載っていたのは冒頭のお知らせ部分だけど、公式サイトにはその下にn-bunaとsuisの連名コメントが続いている。これがけっこう長い。
「彼とは長い時間を共に歩んできました。ミュージシャン同士としてだけではなく、ヨルシカ二人の良き友人としてもです」と書かれていて、演奏についても「彼の実は生真面目で誠実な性格から生まれる演奏が、ヨルシカの楽曲に安定と心地良いグルーヴを与えてくれていた」と振り返っている。締めは「そしてこれからも良き友人として。ヨルシカはキタニタツヤの活動を応援しています」。
終了の理由そのものには公式は触れていない。ただコメントの中で「特にこの数年は彼自身のアーティスト活動が多忙を極める中、むしろどうしてここまで合間を見つけてベースを弾いてくれるのかわからないような具合で」とも書かれている。
その「多忙」がどのくらいかは、ソニーミュージックの公式ディスコグラフィを開くと数字で見える。2026年に入ってからだけで「かすかなはな」(BABYMETALとのコラボ)、「火種」、「れびてーしょん」、TVアニメ『これ描いて死ね』オープニングの「遺書」、「F.A.C.E.」と5曲が並んでいる。そのうえでヨルシカのツアーにも半年つき合っていたことになる。
代表曲としてよく挙がる「青のすみか」は2023年7月19日のリリースで、公式の説明もTVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」オープニングテーマ。呪術廻戦のほうは第4期「死滅回游 後編」が控えていて、こちらもまだ続く。
「次は誰がベース弾くんだろー」という声
発表後のポストで目についたのは、感謝と、そのあとに来る素朴な疑問だ。
「ヨルシカ聴くモチベの3割くらいはキタニタツヤのベースなんだよなー 次は誰がベース弾くんだろー」 「最後のツアーで楽しそうにベースを弾く姿を目に焼きつけられて良かった」
後任については公式から何も出ていない。現時点の公式バイオグラフィのサポートメンバー欄には、下鶴光康(Guitar)、Masack(Drums)、平畑徹也(Piano)の3人が載っている状態だ。
ヨルシカ側も止まる気配はなくて、新曲「雲を抜け風下へ私だけ」が10月2日放送開始のTVアニメ『薬屋のひとりごと』第3期のオープニングテーマに決まっている(同作は初の家庭用ゲーム化も控える)。ライブ映像作品『ヨルシカ LIVE「盗作」』のBlu-ray/DVDも9月30日に出る。
長く一緒にやっていた人が抜けるとバンドの音は必ず少し変わるので、次のライブで鳴る低音がどうなるかは気になるところ。とりあえず今は、ヨルシカの公式サイトとキタニタツヤさん側の続報を待つことになりそうだ。