AWS BuilderCards日本語版がAmazonで発売、3年越しの翻訳は有志のボランティアだった
AWSが作ったカードゲームがある、という話をされてもピンと来ないと思います。「AWS BuilderCards(ビルダーカード)」といって、AWSのサービスをカードにしたデッキ構築ゲームです。その日本語版 第2版が、2026年9月25日にAmazonで発売されることになりました。定価2,980円で、8月28日から予約も始まっています。
「首を長くして待っててくれた」という書き出しになるのには理由があって、これまで日本語版はお金を出しても買えないものでした。
クラウドのサービスをカードにして殴り合う
ゲームとしては、いわゆるデッキ構築型です。プレイヤーは新人のITアーキテクトという設定で、場に並んだAWSサービスのカードを買い集めて自分の山札を強くしていき、最終的に「Well-Architectedポイント」の合計で勝敗を決めます。
面白いのは、カードの組み合わせにボーナスが付くところ。実際のAWSでも相性のいいサービスの組み合わせがあって、それがそのまま点数になる作りです。Amazonの商品情報によると2〜4人用でプレイ時間は約20分、対象年齢は12歳以上。ルールを覚えるついでにサービス名が頭に入る、という研修めいた副作用があります。
予約はAmazonで受け付けています。楽天市場のほうは、今のところ日本語版の取り扱いがなく英語版だけ(しかも6,880円)なので、9月25日の発売に合わせて出てくるかどうかというところです。
第2版は2024年のAWS re:Inventで登場したもので、初版から地味に手が入っています。大きいのはコストの仕組みで、初版にあった「TCO」という2種類目のコストが廃止されて1本化されました。あとはルールを1枚にまとめたクイックリファレンスカードが同梱されたこと。初版はルールを確認するのにAWSのブログを開く必要があったので、これで卓上だけで完結します。
これまでは「もらう」ものだった
BuilderCardsはもともと、AWS re:Inventのような海外イベントで配られるノベルティでした。英語版はAmazonでも買えるようになっていましたが、日本語版のほうはJAWS-UG(日本のAWSユーザーグループ)のミートアップやカンファレンスに行って手に入れるルートしかありませんでした。
その日本語版を作っていたのが、AWS Heroの山口正徳(@kinunori)さんたちのワーキンググループです。
3年前から翻訳を始めて、Amazonが商品として扱う日が来るとは思っていなかった、という話。カードの文面だけでなく、遊び方のガイドもGitHubで公開されています。
売れても翻訳した人には1円も入らない
発売の告知が伸びたあと、山口さんは自分から補足を投げています。
出品しているのはAWSで、日本語化に関わった有志は流通にも販売にも関わっていない。3年ぶんの時間と経費は自腹で、「趣味でやっているので特に何もなく」と本人は書いています。すごい話ではあるんですが、当人はけろっとしていて、直後には「これ以上ポストするとプロモーションアカウントと間違われて凍結されそうだからしばらく控えとこ」と自分でツッコんでいました。
商品化にこぎつけたのは、AWSの沼口さんという担当者がAmazonジャパン側との調整を年単位で続けた結果だと、日本語版に関わったKosuke(@coosuke)さんが説明しています。社内調整のほうが本編みたいな話です。
発売記念に60人で卓を囲む会もある
発売を記念して、JAWS-UGの東京支部と千葉支部が合同でプレイイベントを開きます。9月27日(日)14時から18時、麻布台ヒルズ森JPタワーの35階で、参加費は無料。ルール説明の枠が最初に用意されていて、AWS初心者も歓迎とのことです。
当初の枠はすぐ埋まって60人まで増枠され、主催の@_y_ohgiさんが「これ以上の増枠はないです!」と念を押していました。ルール説明には前述の山口さんがゲストで入ります。買う前に一度遊んでみたい人は、connpassの募集ページから申し込めます。
予約したエンジニアからは「詳しいルールちゃんとわかってないけど勢いで買ったった」「一家に1セット」といった声が並んでいて、待っていた人がそれなりにいたことが伝わってきます。会社の同僚を4人集めれば20分で1ゲーム。飲み会の代わりにこれを出してくる人が、9月末あたりから増えるかもしれません。