セブンイレブンの「骨付きチキンビリヤニ」、正解はひっくり返しだった
698円のコンビニ飯が、発売からひと月近く経ってもまだタイムラインに流れてくる。セブン-イレブンの「旅するCAFÉ BOXエリックサウス監修 骨付きチキンビリヤニ」のことだ。しかも一緒に流れてくるのが商品の写真だけじゃなく、「ひっくり返してレンチン」という謎の手順だったりする。この食べ方の意味を、監修した本人が自分で書いていた。
そもそも「ひっくり返してレンチン」とは
やり方はシンプルで、レンジに入れる前に容器ごと上下をひっくり返し、フィルムに穴を開けて加熱する、というもの。9月に入ったあたりからXで広まった食べ方で、たとえば @get2andturn さんは「ひっくり返して穴を開けてレンチン」という手順と一緒に、こう書いている。「普通にチンするとベッタリとカレーソースが米に絡みつくが反転するとソースから蒸気とスパイスの香りが上がりフワフワしっとり別物級の変化」。ソースを下から蒸気に変える、という理屈だ。
セブン-イレブンのニュースリリースに、こんな加熱方法は書かれていない。公式の推奨ではなく、食べた人たちの間で回っていた裏技という扱いだった。少なくとも、この時点までは。
商品そのものの説明は、公式リリースいわく「インドで馴染みのあるバスマティライスは、スパイスをふんだんに効かせ、チキンの旨みを詰めこんだグレイビーソースを合わせました」。そこに柔らかく煮込んだ骨付きチキンが2本のる。コンビニの弁当としては、かなり攻めた構成だ。
監修した稲田俊輔さんが、狙いを自分で書いていた
9月11日、エリックサウスの中の人である稲田俊輔さんが、質問サービス mond に届いた質問に答えた。届いていた質問はひっくり返しの話ではなく、「セブンのビリヤニを本場のビリヤニと呼べないと言う人がいるけれど、日本で最適化された“日式ビリヤニ”の伸び代をどう見るか」という内容だ。それなのに回答は、聞かれていないひっくり返しの話から始まっている。
「まず大前提として、僕はセブンのビリヤニを日式ビリヤニとはあまり思っていません。まあニンジンや紫キャベツが乗っていたりカレーがちょこっとかかっていたりの『コンビニならではの仕様』があるのは確かですが、その独特な仕様の影響力を可能な限り抑え込む食べ方が『ひっくり返し』です」
つまりユーザーが勝手に見つけた裏技というより、コンビニ側の事情で乗っている要素の影響を弱めて、下のライスとグレイビーを主役に戻す食べ方として理屈が通っている、ということになる。上に乗ったものを下に落としてから混ぜる、と考えると納得しやすい。
ちなみに稲田さんがこの回答をXに投げたポストは、本文が途中で切れて「あるのは確かですが。」で止まっている(残り2663文字の表示付き)。そこだけ読むと商品へのダメ出しに見えてしまうので、全文はmond側で読んだほうがいい。
回答の中では、今回の商品への評価も書かれている。「そしてその最新版、実を言うと個人的に初めて『堂々とビリヤニと名乗れる商品』です」。本人はすぐ後ろで「『俺のビリヤニの定義』を満たしているかどうか、というあくまで主観的な話です」と但し書きを付けている。逆に言えば、これ以前のバージョンには思うところがあったようで、「なのでこれ以前のバージョンの時は、僕は常に商品名を『2種のカレーとビリヤニ風ライス』みたいな感じにできないかということも提案してきました」とも書いている。監修者が商品名のほうを下げる提案をしていた、という話が普通に公開されているのがおもしろい。
試作第一号には、カレーもニンジンも入っていなかった
同じ回答で、商品になる前の姿も明かされている。「今回のビリヤニの試作第一号は、実際に商品化されたものとは少し違いました。カレーは全くかかっておらず、ニンジンも紫キャベツも無し、その代わりジャガイモはもっとゴロゴロ、という仕様です」。それを「これはさすがにまだ少し時期尚早だろう」という判断で今の形にしたのだそうだ。決めたのは自分ではないと書いた上で、「判断としては間違っていなかったと思います」とも添えている。
つまり「ひっくり返し」をすると、試作第一号の状態にちょっとだけ近づく。裏技だと思って回していた手順が、実は開発の途中で一度は存在した形に戻す操作だったわけだ。
エリックサウスは、公式サイトによれば「東京駅八重洲地下街発祥の南インド料理専門店」で、いまは「東京を中心に全国11店舗」。稲田さんは「セブンのビリヤニは、その炊き込み式チキンビリヤニの延長にあります」と、店の商品からの地続きであることも書いている。コンビニ限定の企画メニューではなく、店でずっとやってきたものの延長線上にある、という位置づけらしい。
監修元の八重洲店では、チキンビリヤニが完売していた
コンビニ側が伸びると、本家にも人が流れる。9月11日、@goshuinchou さんが八重洲地下街のエリックサウスに行ったところ、「午後に行ったらセブンの影響か、チキンビリヤニは既に完売」。代わりに17時から数量限定で出るマトンビリヤニを狙い、17時に速攻で戻って食べたという流れが投稿されている。
コンビニで698円の商品が売れた結果、監修した本店のチキンビリヤニが午後には無くなる。順番としては逆のようでいて、実際にはこうなるのかという感じがする。
で、いつまで売っているのか
ここが一番知りたいところだと思うが、公式の答えは無い。セブン-イレブンのニュースリリースには販売終了日の記載が無く、『カレーフェス』の終了日も、終売を告知する発表も見当たらない。ひっくり返しを紹介した9月5日の投稿が「フェアが終わる前に」と急かしていた一方で、9月11日の投稿には「現在大人気」と書かれている。終わりの日が決まっているというより、店舗ごとに在庫が尽きた順に消えていくとみられる。
近所のセブンでまだ見かけたら、そこがタイミングということになる。買えたら、まずひっくり返してから温めてみてほしい。
セブンのカレー系では「カレーみそきん」も毎回売り切れているし、コンビニの本格カレーという意味ではファミマの「CURRY UP」監修レトルトカレーもある。この棚、ここ数年でだいぶ本気になってきた。