← 一覧へ エンタメ

櫻坂46「愛MUST BE」MVの「ヘンナイト」の正体は花嫁の独身最後の夜

深夜0時に新曲のMVが上がって、そのまま寝られなくなるやつだ。9月17日0時、櫻坂46の16thシングル表題曲「愛MUST BE」のMUSIC VIDEOが公開された。ドレス姿の谷口愛季が映り、見ているほうは「ん、結婚式?」となる。そこで一気に打たれた検索ワードが「ヘンナイト」だった。

深夜3時台のYahoo!リアルタイム検索で「ヘンナイト」を引くと、関連ワードに「愛MUST BE」「愛季」「ドレス姿」「櫻坂46」が並ぶ。曲名やメンバー名と一緒に、初めて見る単語が同じ速度で伸びている状態である。

監督が公開1時間後に自分で種明かしした

答えを出したのはMVを撮った本人だった。監督の加藤ヒデジンさんが、公開から1時間ちょっとの1時2分にこう投稿している。

「櫻坂46「愛MUST BE」監督しました。」から始まって、「結婚前のヘンナイトをシチュエーションにしました。結婚前の最後に騒ごうっていう欧米の文化です。」と続く。作品を出した側が、視聴者が引っかかるであろう単語を先回りして自分で説明した形になる。この投稿は明け方3時半の時点で3,400を超えるいいねを集めていた。

イギリス英語の hen night、アメリカだとバチェロレッテ

ではヘンナイトとは何なのか。英語では hen night と書く。ケンブリッジ英英辞典のhen night の項には、「a party for a woman who is going to get married, to which only her female friends are invited」とある。これから結婚する女性のためのパーティーで、招かれるのは彼女の女友達だけ、という意味だ。

hen はもともとめんどりのこと。同じ辞書で bachelorette party を引くと説明文が一字一句そろっていて、つまり hen night はイギリス英語、bachelorette party はアメリカ英語で、指しているものは同じだとわかる。hen party、hen do という言い方も同じ内容で載っている。hen night の項には、比較対象として stag night という語も併記されている。

日本でこれに当たるのは、花嫁側だけでやる結婚前の女子会あたりになる。ただし欧米のそれは規模が違って、泊まりがけで旅行に行ったり、そろいの衣装を着て街に繰り出したりもする。海外ドラマや映画で、花嫁だけがベールを着けて女友達と騒いでいる場面を見たことがあるなら、あれがヘンナイトだ。MVの谷口愛季がドレス姿なのは結婚式の最中だからではなく、その前夜のパーティーにいるからということになる。

祝い事のはずなのに、画面がずっと重い

面白いのは、監督が投稿で語ったテーマのほうだ。ヘンナイトの説明に続けて、「そのままでいたいのに時間は過ぎて、形式的に決められて実行されて、だんだん無感情になる。」と書いている。祝い事をモチーフにしながら、見ている側が受け取るのは高揚ではなく醒めていく感じのほうだ、という作りになっているわけだ。

見ていた側にも、同じ引っかかり方をした人がいた。

「モチーフは結婚前夜のヘンナイトなのに、この画が葬式にも見えるの鳥肌。」という投稿で、新しい人生が始まるということは今までの人生が終わるということでもある、と続けている。パーティーの名前を借りておきながら、画面の温度だけ下げてある。そう言われて見返すと、このズレのほうが主題に見えてくる。

言葉そのものを調べた人も多かったようで、リアルタイム検索の関連ワードには「愛MUST BE」や「櫻坂46」と並んで「ドレス姿」まで入っていた。ドレスの理由が分かってから見直すと、意味が変わるタイプのMVではある。ちなみに結婚の報告といえば、Xでは今年の8月に友達「結婚しました」構文が流行っていた。こちらは他人の結婚報告をネタにする大喜利で、方向はだいぶ違う。

16枚目の表題曲で、谷口愛季が初めてセンターに立つ

「愛MUST BE」は10月14日発売の16thシングルの表題曲になる。フォーメーションが発表されたのは9月14日で、センターを務めるのは3期生の谷口愛季。表題曲でのセンターは今回が初めてだ。発表の場になったレギュラー番組『そこ曲がったら、櫻坂?』内のインタビューでは「不安な気持ちは、少しはあるんですけど、期待の方が自分が想像してたよりかは大きい」と話していた。

MVと先行配信が17日0時スタートというのも、公式サイトのお知らせで3日前に予告されていたとおりの進行である。CDは初回仕様限定盤がTYPE-A〜Dの4種で各2,000円、通常盤が1,200円。初回盤には応募特典のシリアルナンバーとメンバー生写真が入る。

監督が自分で答えを置いていったおかげで、今回は「あの言葉なんだっけ」を一晩持ち越さずに済んだ。ヘンナイトを覚えて損はないので、次に海外ドラマでベール姿の集団が出てきたら、あれがそれだと思い出してほしい。

広告