← ミーム辞典トップへ ネットミーム

「ドリトライ構文」とは?意味・元ネタ(ジャンプ漫画『ドリトライ』のド級のリトライ)をわかりやすく解説

ドリトライ構文(どりとらいこうぶん)(どりとらいこうぶん) ・ 2026年8月19日 公開

「でもただの〇〇じゃねぇぞ…! ド級の〇〇、ド〇〇だ!!」。Xでこの形の投稿を見かけたら、それが 「ドリトライ構文」 です。元は週刊少年ジャンプで2023年に連載された漫画のタイトル回収セリフで、連載が終わってから定型文として広まりました。

「ドリトライ構文」とは?

やることは2ステップだけです。まず言いたいものを一度「ただの〇〇じゃねぇぞ」と否定して、次に頭へ「ド」を足して言い直す。それだけで台詞が完成します。

情報としては何ひとつ増えていません。「ド」が1文字くっついただけで、中身は最初に言ったものと同じです。それでも読むと妙に押し切られた気分になるのが面白がられて、勢いとテンションで殴る台詞芸として定着しました。

派生もいくつかあります。相手を持ち上げるときの「心が強ぇ〇〇なのか…!?」、もう一回やらせるときの「ほら〇〇! 心の強さでもう一丁!」あたりは、同じ作品の言い回しからセットで使われています。

元ネタ・由来

元ネタは、雲母坂盾による漫画『ドリトライ』です。週刊少年ジャンプ2023年23号(2023年5月8日発売)から42号(9月19日発売)まで連載され、全19話・単行本全2巻で完結しました。1巻が2023年9月4日、2巻が12月4日の発売です。監修協力として歴史学者の成田龍一が入っています。

物語の舞台は昭和21年4月、焼け野原の東京。戦災孤児の大神青空が、結核を患う妹の治療費を稼ぐために裏社会の拳闘大会へ出ていく、という「昭和×ボクシング」の作品でした。連載開始時にはジャンプ公式からPVも出ています。

構文のもとになった台詞は、連載の後半に集中しています。時系列に並べるとこうです。

  • 「心が強ぇ敵なのか…!?」 … 第9話「正統後継者」(2023年31号・7月3日発売)に付いた本誌のアオリ文。作中の誰かが言った台詞ではなく、編集部が誌面に載せた煽り文句というのがミソです
  • 「ほら虹村! 心の強さでもう一丁!」 … 第15話「再開」(2023年38号・8月21日発売)。主人公の父・大神夕日が虹村に稽古をつける場面
  • 「でもただのリトライじゃねぇぞ…ド級のリトライ ドリトライだ!」 … 第17話「悟り」(2023年40号・9月4日発売)。主人公・大神青空によるタイトル回収

きっかけになったのは第9話で登場した虹村凶作でした。独特な顔立ちと、語尾に音符が付く喋り方がとにかく印象に残るキャラで、ここから語録やコラ画像が作られていったとニコニコ大百科では説明されています。そこにタイトル回収の台詞が加わって、連載終了後の2023年秋ごろからXでじわじわ広まっていきました。誰が最初に定型文として貼ったのかは分かっていません。

面白いのは、作者本人がこの流れに乗ったことです。雲母坂盾の公式アカウント @kirajun_off は、2巻の発売日である2023年12月4日にこう投稿しました。

「ド級の最終巻、ド最終巻です」「本日、ド発売日でございます」と、告知そのものを構文でやりきっています。単行本2巻の帯も「ド級の新刊 ド新刊だ!」と作中の台詞を全面に出したもので、帯の裏は「ただの最終巻じゃねぇぞ…ド最終巻だ!」。作者は発売前の12月1日に帯裏の写真を「#ただの最終巻じゃねぇぞ」というタグ付きで上げています。ネットで擦られている言い回しを公式が回収した形です。

作品そのものはジャンプ公式サイトの作品ページで確認できます。連載が終わってからキャラと台詞のほうが長生きするのは珍しい話ではなく、46年続いた『かりあげクン』が最終回を迎えたときも、話題の中心はやっぱりキャラの定番ネタでした。

使い方・例文

  • 「今日は残業です。でもただの残業じゃねぇぞ…ド級の残業、ド残業だ!」
  • 「ラーメン食べた。ただのラーメンじゃねぇぞ、ド級のラーメン、ドラーメンだ」
  • 「月曜が来る。心が強ぇ月曜なのか…!?」
  • 「ほら後輩! 心の強さでもう一丁!」

コツは、前振りをできるだけ普通の日常語にすることです。「ド」を足しても何も強くならない言葉ほど、テンションと中身の落差が出ます。逆に元から強い単語を入れると、ただの強調で終わってしまいます。

関連する言葉

漫画やアニメの台詞をそのまま型にして遊ぶ、という点ではちいかわ構文ダークマイト構文K2構文と同じ系統です。実写化で決めゼリフの再現度が話題になったブルーロックの絵心甚八のように、漫画の台詞は形が強いほど作品の外へ出ていきます。

映画のキャラの喋り方を写すタゴサク構文とくらべると、ドリトライ構文は理屈がまったくない分だけ雑に使えるのが持ち味です。決まった文をそのまま貼るタイプではないので、コピペというより大喜利の派生に近い立ち位置になります。

なお、ジャンプ本誌で終わった作品でも単行本の側で動きが続くことはあって、冨樫義博がハンターハンター424話の完成と同時に発売済みの38巻を加筆修正していたという話もありました。ドリトライも、2巻の帯でネットのノリを拾って一区切りをつけています。