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アメリカの湖のチョウザメ、メスは最長427年生きると推定 44年ぶんの記録を数え直したら過去最高齢より277年上だった

2026年8月23日 ・ トレンド「ミズウミチョウザメ 寿命 427年 400年 チョウザメ 長寿 研究」より

同じ魚を44年間、捕まえては放し、また捕まえて測る。そんな気の長い調査の積み重ねから、とんでもない数字が出てきました。北米の湖にすむミズウミチョウザメは、メスで最長427年生きている可能性がある、という推定です。

年齢の測り方が「捕まえ直す」だった

魚の年齢は、ふつうウロコや骨に残る年輪のような模様から推定します。ただしチョウザメのように極端に長生きする魚では、この方法だと歳を取るほど模様が詰まって読めなくなり、実際より若く見積もってしまう問題がありました。

そこで研究チームが使ったのが、捕まえて測ってタグを付け、数年後にまた捕まえて測るという愚直なやり方です。同じ個体が何センチ伸びたかが分かれば、「この体長になるまで何年かかるはずか」を逆に計算できます。これを44年ぶん積み上げたのが今回のデータでした。

長期の保護活動と、地道な調査を何十年も続けてきたからこそ出せた数字だ、というのが研究チームの言い分です。

メス427年、オス279年

結果として、体長180センチのメスで99年から427年、160センチのオスで90年から279年という推定幅が出ました。これはこれまで記録されたミズウミチョウザメの最高齢より、最大で277年も上という数字です。

ミシガン州立大学の発表では「200年を超えるのは珍しくなく、300年に近づく個体もいる」という言い方をしていて、427年という上限だけが独り歩きしないよう注意が要ります。それでも、アメリカ独立宣言が署名された1776年に泳いでいた魚が、いまも同じ湖にいるかもしれない、という話にはなります。

世界一の座はまだ譲っていない

背骨のある動物で最長寿とされているのは、いまのところ深海にすむニシオンデンザメです。こちらは推定約400歳、条件によっては500歳超という個体もいるとされ、東京大学が2026年にゲノムを解読して長寿の仕組みに迫っています

面白いのは、両者の生き方がまるで違うことです。ニシオンデンザメは氷点近い深海で代謝を落として時間を引き伸ばしているのに対し、ミズウミチョウザメがいるのは湖と川です。寒い深海でなくても数百年生きる魚がいたとなると、長寿の条件そのものを考え直す必要が出てきます。他の長生きな魚の年齢も見積もり直したほうがいいのでは、と研究チームも書いています。

日本のチョウザメは宮崎にいる

チョウザメと聞いてキャビアを思い浮かべた人もいると思いますが、日本にも産地があります。宮崎県は「日本一のチョウザメ産地」を名乗っていて、養殖のはじまりは1983年。旧ソ連との漁業技術協力でチョウザメ200匹を受け入れたのが最初でした。2004年にはシロチョウザメの人工種苗生産に全国で初めて成功し、天然の稚魚に頼らない完全養殖の技術を確立しています。

こちらは今回の研究対象とは別の種ですが、数百年を生きる可能性のある魚が、日本の養殖池にも近縁として泳いでいると思うと、見る目が少し変わります。近所のスーパーでキャビアを見かけたら、その親の年齢を想像してみてください。