ミセスの渋谷広告「みんなが聴いてるからダサい?」動画の問いは全34個
渋谷駅前のミセスの広告「みんなが聴いてるからダサい?」は、公式動画に出てくる34個の問いのうちの2つだ。
看板には問いが2行あるだけで、答えは書いていない。「他にも何か聞いてるの?」と気になった人向けに、元の動画を1コマずつ止めて全部書き出してみた。
渋谷駅前に出た2行
話題になったのは、9月28日のお昼に投稿されたこの1枚。「ミセス尖った広告出してんなぁ」という一言付きで、いいねは11万を超えた。
看板は縦書きで、「みんなが聴いてるから好き?」「みんなが聴いてるからダサい?」の2行が並ぶ。下に小さく Mrs. GREEN APPLE の新アルバム『POPS』と「9.30」が入っている。
オリコンの記事によると、場所は東京・渋谷駅前。
「流行ってるから逆に聴かない」をやったことがある人には、ちょっと耳が痛い2行だと思う。しかもこれを言っているのが、いま一番「みんなが聴いてる」側のバンドなのがややこしい。
元ネタは30秒の動画
この問いかけには出どころがある。9月25日の15時、公式Xが「確かめよう。 #ミセスPOPS」とだけ書いて出した30秒の動画だ。
動画は「みんなが聴いているから好き?」から始まり、横に「好き」「嫌い」の文字が交互に出る。そこから問いが次々に流れて、後半の3秒ほどは目で追えない速さになる。
小さな違いもある。動画とオリコンの記事は「聴いているから」、看板は「聴いてるから」。街に出すときに1文字削って、口語に寄せたようだ。
前半の8問
最初の8問は1つずつ読める速さで出る。出た順に並べるとこうなる。
- みんなが聴いているから好き?
- みんなが聴いているからダサい?
- 暗い曲は流行らない?
- 明るい曲じゃなきゃ元気が出ない?
- ヒットチャートが正義?
- 音楽ってビジネス?
- 音楽に賞味期限はある?
- 音楽の価値は何で決まる?
看板になったのは1と2。ヒットチャートや再生数の話を、チャートの上にいる側がわざわざ持ち出しているのがおもしろい。
高速パートの26問
21秒あたりから、問いが一気に流れる。再生しても読めないので、1コマずつ止めて拾った。
- バズるのが正義?
- 売れる曲がいい曲?
- ロックはバンドだけのもの?
- 歌謡曲はアイドルだけのもの?
- 音楽って作品?
- メロディーだけで曲を好きじゃだめ?
- AIはいつかアーティストになれる?
- 流行った曲は廃れるもの?
- 音楽は孤独を埋められる?
- 音楽は世界をやさしくできる?
- バンドはロックしか歌っちゃだめ?
- たった一人に届けばいい?
- 若者だけに流行ればいい?
- 中毒性って必要?
- 音楽は耳で聴くもの?
- ジャンルって必要?
- 音楽は涙を止められる?
- 誰が歌うかは重要?
- イントロはもう必要ない?
- 再生数は愛の量?
- 大衆って誰?
- 音楽は恋を終わらせられる?
- ファンとアーティストは運命共同体?
- 音楽に賞は必要?
- 繰り返し聴くと飽きるもの?
- 明るい曲だけがポップス?
11の「ロックはバンドだけのもの?」と19の「バンドはロックしか歌っちゃだめ?」は、似ているけれど向きが逆の別の問いだ。
「イントロはもう必要ない?」「再生数は愛の量?」あたりは、サブスクで曲をスキップしながら聴いている人ほど刺さりそう。最後の34がアルバム名の『POPS』に一番近い問いになっている。
34問が流れきったあと、画面には「確かめよう。」と出て、ジャケットと「9.30 Release」で終わる。答えはアルバムを聴いて自分で出してね、という作りだ。
反応と大森元貴さんの一言
オリコンの記事は、看板の写真が広まったあとのSNSの声をこう拾っている。
- 「ミセスがこの言葉を投げかけるからこの言葉の意味がズシンと効いてくるのだと思います」
- 「今は全部大好きだよ!でも、ミセスがめっちゃ売れてないと私は気付かなかったかもしれない」
- 「私の答えは『自分で決めること』」
2つ目の声は、看板の問いへのかなり正直な返事になっている。売れているから知った、でも今は好き。それで別にいいんだと思う。
写真が広まった28日の夜、ボーカルの大森元貴さんは「アルバム通して聴いてほしい。発見が絶対にある。」と投稿した。
言葉で投げかける広告には前例がある
ミセスが渋谷で短い言葉を前に出した広告を打つのは、これが初めてではない。
2025年にはベストアルバム『10』のときに、渋谷のQFRONTなどで「CD聴こうよ。」という広告を出している。こちらは一言のメッセージに、巨大な3人の姿を組み合わせたもの。同じ年の新曲「天国」では、渋谷駅の改札内と新宿駅に、白地に歌詞のような文章だけを並べた広告を打った。検索すると曲名にたどり着く仕掛けで、スペースメディアの記事に写真が残っている。
「天国」の広告からは写真も顔も消えて、言葉だけが残った。今回の「ダサい?」の看板もメンバーの姿はなく、問いの2行とアルバム名だけ。その延長にある。
関連して、ミセスの数字の強さはオリコンのストリーミング累積売上300億円突破の記事にまとめてある。「みんなが聴いてる」の中身はこのくらいの規模だ。
シークバーも緑になった
広告は渋谷の1枚で終わらない。9月29日の夕方、公式Xは「東京の街をジャック中」として、各地で広告を出していくと告知した。
告知によると、東京に続いて大阪・名古屋・福岡・札幌・長野でも広告を出していく予定。
YouTube でも仕掛けが動いている。Skream!の記事によると、9月29日から10月28日まで、公式チャンネルの対象動画でシークバーが緑色になり、再生位置のアイコンが青りんごになる。日本人アーティストでは初めてだという。ライブ配信とショートは対象外。
YouTube の屋外広告も、ソウル・渋谷・ニューヨーク・ロサンゼルス・サンパウロ・ロンドン・ムンバイの6ヶ国7都市で順に出す。
公式は「共犯店」というポップアップの入店ミッションとして謎解きも出していて、ヒント画像は「00:50 - 00:52」という時間とシークバーだけ。こちらの答えは、この記事を書いた時点では確かめられていない。
34個の問いのうち、あなたが一番引っかかったのはどれだろう。渋谷を通る人は、看板の2行に自分の答えを当ててみてほしい。ミセスはほかにもミスドとのコラボ「Mrs. Donut」や、ファンクラブのマスコット「メメル」の声の話題も出している。