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ジョジョOP「その血の運命」の“ジョジョ”連呼、正体は70年代アニソンの注文

「その血の運命」の昭和っぽさと“ジョジョ”の連呼には、元になった注文がある。

プロデューサーが70年代のアニソンを方向性にして、歌詞に“ジョジョ”を入れたいと最初に注文していた。

発端は「ずっこけた」の一言

10月1日、Xで歴代のアニメジョジョOPの話が回っていた。その流れで、1部のOPについてこんな投稿が出た。

「1章opで「ジョジョ…ジョジョ…」って言ってたのを聞いてずっこけたんだよなぁ」

これに4,700を超えるいいねがついた。続けて別の人が「じゃあ逆にアニメジョジョ最強OPってどれよ 俺は2部」と振り、こちらも2,200いいねを超えて、各部のOP推しが入り乱れる流れになった。

作曲者本人が「ずっと3位」

翌10月2日の昼、作曲した田中公平さん本人がこの曲について投稿した。

田中さんの曲で、海外での分配額が多いのは『ウィーアー』『ウィーゴー』の順。その次が「その血の運命」で、ずっと3位だという。

『ウィーアー!』はアニメ『ONE PIECE』の最初のOPで、『ウィーゴー!』は新世界編に入ったときのOPだ。世界中で流れているワンピースの2曲のすぐ後ろに、ジョジョ1部のOPがついている。

この投稿には2,300を超えるいいねがついた。

方向性は70年代のアニソン

じゃあ、あの昭和っぽい作りはどこから来たのか。答えは、アニメのプロデューサー大森啓幸さんが2017年にリスアニ!のインタビューで話している。

大森さんは、歌の方向性を「70年代のアニメソングみたいなもの」にしたいと考えていた。例に挙がっていたのは、ささきいさおさんの『宇宙戦艦ヤマト』や、藤原誠さんの『マクロス』だ。

そういう、おおらかに歌い上げるアニメ歌謡をやろうとなった。そこで「じゃあ作曲は田中公平さんだよね」と決まり、一発勝負で頼んだという。

田中さんへの注文は、その時代のイメージで考えてほしいというもの。そこに、歌詞にも“ジョジョ”という言葉を入れたいと付け加えている。

つまり、歌詞に“ジョジョ”を入れることは発注の段階で決まっていた。今聴いて古く感じるなら、それはねらいどおりということになる。

先に決まっていたのはED

順番も変わっている。最初に決まったのはOPではなく、EDのイエス「Roundabout」だった。

原作者の荒木飛呂彦先生に「エンディングはどんなのがいいですか?」と聞いたところ、出てきた曲のひとつが「Roundabout」だったそうだ。

EDが洋楽のプログレなら、OPはどうするか。そこから「色のついていない人がいい、しかも歌心がある人がいい」という条件で歌い手探しが始まった。

歌い手は「名前が知られていない」人

大森さんが探したのは、ベテランで芯が強いのに、ネームバリューがない歌い手だった。

本人いわく「“名前が知られていないささきいさおさん”みたいな人はいないかなと(笑)」。当然、そんな人はなかなかいない。

最後は田中さんの事務所のエンジニアが推した「トミー」こと富永TOMMY弘明さんに決まった。歌を聴いて、音圧が決め手になったという。

作詞はウィーアー!と同じ人

作詞家は、田中さんのほうから「(藤林)聖子がいい」と名前が出た。原作サイドの集英社に話すと、向こうも藤林聖子さんを考えていたという。

これで『ウィーアー!』『ウィーゴー!』と同じ、作詞・藤林聖子、作曲・田中公平の組み合わせになった。田中さんの投稿に出てくる上位3曲は、3曲とも同じコンビの曲だ。

作詞の依頼で大森さんが伝えたのは、ジョナサンとディオの関係。仲がいい悪いではなく、2人の運命が螺旋階段のようにぐるぐる回る、という話だった。

藤林さんは1週間もしないうちに今の形を上げてきたそうだ。サビの細かい歌詞は、公式の配信や歌詞サイトで確かめてほしい。

CDの発売は2012年11月21日で、オリコンの週間ランキングでは14位に入った。

大森さんによると、このOPが本放送で流れたのは8回だけ。田中さんにもそれを言われたが「8回が80回、800回のつもりでやっているんですよ」と返したという。

「ダサい」から「これじゃないと」へ

今回の流れでも、反応は「ダサい」で止まっていなかった。

  • 「その血の運命 初見 「なんやこれ…」 その血の運命 今 「これも計算のうちかJOJO〜!!」」
  • 「その血の運命のダサかっこよさほんま好き」
  • 「その血の運命はダサいのがカッコいいんやろがい」

最初はダサいと思っていたけど、今はこれじゃないとダメだと思っている、と書く人もいた。

一方で、アニメの1部から入った人の声もある。OPは単純にダサいと感じたが、観続けるうちに古参向けだったのだと思えた、という感想だ。

当時から好きだった側の声も強い。

  • 「おれ放送当時あのOP聴いたとき「ジョジョだ!!!」って興奮した」

作曲者の投稿への返信では、こんな驚きも出ていた。

  • 「ウィーアーとその血の運命が同じ作曲者であることに驚きました」

最強OP論争は決まらない

「最強OPはどれ」の話は、結局きれいに割れた。2部の「BLOODY STREAM」、3部の「STAND PROUD」を推す声も並んだ。それでも、ジョジョのOPといえば1部、という声が何度も出てくる。

「オラオラ」や「無駄無駄」と同じで、最初は笑われた部分が、そのまま作品の顔になっている。セリフのほうはミーム辞典の「オラオラ」と「無駄無駄」にまとめてある。

ジョジョの音楽の話なら、7部『スティール・ボール・ラン』のEDが千葉雄喜「死ぬか生きるか」に決まった記事もどうぞ。

次に1部のOPを聴くときは、70年代のアニソンのつもりで聴いてみてほしい。“ジョジョ”の連呼が、ちょっと違って聞こえるはずだ。

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