「これはひどい」の元ネタは?ニャンちゅうの卵かけご飯とクソゲーの第一声
目の前の惨状に、もう感想がそれしか出てこない。そんなときの一言が「これはひどい」です。元ネタは2つあって、ひとつはセガサターンのクソゲーの第一声、もうひとつはNHK教育でニャンちゅうが卵かけご飯に放ったツッコミです。
「これはひどい」とは?
出来の悪いもの、目を覆いたくなる失敗、ツッコミどころしかない状況を見たときに使うネット語です。怒っているというより、呆れながら半笑いで言うニュアンスが強めです。
2ちゃんねる、ニコニコ動画、はてなブックマークで定着し、いまはXでも普通に飛んでいます。語尾に「w」を付けて「これはひどいw」と打たれることも多いです。
数字で見ると定着ぶりがわかります。ニコニコ動画でタグ「これはひどい」が付いた動画は1万6,000本を超えています。はてなブックマークでは、2005〜2015年の10年間に83万4,824件付けられ、全タグ中29位でした(はてなニュース)。
元ネタ1、セントエルモスの奇跡
1つめの元ネタは、1996年4月19日にパイから発売されたセガサターンのRPG『大冒険 セントエルモスの奇跡』です。
主人公の名前を入れて冒険が始まると、最初に出てくるテキストが、壊れた船を見た村人の「これはひどい」でした。『セガサターンマガジン』の読者レースでは945本中937位という評価だったゲームです。
この台詞は、1998年刊行の『超クソゲー』(太田出版)でも取り上げられました。ライターの阿部広樹さんが、冒頭の「これはひどい」をゲームの出来を反映した言葉だと指摘し、「買うことそのものが大冒険だ」と評しています(Wikipedia)。こうしたクソゲー語りを通じて、ネットに広まったとされています。
ゲームの第一声が、そのままゲーム自体への感想になっていたわけです。クソゲー語りの文脈で「これはひどい」が使われるのは、この経緯があるからです。
元ネタ2、ニャンちゅうの卵かけご飯
もうひとつの元ネタは、子ども番組のワンシーンです。NHK教育『あつまれ!わんパーク』で、笹峯愛さんが4代目お姉さんを務めていた1999年4月〜2002年3月の回の出来事です(放送日は特定されていません)。
料理コーナーで、お姉さんが溶き卵をご飯にかけたところ、茶碗からこぼれてしまいます。笑いながら拭いて、醤油をかけて「完成」。そこへニャンちゅう(声は津久井教生さん)が「これはひどい!」と返しました。
このやりとりは「神回」として語り継がれています。いまもGoogleの検索候補に「これはひどい ニャンちゅう 素材」が並ぶくらい、音声として使い回されてきた一言です。
本人が明かした舞台裏
津久井教生さんは2026年5月、このときのことをXで振り返っています。
FRaUの記事では、笹峯さんとの掛け合いについて「どこまでがアドリブなのかわからないくらい会話が自然に弾けていました」と話しています(現代ビジネス)。ポストのほうでは「私も止めませんでしたが」と書いたうえで、すごいのは「それを後押ししてOKを出した」ディレクターだと明かしています。
子ども番組で失敗をそのまま流し、キャラクターが正直にツッコむ。この緩さがあったから、20年以上たっても「これはひどい」の顔として覚えられているのだと思います。
使い方・例文
- 「自分で作ったオムライス、見た目がこれはひどい」
- 「部屋の掃除を後回しにした結果がこれ。これはひどいw」
- 「切った前髪を鏡で見た感想、これはひどい」
- 「新作ゲームのバグ集、開始5秒でこれはひどい」
相手を本気で責めるより、自分の失敗や笑える惨状に使うほうがしっくりきます。他人の作品に向けると普通に悪口になるので、そこは空気を読んで使いましょう。