「ティファールの指輪」がまたトレンド入り、フライパンと宝石を取り違える言い間違いが半年で再発している
8月21日、Yahoo!リアルタイム検索の急上昇ワードに「ティファールの指輪」と「ティファニー」が並んで入りました。原因は前日8月20日に投稿された、彼氏の言い間違いをそっと訂正する一文です。休職してもいいよと伝えたら「今休職したらお前にティファールの指輪を買ってあげられない」と返ってきた、という内容で、投稿の最後は「前も言ったけどティファニーね」で締められています。5万いいねを超えました。
いい話のはずなのに、指輪のブランドがフライパンになっている。しかも「前も言ったけど」ということは、その彼氏は少なくとも2回はティファールと言っているわけです。
この言い間違い、今年1月にも33万いいねを取っていた
面白いのは、まったく同じ取り違えが今年の1月にもバズっていることです。1月7日、別のユーザーが「彼氏にティファールの指輪でいい?って聞かれた」と投稿し、そのあとに続いた「もしかしてお湯沸かせるんかな」という一言が刺さって、いいねは33万を超えました。
半年ちょっとの間に、別々の人の彼氏が同じ間違いをして2回バズった計算になります。「ティファールの指輪」で検索すると、この2件のほかにも「ティファールの指輪めっちゃ欲しい」「ティファールの指輪あちあちだな」といった便乗が並んでいて、すでにひとつのフレーズとして定着しかけています。
そもそもティファールは何の会社なのか
ティファールはフランスの調理器具メーカーです。公式サイトの沿革によると、1954年にフランス人技師のマーク・グレゴリーが、趣味の釣り道具を加工しているときにアルミニウムへフッ素樹脂を焼き付けるアイデアを思いつき、世界初のこびりつかないフライパンが生まれました。会社の設立は1956年、パリ郊外のサーセルという町です。
社名の由来がまた良くて、テフロン(フッ素樹脂)とアルミニウムをくっつけた造語です。つまりティファールという名前は、成り立ちからして完全にフライパンの名前でした。指輪の要素はどこにもありません。
ちなみにロゴの表記は国や地域によって分かれていて、日本やアメリカでは「T-fal」、ヨーロッパなどでは「TEFAL」が使われています。日本語のカタカナ表記が同じ「ティファ」で始まるせいで、余計にティファニーと隣り合ってしまうわけです。
一方のティファニーは、婚約指輪の形を決めた会社だった
間違えられた側のティファニーは1837年、チャールズ・ルイス・ティファニーがニューヨークで始めた店が出発点です。婚約指輪でティファニーの名前が出てくるのには理由があって、1886年に発表された「ティファニーセッティング」という留め方が、いまの婚約指輪の主流を作りました。
それまでのダイヤは金や銀の台にはめ込む形が主流で、光が一方向からしか入りませんでした。ティファニーセッティングは6本の爪で石を持ち上げて支える構造で、あらゆる角度から光が入るようになっています。当時まだ目新しかったプラチナを使って実現したものでした。婚約指輪といえば、細いリングの上に石がちょこんと乗っているあの形を思い浮かべる人が多いと思いますが、あれの原型です。
言い間違いのほうが検索されている
X上の反応を眺めていると、やはり強いのは「もしかしてお湯沸かせるんかな」の系統で、指輪に電源が付いている前提のボケが並びます。「ティファールの指輪あちあちだな」のように、熱くなる商品だと知っているからこそ出てくる茶々も多い。「ティファールの指輪めっちゃ欲しい」「販売してほしい」と、本気で商品化を待っている人まで湧いています。もらう側が誰も怒っていないのが、この言い間違いが繰り返しウケている理由でしょう。
そして実際、今日のトレンドに乗っているのは正しいほうの「ティファニー」ではなく「ティファールの指輪」のほうです。半年に1回のペースで再発しているところを見ると、次にどこかの彼氏がやらかすのはたぶん来年の初めごろになります。