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スーパーの安いわらび餅は10秒茹でて氷水、メーカーも「冷やし過ぎ」に注意と書いていた

2026年9月8日 ・ トレンド「わらび餅 茹でる 10秒 市販 スーパー もちもち 固い 復活 氷水 きなこ 冷やしすぎ 前原製粉」より

スーパーで100円ちょっとで売っているわらび餅を買って、冷蔵ケースから出したその足で食べると、たいてい硬い。もちもちというより、ぷりっと弾き返してくる感じのやつだ。あれをお湯で10秒だけ茹でて、氷水でサッと冷やして水気を切ると、モッチモチになるという投稿が9月8日の朝からXで伸びている。手順は4つあって、4つ目は猫をよけることになっている。

手順は4つ、最後のひとつは猫をよける

投稿したのは「みぃ」さん(@Js4zeKqmJxbnVBS)。9月8日の朝7時6分の投稿で、番号を振った手順はこうだ。①お湯で10秒茹でて、②氷水でサッと冷やして、③水気をよく切って、④ネコチャンの妨害をよけながら食べる。

大事なのは締めの一文で、本人は「フォロワーさんが教えてくれました😺」と書いている。自分で編み出した裏技だとは言っていない。Xで教わって、実際に台所でやってみた報告がそのまま伸びた形だ。

添付されている写真は1枚。波打った縁のガラス皿に緑色の一口サイズのわらび餅が山盛りになっていて、上からきなこがかかっている。そして皿の左手前では、人の手がキジトラ柄の前足を1本つかんで押しとどめている。猫の本体はフレームの外で、写っているのは手と前足だけだ。手順④が必要な理由が写真だけで完結している。

伸び方も速かった。投稿から7時間ほどの9月8日14時台で、いいねは2万9000、リポストは4500、引用は100を超えている。朝に上げたものが昼のうちにここまで来た形だ。

メーカーが注意しているのは、冷やすことではなく冷やし過ぎ

面白いのは、この食べ方の理屈がメーカーの説明とちゃんと噛み合っているところだ。わらび餅粉を長く作っている前原製粉が、公式サイトのわらび餅特ダネメモにこう書いている。

「わらび餅は、少し冷やして召し上がれますが、アイスや氷のように、強く冷やしていただくものではございません。」

続けて「冷やし過ぎますと、コンニャクやナタデココのように硬くなり、食べにくくなります。」とある。少し冷やすのは想定内で、キンキンに冷やすのが想定外、という書き方だ。冷やす目安まで数字で出ている。

冷蔵庫でも2〜3時間が目安ということは、店の冷蔵ケースに半日単位で並んでいた市販品は、メーカーが挙げている範囲より長く冷やされた状態で手元に来ていることになる。買ってすぐのわらび餅が硬いのは、この説明と重ねると筋が通る。投稿の手順②が「氷水でサッと」で止めているのも、氷水なら10〜15分というメーカーの目安と方向が合っている。

10秒で戻る理屈のほうは、公式には書かれていない

では茹でると何が起きているのか。でんぷんは加熱すると水を抱えて膨らみ、冷える過程で分子どうしが結び直して硬い構造に戻る、といういわゆる老化が知られている。10秒の熱でその硬さがゆるんで戻るとみられるが、ここは前原製粉のページに書かれている話ではない。同社が案内しているのは作るときの手順と冷やし方までで、「茹で直す」工程は出てこない。

なので、これはメーカー公認の食べ方ではなく、あくまでユーザー側の工夫として広がっている話になる。熱湯を扱うので、やるなら火傷には気をつけたい。ちなみに前原製粉は「暑くない季節は、強く冷やさなくても召し上がれます」とも書いているので、9月のいまなら、茹でる前にまず常温に少し戻すだけでも食感は変わりそうだ。

そもそもわらび餅の原料はわらびじゃない

同じページを読んでいくと、わらび餅そのものの豆知識も出てくる。市販のわらび餅の原料は「甘藷澱粉(かんしょでんぷん)」、つまりさつまいものでんぷんだ。「本蕨(ほんわらび)入り」と書かれた商品は、そこに何パーセントかの本蕨粉が入っている。後からタピオカ澱粉が輸入されるようになり、そちらが使われている場合もあるとも書かれている。

名前と原料が食い違っている件は、同社にもよく問い合わせが来るらしい。ページには「これはかつて生のわらび餅が和菓子屋さんや行商等で売られていた時代、既に多くの業者さんが甘藷澱粉を使用して作られていたことによります。」とある。最近のコストダウンの話ではなく、行商で売っていた時代からそうだったわけだ。

食感については「わらび餅の食感は、最初に加える水の量に影響されます。水の量が多いと『やわらかく』なり、水の量が少ないと『かたく』なります。」と説明されている。硬い硬いと言われる安いわらび餅は、冷やされ具合だけでなく、そもそもの配合も効いている可能性がある。

保存の作法も家庭の感覚とは少し違う。出来上がったわらび餅は常温(20℃前後)の水につけ置きし、水を2〜3度入れ替えて半日以内に食べる、というのが同社の案内だ。とりあえず冷蔵庫、が正解とは限らない。和菓子と水と食感の関係でいうと、消費期限30分で有名な水信玄餅や、マスカットを求肥でくるんだ陸乃宝珠も、結局は水の扱いで成り立っている菓子だった。

ブックマーク3000超え、その場で笑って終わっていない

この投稿、いいねやリポストと並んでブックマークが3000を超えている。写真の猫で笑って流されたというより、帰りにわらび餅を買って台所で試すつもりで保存されている数字に見える。原価100円ちょっとで、鍋にお湯を沸かして10秒、あとは氷水。失敗しても失うものが少ないのも、保存されやすい理由だと思う。

冷蔵庫のわらび餅が硬いなと思ったら、まず常温に戻すところから試してみてほしい。それでも足りなければ10秒だけ茹でる。猫を飼っている人は、手順④も忘れずに。

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