「Rush E」の元ネタは?誰の曲か、人間に弾けないピアノ曲ミーム
「Rush E」は、YouTubeのチャンネルSheet Music Bossが2018年に公開したピアノ曲だ。途中から音が増えすぎて、1人では弾けない曲として広まった。
「Rush E」とは?
最初の1分半ほどは、ふつうに速いピアノ曲に聞こえる。そこから雲行きが怪しくなる。
- 「Rush」「E」の文字を描くようなMIDIのギャグが入る
- 音がどんどん増えていく
- 終盤は88鍵ぜんぶを同時に叩いているように見える
動画は鍵盤の動きを光で見せるSynthesiaというソフトの画面で、落ちてくる音符の塊がだんだん画面を埋めていく。何が起きているかは、音を聞かなくても見れば分かる。
ミームとしては、この動画そのものと「人間には弾けないほど音が多い曲」の両方を指す。
誰の曲なのか
「Rush E 誰の曲」「Rush E 原曲」「Rush E いつの曲」と日本語でも検索されている。答えは「Sheet Music Bossの曲」だ。
Sheet Music Bossは、2017年2月にできたピアノ教材のチャンネル。曲のほうも、このチャンネルの動画として出た。
個人名まで出すならAndrew Wrangellになる。発行元がSheet Music BossになっているMusicnotesの楽譜ページに「The song was composed by Andrew Wrangell」(作曲はAndrew Wrangell)とある。Wrangellはオーストラリアの作曲家で、Samuel Dickensonと2人でこのチャンネルを立ち上げた。
元ネタ・由来
流れを順に並べるとこうなる。
- 2018年1月14日、前作「RUSH B」が公開される。Bの音を1回叩くだけの動画に「ロシア風にして」と冗談のコメントが付いたのが始まり
- 2018年5月、ミーム「Lord Marquaad E」の弾き方動画が出る。中身はEの音を1回叩くだけ
- 2018年6月1日、「ロシア版を」というコメントに応えて「RUSH E」が公開される
「ロシア版」の中身は、RUSH BをEマイナーに移調したものだ。Eを1回叩くだけの動画のあとに、これだけ増えていく曲が来るのだから落差はかなり大きい。
Lord Marquaad E動画の日付は、Know Your Memeの用語ページと解説記事で5月19日と5月29日に割れている。ここでは「2018年5月」までにしておく。
動画は2026年11月7日の時点で、119,817,467回再生、長さは2分57秒。前作のRUSH Bは25,515,398回だから、後から出たRUSH Eのほうが4倍以上見られている。なぜこちらだけ広まったのかは、Know Your Memeの解説記事も分からないとしている。
2021年に起きた「弾けるか」騒動
2021年6月、YouTuberのProLitening(のちのLitening)が、1人で弾けるアレンジに挑戦した。これを見たFanchenがコメント欄で「mediocre」(平凡)と評すると、ほかのコメント投稿者から自分でやってみろと迫られ、本当に弾いた動画を出すことになる。7月13日にはCr1TiKaLがこの騒動を動画で取り上げた。
さかのぼると2018年6月18日には、弾くふりをして焦っていくYouTuber Eliothの動画も出ていた。Know Your Memeがこれらの流れをまとめている。
「弾けない」と言われるほど弾く人が出るのは、ネットの定番の流れだと思う。
ロボットのピアノまで出てきた
2022年3月には、Mark Roberが作ったロボットピアノ「Chopstix」がRush Eを演奏した。AV ClubとMusicTechが記事にしている。
MusicTechの記事には、ピアノから煙が上がったと書かれている。本物の故障なのか演出なのかは、確認できなかった。
人間に弾けないなら、人間以外が弾く。話の流れとしては分かりやすい。
公式の「弾ける版」もある
人間向けの楽譜も出ている。Sheet Music Bossは、Rush Eの「PLAYABLE VERSION」を販売している。続編のRush E 2、3も出ていて、3にはソロ版の楽譜がある。
「世界一難しい曲」という呼び方はMusicRadarの見出しやRoberの動画タイトルにも出てくるが、客観的な順位があるわけではない。
使い方・例文
- 「この楽譜、Rush Eみたいになってない?」(音符が多すぎる譜面を見たとき)
- 「演奏者の指が追いつかない曲はだいたいRush E扱いされる」
- 「普通に始まって途中から壊れるやつ、構成がRush E」
「Rush E」と書くだけで、音が増えすぎる状況は伝わる。
関連する言葉
曲名や元ネタを調べられる海外の曲系ミームとしては、サンドストームと近い。Sheet Music Bossは棺桶ダンスをピアノにした動画も出していて、こちらも約4,974万回再生されている。
挑戦の連鎖は、弾いてみたの文化とも重なる部分がある。