友達の報告は結婚と昇進、こっちは沢で見つけた石炭 始新世の黒光りに8万いいね
人生の報告合戦にまったく参加する気のない投稿が伸びていた。
投稿したのは内山ケイさん(@Chishitsu)。8月18日の昼前の投稿で、19日午前の時点で8.1万いいね、リプライは200件を超えています。友達の結婚、出産、昇進の報告を並べたあとに自分の近況として置かれているのが、沢に転がった石炭の写真です。
添えられているのは地質調査用のハンマー。スケールを入れるために置いているわけですが、その柄の長さと並べると、石炭のかたまりが人の頭よりだいぶ大きいことが分かります。表面は濡れていて、黒というより黒紫に近い光り方をしている。
沢にはもっと大きいのが転がっている
リプライで「石炭ってこんなデケーんや」と驚かれた内山さんが出した追加の写真がこちらです。流れの中に、さっきよりさらに大きい塊が座っている。上のほうにも同じような黒い岩が見えていて、これが1個だけ落ちていたわけではないことが分かります。
「まだまだ石炭は大量に埋まってます」とのことでした。
「多分しっかりと燃えます」
いちばん多かった質問は、それは燃えるのかというものでした。内山さんの答えは「ここの石炭は多分しっかりと燃えますね」。地質的に採炭層と続いているはずだから、という理由です。
さらに、場所は違うものの同じ層から1980年代まで実際に石炭を掘っていて、製鉄のコークス用に使われていたらしい、とも書いています。つまり河原に落ちている石ころではなく、かつて商売として掘り出していたものと地続きのかたまりということになります。
年代を聞かれた場面では「ここらへんのものは始新世の石炭の様です」と答えていました。始新世はおよそ5600万年前から3400万年前で、恐竜が絶滅したあとの時代です。
黒ダイヤと炭坑節
リプライは石炭そのものへのテンションで埋まりました。
「黒ダイヤだ」と反応した人には、内山さんが「まさに黒ダイヤです! 母からもよく聞いておりましたが、掘りたての石炭は本当に美しいですよね!」と返しています。炭坑節の歌詞を流し込んだ人には「炭坑節ですな! よく研究室で聴いてます」。研究室で炭坑節を流しているのはなかなかの光景です。
「リアルマイクラだ」「見たこと無い工具だ」という声もありました。ゲームだと石を掘れば出てくるものが、現実でも沢に落ちているところまでは同じ、ということになります。「日本でもほんとに取れるんだ」という反応も並びました。国内の炭鉱はほぼ閉山していますが、地層のほうは当然そのまま残っています。
この上3行の並べ方は、8月中旬からXで大量発生している友達「結婚しました」構文のテンプレです。型自体は数年前からあるもので、8月に入ってからも針金のネズミを4行目に置いた投稿が15日に16万いいねまで伸びていました。内山さんの石炭はそこに石を投げ込んだ形になります。4行目は「俺」だけでなく「私」「僕」「わし」と書き手ごとに変わり、中身も鳥から仏具から車のパーツまで、各自の沼が出てくる枠になっています。
結婚も出産も昇進もめでたい話ですが、そこに石炭を並べて8万いいねまで持っていったのはうまい。近況報告のハードルが下がった気がします。