「ごめんなさいカレーの日」は土下座の語呂、山口さんしか買えないカレーが理由
10月3日は「ごめんなさいカレーの日」です。日付の理由は土下座で、ど(10)・げ・ざ(3)の語呂合わせになっています。
そして名前の「ごめんなさい」は、もともと「山口さんしか買えなくてごめんなさい」という意味でした。
記念日を登録したのは、山口県美祢市でお土産品を作っている株式会社楽喜です。2015年9月の同社のプレスリリースに、日本記念日協会へ申請して10月3日を「ごめんなさいカレーの日」として登録したと書かれています。
始まりは名字ランキング
最初の商品は「山口さんちのごめんなさいカレー」で、2012年11月26日に発売されました。
きっかけは、名字由来netが出した「47都道府県の県庁所在地と同じ名字」のランキングです。いちばん多いのが「山口」で、次が「宮崎」「千葉」でした。楽喜はこの1位を記念してカレーを作っています。
買える人を3通りに絞った
このカレー、誰でも買えるわけではありませんでした。発売時のリリースが挙げた購入条件は次の3つで、どれかに当てはまらないと買えません。
- 姓か名が「やまぐち」と読む人(旧姓も含む)
- 山口県出身の人
- 山口県内の店舗に出向ける人
つまり、山口さんと山口出身者以外は、山口県まで来てねという仕組みです。県の認知度を上げたい、来県のきっかけにしたいという狙いがありました。
リリースには「大阪以東の方はほとんど山口県の位置も解らない」とまで書かれています。全国で知られている山口の名物はフグだけ、という悔しさが出発点だったようです。
「ごめんなさい」には2つ意味がある
ひとつ目は、山口さんしか買えなくてごめんなさい、という意味です。
もうひとつは家族へのお詫びとお礼でした。友達と旅行ばかりしているお母さんや、出張で家族に留守番をさせているお父さんが、お土産として渡すことを想定しています。
山口宇部経済新聞の取材では、吉田龍司社長がネーミングとパッケージがいちばん苦労したところで、「社員の意見を無視して反民主主義的に決定した(笑)」と話していました。
中身は長州どりと山口産の玉ねぎ・ニンジンを使った洋風中辛です。価格は2個セットで888円で、末広がりにあやかった数字でした。
※価格・数量はいずれも発売当時のものです。
クレームが多すぎて会社が回らなくなった
この山口縛りは話題になった一方で、買えなかった人からのクレームもたくさん届きました。
楽喜はクレーム対応の専門家に相談したり、社員を勉強会やロールプレイングに出したりしたものの、ほとんど効果がなかったそうです。2013年5月のリリースには、こう書かれています。
また、あまりのクレームの多さに、スタッフのほとんどが高齢であるということもあり、現場が疲弊し、会社として機能不全を起こしてしまいました。
そこで方針を変え、山口縛りなしで買える「山口さんだけでなくてごめんなさいキャンペーン」を5,000セット限定で始めました。クレームを入れた人へのお詫びの意味で特別に、という説明つきです。
山口さんしか買えなくてごめんなさい、から、山口さんだけじゃなくてごめんなさいへ。カレーの名前どおり、会社のほうが謝る展開になりました。
第3弾は「お詫び専用カレー」
その後、第1弾は2万5千食が売れ、2014年4月には第2弾「山口さんちのセレブになっちゃったカレー」が出ています。
2015年9月1日に出た第3弾が「山口さんちの本当にごめんなさいカレー」です。第3弾は10月3日が記念日に登録されたのに合わせて出たもので、リリースでは「お詫び専用カレー」と紹介されていました。
想定しているのは、ちょっとした夫婦げんかや友達とのすれ違いです。菓子折りほど重くない、気楽なお詫びに使ってほしいという狙いで、2人で食べれば仲直りという願いが込められています。
野菜は社会復帰を目指す受刑者が育てた
第3弾の野菜は、美祢市にある美祢社会復帰促進センター(別称「再誕の丘」)で受刑者が育てたものです。リリースでは「全国初の官民協働刑務所」と紹介されています。
使ったのはトマト・かぼちゃ・ナスの夏野菜でした。とれたてを使うので、季節によって中身の野菜が変わるそうです。
なお、2015年当時の商品ページはすでに閉じていて、いまも同じカレーが買えるかは確認できませんでした。
記念日まわりの由来が気になる人には、「銀魂の日」が10月10日になった理由も同じ10月の記念日です。今日だれかに謝る予定がある人は、カレーを添えてみるのもありかもしれません。