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「越境台風」ハリケーンNOLOが台風28号へ、名前は「ノロ」のまま

宇宙から見たハリケーンNOLO。くっきりした目を中心に雲が渦を巻き、右上にハワイ諸島が見える
画像: 宇宙から見たハリケーンNOLO(2026年9月28日)(Public domain / MODIS Imagery, via Wikimedia Commons)

ハワイ近海のハリケーン「NOLO(ノロ)」が、日付変更線を越えて日本の気象庁が見る「台風」になる見込みです。番号は28号になりそうなのに、名前はアジア名にならず「ノロ」のまま残ります。

10月3日の昼、ウェザーニュースがこの「越境台風」の可能性を伝えました。

越境台風は2023年の台風8号(ドーラ)以来で、実現すれば3年ぶりです。

線を越えると「台風」になる

ハリケーンも台風も、中身は同じ熱帯低気圧です。呼び名を分けているのは、どこの海にいるかです。

気象庁の定義では、台風は「北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し」、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上のものを指します。

つまり東経180度、ほぼ日付変更線の位置が境目です。この線より東にいる間、ハワイ周辺の嵐はアメリカの中部太平洋ハリケーンセンター(CPHC)が見ています。

線を西へ越えた瞬間に、監視の担当がCPHCから気象庁へ引き継がれます。そこから先は「台風」と呼ばれ、番号も付きます。

番号は28号、名前は「ノロ」

気象庁の台風情報のデータでは、10月3日昼の時点で今年の台風は27号まで来ています。

ウェザーニュースは、ほかに新しい台風が発生しなければ、このハリケーンが「台風28号(ノロ)」と呼ばれることになる見込みだとしています。先に別の台風が生まれれば番号はずれるので、28号はあくまで今の順番での話です。

面白いのは名前のほうです。日本の近くで生まれる台風には、台風委員会の加盟国などが出した140個の名前が発生順に付きます。

ところが西経側から入ってきた台風は、アメリカ側のリストで付いた名前をそのまま使う決まりです。番号だけ日本式になって、名前はハワイ生まれのまま、というちょっと不思議な状態になります。

「NOLO」の出どころは、NHCの命名リストにある中部北太平洋用のリストです。ハワイ語の名前が12個並ぶ「List 1」の8番目に、Nolo が入っています。

メキシコ沖から来た長旅

このハリケーン、ここまでの道のりがかなり長いです。ウェザーニュースのまとめを時系列にするとこうなります。

  • 9月14日 メキシコ沖の東部太平洋で熱帯低気圧15Eが発生
  • 9月24日 ハワイの南でトロピカルストーム「NOLO」に
  • 9月25日 ハリケーンに。最盛期は上から2番目のカテゴリ4まで発達
  • その後いったん弱まってトロピカルストームに戻る
  • 10月3日 再びハリケーン勢力に

冒頭の写真は9月28日の衛星画像で、右上に見えている陸地がハワイ諸島です。発生から20日近く、太平洋をほぼ横断するように西へ進んできたことになります。

CPHCは3日の予報文で「Nolo is forecast to cross the International Date Line into the western Pacific basin by 48 h.」と書いています。48時間以内に日付変更線を越えて、西太平洋側に入るという予報です。

ウェザーニュースは、5日(月)の朝にミッドウェー諸島の近くで台風になる可能性が高いとみています。

前回は2023年のドーラ

越境台風は数年に一度ある程度で、前回が2023年の台風8号(ドーラ)、その前が2018年の台風17号(ヘクター)です。

ドーラが線をまたいだ瞬間は、気象庁の台風8号の経路データに残っています。2023年8月12日9時は西経179.9度で「域外」。6時間後の15時には東経179.1度に入り、いきなり「強い」台風として記録されています。

生まれたての弱い台風から始まるのではなく、ドーラのように最初から強い勢力で番号をもらうことがあるのも越境台風ならではです。

過去最強クラスで越える可能性

CPHCは週末にかけて大きく発達し、メジャーハリケーン(カテゴリ3以上)になると予報しています。

ウェザーニュースによると、アメリカ側の予測では越境時の勢力が1分間平均で55m/s前後(カテゴリ3相当)です。

これは、越境時にいちばん強かった2006年の台風12号(イオケ)と2014年の台風13号(ジェヌヴィーヴ)に並ぶ勢力だといいます。この2つはどちらも10分間平均で50m/sでした。台風としては「非常に強い」にあたる可能性があるとのことです。

日本に来るかはまだ分からない

気になるのは日本への影響ですが、ここは予報にばらつきが残っています。

ウェザーニュースは、東経側に入ったあともしばらく西へ進み、その後はUターンして東へ戻っていく可能性が高いとみています。

一方で、どこまで西へ進んでから向きを変えるかの予測はまだ割れていて、小笠原諸島など国内に近づく可能性も完全には否定できないとしています。

台風になれば、気象庁の台風情報に「台風28号」として載るはずです。今年は9月にも台風25号で東京ゲームショウの最終日が中止になったばかりなので、続報は気象庁の発表で確かめておくと安心です。

番号と名前がちぐはぐな台風

ハワイ語の名前を持ったまま、日本の台風として28番目の番号をもらう。越境台風ならではのちぐはぐさです。

越境が確定するのは5日ごろの見込みです。台風情報に「ノロ」の名前が出てきたら、それがメキシコ沖から3週間かけて来たあのハリケーンです。

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