ころんの新曲「あかさたなはまやらわ」、五十音を順番に並べたままなのに歌詞として意味が通る
すとぷりのころんさんが、8月31日の17時にオリジナル曲「あかさたなはまやらわ」のMVを公開した。曲名だけ見るとタイピング練習みたいだが、中身は五十音の行を順番どおりに並べたまま、ちゃんと歌詞として意味が通るように作ってある。
告知は本人アカウント(表示名は「ころん@すとぷり」)から。「夏最後にオリジナル曲「あかさたなはまやらわ」を投稿したよ!!」という短い一文で、公開から2時間ほどでいいねは6,200を超えた。Yahoo!リアルタイム検索の急上昇ワードにも「あかさたなはまやらわ」が並んでいる。
「かきくけこ」の“こ”から「ころんでも」に滑り込む
仕掛けはサビにある。出だしは「あいうえお かきくけころんでも/さしすせそ たちあがって」。あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、と行の頭を律儀に順番どおり置きながら、「かきくけこ」の“こ”をそのまま「ころんでも」に、「たちつてと」の“た”を「たちあがって」に伸ばしている。転んでも立ち上がって、という普通の文が、五十音の順番を1文字も崩さずに出てくる。
後半も同じ手つきで、「なにぬねの はひふへほほえんで/まみむめも やいしてゆよ」と続く。「はひふへほ」の“ほ”が「ほほえんで」に化けて、「や・ゆ・よ」のあいだに愛してを差し込んで「やいしてゆよ」。ら行だけは意味を持たせず「らららりるれりろらろ」と音のまま流し、最後は「こんにちわをん」で「わ・を・ん」まで回収する。締めの「愛してよ かきくけ恋」でまた“こ”に戻ってくる。
歌っている本人の名前が「かきくけころんでも」に埋まっているのは、当然ながら偶然ではない。ファンからも「お馴染みの『ころんでもたちあがって』って歌詞もうぉ!ってなった」という反応が出ていて、名前と言葉遊びが噛み合う場所にちゃんと置かれている。
2番は濁点でもう一周する
一周して終わりかと思ったら、2番は濁音で同じことをやり直す。「あいうえお がぎぐげごきげんで/ざじずぜぞ だいじょうぶ」。「がぎぐげご」の“ご”が「ごきげんで」、「だ」が「だいじょうぶ」になり、後半では「ばびぶべぼ」が「ぼくだって」に化ける。締めは1番の「こんにちわをん」に対して「こんばんわをん」で、朝と夜で対にしてある。
言葉の中身も1番と2番で少しずつ動く。1番のサビが「世界は美しい音で」なら2番は「世界は優しい音で」、最後のサビでは「世界は素晴らしい音で」。「愛してよ かきくけ恋」も2番では「愛してる」に変わる。型はそのままで、言い方だけ前に進む作りだ。
いろは歌に寄り道する行もある
Bメロには五十音とは別の遊びが入っている。「いろはにほへとの/ちりぬるぬるをぬるって」、2番では「ういういのおくやまを/けふこえて夢見んだ」。「いろはにほへと ちりぬるを」「うゐのおくやま けふこえて」という、いろは歌をなぞったとみられる並びだ。歌詞にそう書いてあるわけではないので断定はできないけれど、五十音の次はいろは順、という並べ方は素直に読める。
さらに終盤、最後のサビの直前には、仕掛けを全部おろして五十音を素で読み上げるだけの箇所がある。「あいうえお かきくけこ/さしすせそ たちつてと」と最後の「わ を ん」まで淡々と続けてから、もう一度「かきくけころんでも」のサビに戻る。種明かしを一回自分でやってから決めにいく構成になっている。
作詞作曲編曲は篠田宗佑さん、イラストは4人がかり
歌詞のこの構造を作ったのはころんさん本人ではなく、作詞・作曲・編曲をまとめて担当した篠田宗佑さんだ。MVの概要欄にはクレジットが並んでいて、イラストが4人体制になっているのが目を引く。
投稿先は本人のYouTubeチャンネル「ころんの実況【すとぷり】」。歌詞は概要欄に全文載っているので、どこがどう五十音になっているかは自分で追える。公開からおよそ2時間半で再生数は1万3000回を超えた。
「タイトル打つのスムーズで気持ちいい」
反応で目立ったのは、曲そのものより先に曲名の打ちやすさに気づいた人たちだった。「『あかさたなはまやらわ』ってタイトル打つのスムーズで気持ちいい」という投稿があれば、「『かきくけこ』で2度見して『かきくけ恋』」と歌詞の切り替わりで転んだ人もいる。「頭の中でずっとあかさたなはまやらわが流れてる」という感想も並んだ。
MVについては「カンフーころんくん」「中華っぽい服」と書いている人が多く、曲調と映像の方向を面白がる声が続いていた。「やいしてゆよ」の一節をそのまま書いて感想にしている人も何人かいて、歌詞がそのまま合言葉として流通している。
すとぷりまわりは、8月末にアベイル×STPR Familyのコラボが全国の店頭に並んだばかり。歌い手のオリジナル曲としては珍しい仕掛けなので、五十音の続きが気になったら概要欄の歌詞を開きながら聴いてみてほしい。ちなみに「あかさたなはまやらわ」は、実際に打ってみると本当に指が滑る。