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ホームランが「マルタイ棒ラーメンポール」に直撃、牧原大成に棒ラーメン1年分360袋が贈られた

2026年8月22日 ・ トレンド「マルタイ棒ラーメンポール」より

8月22日、みずほPayPayドームのホームベース付近に、人間サイズの棒ラーメンが立っていた。抱えているのはソフトバンクの牧原大成選手。8月11日の千葉ロッテマリーンズ戦で「マルタイ棒ラーメンポール」に打球を当てた賞として、マルタイから棒ラーメン1年分360袋が贈られた。

ファウルポールに企業名がついているだけでも珍しいのに、当てると本当にラーメンが届く。しかもこの一発、打った瞬間はホームランではなかった。

三塁打が、相手の抗議でホームランに化けた

8月11日の試合、初回にロッテが1点を先制し、なお二、三塁のピンチという場面で牧原選手が打った。打球は右翼のポール際へ。審判の判定は三塁打で、走者2人が生還して逆転、という形でいったん試合は動いた。

ここでリクエスト(リプレー検証)を要求したのはロッテのサブロー監督だった。ファウルではないかという主張である。ところが検証の結果、打球はポール下に伸びるオレンジ色のラインに直撃していたことが分かり、判定は三塁打からホームランに変更。牧原選手自身もホームインして3ランになった。

抗議した側が相手の得点を1点増やしたことになる。サブロー監督は試合後、「ファウルかどうか勝負」に出た結果として「アシストしてしまった。河村に申し訳ない」と話している。試合はソフトバンクが16対2で大勝した。

牧原選手のコメントは「三塁打と本塁打では全然違うのでうれしかった」。全然違うのはたしかにそのとおりで、打点が1つ増えたうえに、ラーメンが360袋ついてきた。

ポールの正式名称が「マルタイ棒ラーメンポール」

そもそもこの命名は2022年3月に始まったもので、マルタイが本拠地のファウルポールのネーミングライツを取得した。ファウルポールへの命名権はプロ野球12球団で初めてだった。左右どちらのポールも「マルタイ棒ラーメンポール」で、直撃するホームランを打った選手には棒ラーメンが約1年分=360袋贈られる。

360袋はほぼ1日1袋のペースで1年分という計算になる。棒ラーメンは1袋2人前なので、一人で消化しきるのはなかなか難しい量だ。牧原選手が抱えていた巨大な袋にも、実物どおり「2人前」と印字されている。

対象はホームチームに限られない。2025年7月27日には、オリックスのディアス選手が左のポールに直撃するソロホームランを打ち、こちらもきっちり360袋が贈られている。敵地で打っても損はしない仕組みになっている。

「直撃していない」と判定された選手には188食が届いた

面白いのは、外れた時の対応のほうかもしれない。

2026年6月24日のオリックス戦で、ホークスの正木智也選手が先頭打者ホームランを放った。場内では一度「ポール直撃」としてラーメン1年分の贈呈がアナウンスされたが、その後のリプレー検証で直撃はしていないと判断され、球団が訂正を出す事態になった。

ここでマルタイが動いた。その打球の速度が時速188キロだったことにちなんで、「188食分」を贈ることにしたのである。

一度アナウンスされてしまった以上、何も出さないと選手もファンも据わりが悪い。そこを数字のダジャレでうまく着地させた。

仕掛けたのは、牧原選手と同期入団の元投手

このポールの企画を球団側で動かしたのは、営業担当の伊藤大智郎さんだ。西日本スポーツの取材によると、きっかけはマルタイの社員が「棒ラーメンの袋とファウルポールの形が似ている」と気づき、命名権に使えないかと問い合わせてきたことだったという。伊藤さんが各球団に確認したところ前例がないと分かり、マルタイ側も「誰もやったことがないのであれば面白い」と乗った。

伊藤さんは2011年に育成ドラフト3位でソフトバンクに入団した元投手で、右肘の故障もあって支配下登録に届かず、2017年オフに戦力外。その後に球団職員へ転身している。同じ2011年入団組には千賀滉大、甲斐拓也、そして牧原大成がいる。

自分が立ち上げた企画で、同期がラーメン360袋を抱えている。Number Webが2022年に伊藤さんを取材した時点では、まだ誰も当てていなかった。

直撃第1号が出たのは2022年4月27日の西武戦、中村晃選手の右翼ポール直撃ソロだった。5月5日に開かれた贈呈式で、中村選手は「一人では食べきれないと思うので、チームのみんなで分けて食べて、力に変えて戦っていきたい」とコメントしている。360という数字への反応としてはこれが正しい。

その中村選手は今季限りでの引退を表明していて、マルタイの公式アカウントも「2022年4月の直撃弾第1号の興奮は今でも鮮明に覚えています」と振り返っていた。

ポールに当たるホームランはそう何度も出るものではない。次に誰かが当てたら、また巨大な棒ラーメンがグラウンドに立つ。