「WORLD CUPセミファイナル」の観客席はセミの抜け殻437匹
夏休みの工作が市長賞を取りました、という投稿が9月23日にXに上がりました。写真を出したのは@dr_chuyan(Dr.ちゅーやん)さんで、受賞したのは息子さんの作品です。
ここまでならよくある親バカ報告なんですが、写真を拡大すると話が変わります。ダンボールで組んだサッカースタジアムの観客席、そこにびっしり詰まっている観客が、全部セミの抜け殻でした。
観客席を埋めているのは全部セミの抜け殻
作品はダンボール製のスタジアムです。中央のバックスクリーンには「JAPAN」、その両脇には日の丸が描かれています。抜け殻がぎっしり詰まっているのはスタンド席で、手描きの応援ボードらしき紙が挿してある。人工芝を敷いたピッチの上にも何匹かいて、こちらは観客ではなくチームの側です。作品カードには、その抜け殻に名前を付けてサッカーチームを作ったと書かれていました。
そして作品に添えられたカードに書かれた作品名が「WORLD CUP セミファイナル」です。準決勝の semi-final とセミをかけている。言葉の切れ味だけで一本取られた感がありますが、そのダジャレを実物で成立させるために何百匹も抜け殻を集めているのが本体です。
集めた数は437匹、きっかけは羽化したセミの根性
カードには制作のコメント欄もあって、そこに数が書かれていました。集めたセミの抜け殻は437匹。
きっかけは、昼間に土から出てきてしまったセミの幼虫だったそうです。暑い時間に出てきたのに無事に羽化したのを見て根性があると感じ、その抜け殻でサッカーチームを作ろうと思い立った。そして自分も根性を出して437匹ぶんを集めた、群がっているところを見てほしい、という趣旨のことが書かれています。
抜け殻拾いをやったことがある人ならわかると思いますが、437匹は公園を一周して集まる数ではありません。木の幹や葉の裏を毎日しらみつぶしに見て、割れないように持ち帰って、それを夏のあいだ続けてやっと届く桁です。しかも羽化に失敗した抜け殻は形が崩れているので、観客として立たせられるものだけを選ぶことになる。根性という言葉の使い方が正確でした。
受賞は大分市長賞、展示は9月26日まで
賞は大分市長賞で、作品に添えられたピンクのリボンには「大分市長 足立信也 賞」と入っています。
出品先は大分市内の小学生を対象にした工作の展示会です。TOSテレビ大分の報道では、会場は大分市のガレリア竹町、会期は9月23日から26日まで、出品点数は過去最多の約620点。展示会の名前は、記事の見出しでは「おおいた少年・少女夏休み工作工夫展」、本文では「夏休み工作工夫作品展」と表記されています。各賞の表彰式は最終日の26日に行われる予定です。
620点の中から市長賞というのは、抜け殻の数だけでなく作品としても抜けていたということになります。この展示会は毎年開かれていて、前年(2025年)は第11回。そのときはニンテンドースイッチ2の模型や本物そっくりのにぎり寿司が並んでいたそうなので、題材の振れ幅はもともと広い催しです。
反応は数字のほうが早い
投稿は9月23日の午後3時すぎに出て、24日朝の時点でいいねが8万を超えました。表示回数は1,100万回超、リポストは3,600件超、返信も400件を超えています。夏休みの工作の報告としてはかなり異常な伸び方です。
刺さったのは「セミファイナル」という名前の付け方だと思います。ワールドカップの準決勝=semi-final に、そのまま蝉を当てている。しかもそれを口で言うだけでなく、437匹ぶんの抜け殻で観客席を作って物理的に証明してしまった。ネタと執念が両方そろっている工作は、そうそう出てきません。
ちなみにセミの観察を夏のあいだ続ける人はほかにもいて、13年間セミの初鳴きの日を記録していた人の一覧もXで10万いいねを超えていました。セミは毎年きっちりネタになる。
展示は26日まで開いています。大分市内にいる人は、ガレリア竹町で437匹の観客を直接数えてみてください。