← 一覧へ どうぶつ

「セミ爆弾」の見分け方は脚だった。開いてたら生きてる、閉じてたら死んでる

2026年8月22日 ・ トレンド「セミ爆弾 セミファイナル 見分け方 脚 開いてる 閉じてる 仰向け ウェザーニュース 初宿成彦」より

8月も終わりに近づくと、道端にセミが転がっている光景が増えます。動かないので死んでいると思って通り過ぎようとした瞬間、ジジジジジと暴れながら飛び上がってくるやつ。あれが「セミ爆弾」、または「セミファイナル」と呼ばれているものです。

その見分け方をウェザーニュースが出したところ、8月22日にYahoo!リアルタイム検索のトレンドに「セミ爆弾」が入りました。

判断材料は脚だった

見るのは脚です。仰向けに転がっているセミの脚が開いていれば生きている閉じて縮こまっていれば死んでいる。それだけです。

理由は体の中で起きていることにありました。セミが死んで血液の流れが止まると、体内の水分が失われて干からびていきます。そのときに筋肉が収縮して、脚が胸のほうに縮こまった状態で固まる。だから死んだセミは脚を抱え込むような形になります。逆に脚が開いたままなら、まだ筋肉が動く状態にある、というわけです。

そもそもなぜ仰向けなのか

言われてみると、道に落ちているセミはほぼ全部が仰向けです。これはセミの重心が羽の側にあるからで、力尽きて落ちると自然にひっくり返ってしまう。虫の中でもセミが特に「転がっている」印象が強いのは、この体のつくりのせいです。

そして急に動く理由。ウェザーニュースの記事では、死期が迫って体力が失われ、動けなくなっていたところに人が近づいたことで防衛本能が働き、逃げようとする物理的な反応だと説明されています。つまり驚かせに来ているわけではなく、向こうも必死に逃げている。加害者だと思っていたら被害者だった、というやつです。

「セミの成虫は1週間で死ぬ」は間違いだった

セミの話でついでに崩れる定説があります。「成虫になったら1週間で死ぬ」というやつです。

これを実際に調べたのが、岡山県笠岡市の笠岡高校の生徒でした。セミにマーキングして放し、再捕獲した個体の日数を記録するという地道な調査で、アブラゼミ・クマゼミ・ツクツクボウシの3種で10日以上生きる個体を確認。最長記録はアブラゼミが32日、ツクツクボウシが26日、クマゼミが15日でした。この研究は2019年に生物系三学会中国四国支部大会で最優秀賞を受賞しています。

1週間説がなぜ広まったのかというと、飼育下のセミが数日で死んでしまうことが多かったから、というのが有力な説明です。捕まえて虫かごに入れると弱るのが早い。それを寿命だと思っていた、ということになります。

つまり地面に転がっているセミは、思っていたよりずっと長く外の世界にいた個体かもしれない。種類にもよりますが数年を地中で過ごしてから出てきて、地上でも数週間から1か月近くを生きて、最後に道端で脚を開いている。そう考えると、爆発されてもちょっと許せる気がしてきます。

反応は「怖いけど知れてよかった」

投稿には「マジビビりますよね」「あれ本当に心臓に悪い」といった共感が並びました。見分け方が広まったことへの反応も多く、「脚が開いていれば生、閉じていれば死。なるほど」と受け止める声が目立ちます。

一方で、判定できたところで結局どうするのかという話でもあります。「セミ爆弾が奮起して飛び上がり、無事に樹までたどり着いたのを見た時の安堵感」という投稿もありました。脚が開いているのを確認したら、そっと避けて通る。それが正解ということになりそうです。

残りの夏、道に転がっているやつを見つけたら、まず脚を見てみてください。