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「アブソリュートシネマ」とは?元ネタはスコセッシ監督が両手を上げた2020年の写真

Absolute Cinema(アブソリュートシネマ)(あぶそりゅーとしねま) ・ 2026年9月22日 公開

アニメの神回や試合のラストプレーのあと、リプ欄に白黒の写真がやたら貼られているのを見たことがあるはず。黒い背景で白髪のおじいさんが両手を上げ、下に白い文字で「ABSOLUTE CINEMA」。これが 「アブソリュートシネマ」 です。写っているのは『タクシードライバー』『グッドフェローズ』の映画監督、マーティン・スコセッシさん本人です。

「Absolute Cinema」とは?

直訳すると「完全なる映画」「これぞ映画」。映画・アニメ・ドラマ・ゲーム・スポーツの名場面に対して、「映画の極みと言っていいくらい素晴らしい」と最上級で褒めるときに使うミームです。

使い方はほぼ画像ひとつで完結します。すごいシーンの動画や感想ポストに、スコセッシ監督の写真に「ABSOLUTE CINEMA」の文字を重ねた画像をリプライで付ける。言葉で長々と褒めるより、この一枚のほうが「わかってる感」が出るのがウケた理由です。

スコセッシさんの部分を別の人物やアニメキャラに差し替えた改変版も定番で、作品のキャラが同じポーズで両手を上げているコラもよく流れてきます。基本は褒め言葉ですが、しょうもない場面にわざと貼って皮肉として使うこともあります。

元ネタ・由来

下地は「マーベルはシネマじゃない」発言

話は2019年10月までさかのぼります。スコセッシさんはイギリスの映画誌Empireのインタビューで、マーベル映画について「テーマパークに近い」「シネマではない」と話しました。これが世界中で大きな議論になり、本人は同年11月4日にNew York Timesへ寄稿して真意を説明しています。

この一件で「スコセッシ=何がシネマかを決める人」というイメージがネットに定着しました。先に生まれたのが派生ミーム「This Is Cinema」で、アブソリュートシネマはこの流れの上に乗っています。

写真の出どころはNYTの2020年のインタビュー

両手を上げたあの白黒写真は、2020年1月2日にNew York Timesが掲載した記事「Martin Scorsese Is Letting Go」のために撮られたものとされています。『アイリッシュマン』公開後のインタビューで、文はデイヴ・イツコフ、写真はフィリップ・モンゴメリーのクレジットです。

もともとは「ミーム用に撮った写真」ではなく、オスカー特集の真面目なポートレートでした。マーベル発言で「シネマの番人」扱いされていた監督の、しかも両手を上げたポーズ。あとから見ると素材としてできすぎています。

確認できる最古の投稿はチェンソーマンの作画

写真に「ABSOLUTE CINEMA」の文字を最初に入れた人は分かっていません。海外のミーム辞典Know Your Memeでも作者は不明扱いです。

いまたどれる中でいちばん古いのが、2022年12月1日(日本時間では2日未明)のこの投稿です。アニメ『チェンソーマン』の作画シーンの動画に「this sequence by takuya niinuma」と添え、2枚目にスコセッシ監督の画像を付けています。いいねは4,000を超えました。

アニメーター新沼拓也さんのカットを「これはシネマ」と称えた使い方で、いまの用法とまったく同じ形です。ただ、これは確認できる最古というだけで、ここが発祥だと言い切れるわけではありません。

チェンソーマンはその後、劇場版『レゼ篇』まで作られ、2026年9月にはPrime Videoでの独占配信も始まっています。最初期のアブソリュートシネマがこの作品に付いていたのは、ちょっと面白い巡り合わせです。

2023年に英語圏で一気に広まる

2023年に入ると使われる場面が一気に広がります。4月にはNBAのラッセル・ウェストブルックのプレーに付けた投稿がいいね4,500超を集め、5月には映画『シャイニング』の場面への反応にも使われました。アニメだけでなく、スポーツや古典映画にも貼れる万能リアクションになったのがこの時期です。

同じ2023年の9月には、似た使い方の派生書式「Kino Is Served」も生まれています。

日本での広まり

日本語圏では「アブソリュートシネマ」とカタカナでそのまま呼ばれています。アニメの神回、ゲームの大会、スポーツの逆転劇などでよく見かけます。

公式アカウントが使う例も出てきました。VALORANTの競技シーン(VCT)の日本公式アカウントは、2026年2月に大会の好プレー集を「まさにアブソリュートシネマ🎬」と紹介しています。

使い方・例文

  • 「今週の作画、アブソリュートシネマすぎる」
  • 「9回裏の逆転サヨナラ、これはもうABSOLUTE CINEMA」
  • 「ラスボス戦のBGMが入るタイミング、完全にアブソリュートシネマだった」
  • (神シーンの切り抜きに、スコセッシ画像だけをリプライで貼る)

文字で書くより、画像を貼るほうが通じやすいミームです。逆に、明らかにしょぼい場面に貼ると「どこがシネマやねん」というツッコミ待ちのネタになります。

関連する言葉

アニメの作画を褒める文脈では、日本語の神作画とほぼ同じ場面で使われます。神作画が作画そのものを褒めるのに対して、アブソリュートシネマは演出・音楽・カメラワークまで含めた「一本の映像として最高」という褒め方です。

一枚の画像をいろんな状況に当てはめて使う点では、燃える部屋の犬で知られるThis Is Fineと同じタイプの海外リアクションミームです。こうした画像の広がり方そのものについてはミームの項目にまとめています。

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