「トリートメントはしているか」蔵馬がラサーナで美髪の講師に、元ネタは鴉の一言
ヘアケアブランド「ラサーナ」を展開する株式会社ヤマサキが、通販限定ライン「プレミオール」で『幽☆遊☆白書』とのコラボを始めた。企画名は「蔵馬の美髪指南塾」。蔵馬が美髪へ導く特別講師に就任した、という立て付けだ。公式Xが9月14日の朝に解禁したWEB CMの告知には、こう書かれている。
「トリートメントはしているか?」なんて言わせない、という一文。幽白を読んだ人なら、ここで一気に記憶が戻るはずだ。
言ったのは鴉、言われたのが蔵馬だった
元ネタは暗黒武術会編だ。決勝戦の前、戸愚呂チームの鴉が蔵馬の背後から手をかけ、耳元で囁く。コミックナタリーの記事によれば、セリフは「少々髪が傷んでいる、トリートメントはしているか?」。
戦闘前の煽り文句としては妙に所帯じみているのに、言い方が完全に美容師のそれなので、当時から名場面として擦られ続けてきた。敵が背後に立って真っ先に指摘してくるのが髪のコンディション、という敵キャラは幽白くらいしか持っていない資産だと思う。
で、今回のコラボの面白いところは、この構図をひっくり返していることにある。作中で髪の傷みを指摘されたのは蔵馬のほうなのに、ラサーナは蔵馬を美髪を教える側の席に座らせた。言われた側が講師になって「なんて言わせない」と返す、という一往復で企画が成立している。鴉は登場しないのに、鴉のセリフが企画のすべてを支えている。
ナレーションは緒方恵美、映像は当時のアニメ入り
WEB CMのナレーションは、TVアニメで蔵馬を演じた緒方恵美が担当している。プレスリリースによると、映像は描き下ろしキービジュアルに当時のTVアニメ映像を織り交ぜた特別仕様。ここが「30周年記念グッズ」と違う点で、声も絵も現役のまま企画に乗ってきている。
アニメ『幽☆遊☆白書』はフジテレビ系列で1992年10月10日から1995年1月7日まで放送された。放送終了から30年以上経った作品のキャラクターが、当時のアニメ映像ごとヘアケアのCMに出てくるというのは、企画としてはかなり思い切っている。
翌9月15日からは「魔界も羨む豪華特典セット」の販売が始まる。3,980円(税込)で、中身はプレミオールのシャンプー375mlとトリートメント375gの詰め替え用、ヘアエッセンス65ml、海藻ヘアエッセンス しっとり 25ml、専用の空ボトル2本。そこに蔵馬と妖狐蔵馬の描き下ろしを使ったマルチポスター、アクリルヘアピン2点セット、耐水ステッカー2点セットが付く。ヘアピンというチョイスが、髪の企画としては地味に効いている。
実はこのセリフ、9年前から商品になっている
30年ぶりの回収だ、という受け止め方をされているが、正確にはこのセリフ、すでに二度も商品化されている。
- 2017年8月「蔵馬のヘアトリートメントオイル」/プレミアムバンダイ/3,132円。TVアニメ化25周年のタイミング
- 2022年7月「蔵馬のローズヘアトリートメントオイル -リニューアルver.-」/3,300円(税込)。アニメ30周年に合わせてボトルデザインを一新
どちらも香りは蔵馬の技にちなんだ「ローズ・ウィップの香り」。ボトルには蔵馬・妖狐蔵馬・鴉の戦闘時のモチーフがあしらわれていた。つまり鴉の一言は、9年前からとっくにヘアケア商品の企画書になっていたわけだ。
ただ、これまでの2回はキャラクターグッズを作る側(バンダイ)が出した記念商品で、中身も蔵馬モチーフのオイル1本だった。今回は実際にシャンプーとトリートメントを売っているメーカーが、自社の主力ラインの広告塔として蔵馬を起用している。同じセリフを出発点にしていても、立っている場所がまるで違う。ラサーナのヘアエッセンスシリーズは2025年11月末集計で累計2,600万本というブランドなので、記念グッズではなく普通に店頭の商材として走らせている形になる。
「どっちにしても鴉出したれよ」
告知への反応には、鴉本人の不在を惜しむ声も出ている。
「蔵馬フレンドリーすぎるやろ」と書いたうえで、「どっちにしても鴉出したれよ」。言い出しっぺが画面にいないのはもったいない、という感覚はわかる。
別のユーザーは「俺の知ってる蔵馬はこんな笑顔じゃなかったはず。」と前置きしつつ、「鴉のトリートメントはしているか?を30年ぶりくらい回収のはアツい」と書いていた。笑顔の蔵馬には戸惑うけれど、ネタとしての筋の良さは認める、という温度感だ。
幽白はこのところグッズの動きが多く、9月25日からは一番くじ「幽☆遊☆白書」魔界の扉編も始まる。こちらはC賞が妖狐蔵馬で、蔵馬の当たり年みたいになってきた。
WEB CMは音ありで見てほしい、と公式も書いている。鴉の声は入っていないので、そこは各自で脳内再生する部分だ。