「新美味しんぼ」TVアニメ化、制作は前作と同じシンエイ動画で34年ぶりになる
9月19日の13時30分、「美味しんぼ【公式】| YouTube配信中!」というアカウントが、いきなり新作テレビアニメの制作決定を出しました。タイトルは『新 美味しんぼ』。投稿は2時間ほどでいいねが1万4000を超え、引用やリプライは声優が誰になるのかという話で一気に埋まりました。
投稿の文面はこうです。「\ TVアニメ化決定!✨ / 原点にして、頂点。 “究極”の“食”アニメ ── ここに復活! TVアニメ「新 美味しんぼ」 詳細は後日発表します🍚 おたのしみに!」。放送時期もキャストも放送局も、現時点では一文字も出ていません。
出てきたのは14秒だけの「超ティザーPV」
同じ13時30分に公式YouTubeへ上がったのが「TVアニメ化決定!『新 美味しんぼ』超ティザーPV|美味しんぼ」です。名前のとおり中身は14秒しかありません。
概要欄の大半は既存の配信チャンネルの案内で、新作について書いてあるのは、原作が「原作/雁屋哲・花咲アキラ「美味しんぼ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)」であること、権利表記が「Ⓒ雁屋哲・花咲アキラ/小学館/シンエイ動画「新 美味しんぼ」」であること、それに作品概要くらいです。問い合わせ先としてシンエイ動画の窓口が置かれています。
作品概要のほうは、原作を知らない人向けにきっちり書かれていました。東西新聞文化部の記者である山岡士郎と栗田ゆう子が、創立100周年記念事業として「究極のメニュー」に取り組む。そこへライバル紙の帝都新聞が、美食倶楽部を主宰する海原雄山の監修で「至高のメニュー」を立ち上げる。この「究極」対「至高」が、実は親子対決になっている、というあの話です。
前作は1988年から1992年まで全136話、あれから34年
数字を並べると、この「34年ぶり」という間隔がどれくらい異常かが分かります。前のテレビアニメは1988年10月17日にスタートして、1992年3月17日に全136話で完結しました。日本テレビ系で、監督は竹内啓雄さん。そして制作はシンエイ動画です。
つまり今回、34年経って戻ってきた新作も、権利表記を見るかぎり制作は同じシンエイ動画ということになります。ドラえもんやクレヨンしんちゃんを作っている、あの会社です。ちなみに同社の最近の仕事では、しんちゃんがほぼ出てこないワンカット会話劇のような実験的な回も話題になっていました。
原作のほうは1983年20号から「ビッグコミックスピリッツ」で連載され、1987年に第32回小学館漫画賞の青年一般部門を受賞。2020年10月時点で累計発行部数は1億3500万部を超えているとされています。連載自体は2014年25号から休載が続いていて、既刊は111巻です。
反応はほぼ「声、誰がやるの」で埋まった
発表から数時間のXを見ていると、放送時期の話より先に声の話が来ていました。前作の山岡士郎は井上和彦さん、栗田ゆう子は荘真由美さん、海原雄山は大塚周夫さん、富井副部長は加藤治さんが演じています。
「新 美味しんぼで一番気になるの海原雄山と富井副部長の声優問題」と書いている人がいて、これがだいたいみんなの気持ちでした。海原雄山を演じた大塚周夫さんは2015年1月15日に85歳で亡くなっているので、続投という選択肢が物理的に無い。栗田ゆう子役の荘真由美さんも、今は声優ではなく実業家です。
「山岡士郎が井上和彦じゃないとやだー!ってなるし、海原雄山が故・大塚周夫じゃないとやだー!ってなるからやだー!」という、身も蓋もない投稿もありました。井上和彦さんは1954年生まれで今も現役なので、続投を望む声は多め。ただ、「井上和彦さんは現役なんだし、山岡さんは井上和彦さんで続投して欲しいなぁ。ただ、PVで流れた声は井上和彦さんじゃなかったんだよな…」と、14秒のPVから早くも聞き分けにかかっている人もいます。
面白かったのが雄山の後任予想で、「海原雄山の声は、もしかして大塚明夫氏だったりするのかな?だとしたら、それはもう海原雄山じゃなくて範馬勇次郎になりそうだけど。。。そこは声優の演技力でねじ伏せてくれることに期待。」という投稿。大塚明夫さんは大塚周夫さんの長男なので、血筋としては一番近いけれど声の圧が別物、という指摘です。
声以外だと、「料理作画など今のアニメ技術でどこまでやれるかは気になる」という方向もありました。この人は「なかなかハードルは高そうだが」と身構えたうえでの期待で、1988年の作画で見ていた究極のメニューが2026年の技術で出てくるとどうなるかは、確かに見どころではあります。
「Dang Dang 気になる」と書く人が異様に多い理由
反応を眺めていると、なぜか「Dang Dang 気になる」という表記がぽつぽつ混ざります。料理監修が誰なのか気になる、という投稿の締めにも使われていました。
これは前作の主題歌です。「Dang Dang 気になる」は第24話から最終回の第136話までオープニングテーマで、作詞は売野雅勇さん、作曲は林哲司さん、編曲は船山基紀さん、歌は中村由真さん。ちなみにエンディングの「LINE」も同じ布陣で、歌も中村由真さんです。第1話から第23話までのオープニングは結城めぐみさんの「YOU」でした。
つまり「気になる」と言いたいときに「Dang Dang」が反射で出てくる世代が、いま一斉に反応している状態です。新作の主題歌がどうなるかは、当然ながらまだ何も出ていません。
検索するとき紛らわしい、2007年の「新・美味しんぼ」
ひとつ注意点があって、「新美味しんぼ」で検索すると別物が混ざります。フジテレビの実写ドラマ『新・美味しんぼ』(中黒あり)が先にあるからです。
こちらは2007年1月20日から2009年11月14日まで「土曜プレミアム」枠で放送された全3回のシリーズで、山岡士郎は松岡昌宏さん、栗田ゆう子は優香さん、海原雄山は松平健さんという配役でした。1994年には唐沢寿明さん主演の実写ドラマ『美味しんぼ』もあります。今回のアニメは中黒が入らない『新 美味しんぼ』なので、検索結果で年号を見て弾くのが早いです。
旧作アニメの新作が立つ流れ自体は続いていて、この秋には『魔法騎士レイアース』の新作TVアニメも10月7日から始まります。あちらは29年ぶり。34年はさすがに桁が違いますが。
放送時期もキャストも放送局も、公式の言葉どおり「詳細は後日発表」です。次に何か出るとすれば、今回と同じ公式YouTubeチャンネルと公式Xからになるので、雄山の声が気になる人はそこを見張っておくのが確実です。