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東山動植物園でコビトカバが出産 無事に育てば1994年以来という重い一歩

2026年8月14日 ・ トレンド「コビトカバ 赤ちゃん 東山動植物園 コユリ 誕生」より

名古屋市の東山動植物園が8月13日、コビトカバの赤ちゃんが生まれたと発表しました。母親はコユリ(17歳)。出産は8月11日で、公式Xの投稿には1万を超えるいいねが集まっています。

添えられた写真には、藁を敷いた屋内の部屋で母親の足元に立つ、まだ全身がぬれて光っている赤ちゃんが写っています。生まれたてなのに自分の脚でしっかり立っていて、体の輪郭はもう小さいカバそのものです。

母は上野生まれ、父は石川生まれ

母親のコユリは上野動物園生まれで、2011年に東山へ。父親のミライはいしかわ動物園生まれで、2018年に来園しました。国内の園同士で個体をやり取りしながら、少ない頭数をつないでいるのが分かる組み合わせです。

いまは屋内の非公開エリアで子育て中のため、会いに行っても姿は見られません。公開の時期も決まっていないので、名古屋旅行のついでに、というわけにはいかない状況です。

「1994年以来」という言い方の意味

発表のなかで目を引くのが、園の書き方です。当園でのコビトカバの出産は2023年以来で、無事に成育すると1994年以来になる、とあります。

つまり、出産そのものは何度かあったけれど、育ってくれた子は1994年を最後に出ていないということになります。生まれたという速報に対して園の言葉づかいが慎重なのは、そういう理由です。今回の赤ちゃんも、ここから数週間をどう越えるかが本番になります。

世界三大珍獣なのに、名前が浸透したのは最近

コビトカバは西アフリカの熱帯雨林や湿地に暮らすカバの仲間で、ジャイアントパンダ、オカピと並んで「世界三大珍獣」と呼ばれてきました。名前のとおり普通のカバよりずっと小柄で、体長は1.7メートルほど、体重は300キロ前後。1トンを軽く超えるカバと比べると、大人になっても普通のカバの子どもくらいのサイズ感です。

野生の生息数は2500頭前後とみられていて、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種に分類されています。日本で飼育している園も数えるほどしかありません。

ちなみにカバの仲間は、皮膚から赤みがかったねばつく液を出すことで知られています。血や汗ではなく、ヒポスドリン酸などを含んだ分泌液で、紫外線をさえぎる日焼け止めと、傷を守る抗菌剤を兼ねているとされます(福岡市動物園)。水辺から出ても平気なのは、体でそれを作れるからです。

ムーデン以降、赤ちゃんコビトカバは世界の関心事になった

そんな地味枠だったコビトカバの立場を変えたのが、2024年にタイの動物園で生まれた ムーデン でした。つやつやのピンク色で跳ねまわる姿が世界中で拡散し、グッズも公式ソングも生まれる騒ぎに。日本でも「コビトカバ」という単語がふつうに通じるようになったのは、あのブーム以降です。

その熱があるからこそ、今回の1頭にも早々と1万いいねが集まったのだと思います。会えるようになるのはまだ先ですが、まずは無事に大きくなってほしいところです。