「転売対策にまどマギのセリフを3つ」に「左だよ」「中だよ」「右だよ」、パチスロで覚えた人が一発でバレる構文
「本人確認できたら売ります」式の転売対策ネタは前からある構文ですが、8月29日はまどマギ版が一気に伸びました。8月28日に『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が公開されたばかりで、グッズの話がタイムラインに大量に流れていた、というタイミングの良さもあります。
3つ答えているのに追い返される
投稿は4行だけです。
ぼく「ワルプル廻天のグッズください」
店員「お手数ですが、転売対策に/まどマギのセリフを3つ言ってください」
ぼく「左だよ」「中だよ」「右だよ」
店員「お帰りください」
言われたとおり3つ答えているのに、追い返されています。8月29日10時17分の投稿で、同日14時の時点でいいねは8800を超えました。
オチは、その3つがアニメ本編のセリフではないところにあります。「左だよ」「中だよ」「右だよ」は、パチスロの押し順ナビ、つまりどのリールから押せばいいかを台が教えてくれるときの音声としておなじみの言い回しです。作品名を出されて反射的に出てきたのが台の声だった、ということで、要するに「アニメは通っていないがパチスロでは通っている」人だと一発でバレる。だから店員に帰らされます。
まどマギは13年前からパチスロにもなっている
このオチが成立するのは、まどマギに実際に遊技機の歴史があるからです。『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』はメーシー開発・ユニバーサルエンターテインメント販売で2013年12月に稼働を始めていて、そこから『まどか☆マギカ2』(2016年)、『まどか☆マギカA』(2017年)、『劇場版[新編]叛逆の物語』(2019年)と続き、2023年11月以降はスマスロのシリーズも出ています。アニメと同じ声優が音声を担当している機種もあります。
つまり「まどマギを知っている」と言っても、2011年のテレビアニメで入った人と、ホールの台で覚えた人がいる。この構文は、その分かれ道を4行で言い当てにいっているわけです。
半日で派生が量産された
伸びた構文の常で、同じ日のうちに大量の亜種が出ました。しかも多くが同じ方向、つまり「答えが全部パチンコ・パチスロ語」という同じオチをなぞっています。
- 「げ・き・あ・つ」「こんなの絶対大当たりだよ!」「君は本当にゴッドになるつもりかい!?」
- 「今日はお仕事休みなんすね」「お前、貧乏なの?」「ボーナス確定!」
- 「くぅ~疲れましたw これにて完結です!」から始まる、まどマギですらない有名コピペを3行並べるパターン
作品を差し替えた派生も出ていて、「うたわれるもののグッズください」版や、店員が正解と認めて「ニッコリ」で終わる逆パターンもありました。追い返されるオチが定番だからこそ、通してもらえる型が変化球として効いています。
そもそも「転売対策に○○のセリフを」は前からある型
念のため書いておくと、「転売対策に○○のセリフを言ってください」という枠組み自体は今日生まれたものではありません。キャラクターや作品を差し替えて何度も回ってきたコピペ構文で、店頭でファンかどうかを試されるという架空の設定を使い回すのが型です。
今回のまどマギ版が伸びたのは、枠組みが新しかったからではなく、答えに置いた3つが強かったからでしょう。「左だよ」「中だよ」「右だよ」はそれ単体だと何のセリフか分かりませんが、まどマギと並べた瞬間に意味が生まれます。しかも本人は真面目に3つ答えている、という体裁が崩れていないのがうまい。
映画の公開直後でグッズの争奪戦が現在進行形という空気も、追い風になっています。次に何かのグッズを買いに行くとき、レジで3つ言えるかを一瞬考えてしまう人はけっこういるはずです。