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「赤魚」の読み方は「あかうお」?「あかざかな」? ちいかわの煮付けをきっかけに割れた

2026年8月24日 ・ トレンド「赤魚 読み方 あかうお あかざかな ちいかわ 赤魚の煮付 アラスカメヌケ」より

スーパーの魚売り場で必ず見かける「赤魚」。粕漬けや煮付けでおなじみのあの魚を、あなたは何と読んでいるでしょうか。8月23日から24日にかけて、この読み方をめぐってXがざわつきました。

発端は映画ちいかわのレビュー動画

きっかけは、映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』の感想動画をよく見ているというユーザーの投稿でした。動画内でセブン-イレブンのコラボ商品「赤魚の煮付」を紹介する人が多いのに、そのほとんどが「あかざかな」と読んでいる、というものです。

投稿主は西日本の出身で、自分は「あかうお」だと思っていたと書いています。すると引用やリプライで、想定と逆の反応が返ってきました。

「周りも全員あかざかなだった」「あかうおって初めて聞いた」という声が、長崎・山口・神奈川など各地から集まります。逆に「あかうお」派からは「あかざかな圏がこんなに広いとは思わなかった」という驚きが出て、どちらの側も自分が少数派だったのかと戸惑う展開になりました。

辞書に載っているのは「あかうお」だけ

事実として確認できるところから並べます。コトバンクに収録されているデジタル大辞泉と精選版日本国語大辞典では、「赤魚」の見出しは「あかうお」です。アコウダイの別名、あるいは体色が赤い特定の魚を指す語として説明されており、「あかざかな」という読みは立項されていません。

つまり辞書を引く限り、正解は「あかうお」ということになります。実際、投稿主も「赤魚 読み」で検索したものの「あかざかな」の情報は出てこなかった、と書いています。

ただしこれは「あかざかな」が間違いだと言い切れる話でもありません。魚の呼び名は地域差が大きく、辞書に載らない売り場の呼び方が生き残っている例はいくらでもあります。リプライにも「魚屋の店頭では今も『今日の特売あかざかな』と呼びかけている」という証言があり、書き言葉と売り場の言葉がずれている可能性は残ります。

「あかざかな」派の理由が、けっこう筋が通っている

面白いのは、「あかざかな」と読んでいた人たちが挙げた理由がだいたい同じだったことです。

いちばん多かったのが「青魚(あおざかな)があるから」。サバやイワシをまとめて呼ぶあの言葉が先に頭にあると、赤い魚も同じ組み立てで「あかざかな」になります。訓読みで揃うぶん、音と訓が混ざる「あかうお」より自然に感じる、という意見もありました。

もうひとつが「赤身魚(あかみざかな)との混同」です。マグロやカツオのような身が赤い魚を指す言葉で、響きが近いぶん引っぱられやすい。ちなみに「あかうお」は身が赤い魚ではなく、体の外側が赤くて身は白身という、名前とちょっとズレた魚だったりします。

なお「青魚」に対応する「あおうお」も存在はしますが、こちらはコイ科のアオウオという別の魚の名前で、青魚の言い換えにはなりません。読み方を統一してくれ、という嘆きが出るのも無理はない話です。

そもそも「赤魚」という名前の魚はいない

読み方より驚かれていたのが、こちらの事実でした。

市場魚貝類図鑑によれば、「赤魚」は北洋漁業で揚がる赤い魚に付けられた商品名で、中身はアラスカメヌケやタイセイヨウアカウオといった複数の種です。1990年代までは魚の種名表記があいまいだったため、商品名がそのまま一般名として定着しました。同じ図鑑では、かつて粕漬けが「鯛粕」と表記されていた名残が今も残っていると指摘されています。

日本近海のアコウダイも「赤魚」と呼ばれる魚のひとつです。こちらは水深500〜700メートルにいる深海魚で、釣り上げると水圧差で目が飛び出すことから「メヌケ(目抜け)」の別名を持ちます。地味な白身魚のようでいて、来歴はなかなか派手です。

結局どっちで読めばいいのか

辞書とパッケージ表記に合わせるなら「あかうお」、売り場や家庭で通じてきた呼び方を採るなら「あかざかな」。どちらの側にも「うちはずっとこれだった」という実感があり、勝ち負けの付く話ではなさそうです。リプライにも「どちらでも通じるんだからいいのでは」という落としどころが出ていました。

ちなみに火種になった映画ちいかわのコラボ煮付けは、原作の重さと結びつけて「公式が鬼」と言われたり、隣に単三電池を並べた店員さんのPOPがウケたりと、発売からずっと何かしらの形でざわつき続けています。今回はついに読み方でざわついたことになります。

次にスーパーで赤魚を手に取ったら、パッケージのふりがなを確かめてみてください。だいたい「あかうお」と書いてあるはずです。それを見て、家族と読み方が違っていたことに初めて気づくかもしれません。