美術館で床のアメを1粒持ち帰ったら隣の人にガン見された…実は“持ち帰りOK”の現代美術だった話に8万いいね
美術館に行くと、ときどき「これ、触っていいの?ダメなの?」と判断に迷う展示があります。bOTCHMEN(@bOTCHMEN1986)さんが投稿した一枚は、そんな“美術館あるある”の極み。知らない人が見たら確実にギョッとする状況でした。
写真に写っているのは、広いギャラリーの床に敷き詰められた、鮮やかな青いアメの絨毯。そして2枚目では、そこからつまみ上げた1粒のアメを手にしています。
bOTCHMEN さんいわく、このアメを持ち帰ったところ、隣にいた人に「すっげえ顔」をされたのだとか。たしかに事情を知らなければ、美術館の展示品を堂々と失敬する不届き者にしか見えません。しかし。「ちゃうねん、コレそういう現代美術やねん」。実はこれ、来場者が持ち帰ることまでが作品の一部という、れっきとした参加型アートだったのです。
不安になった本人がパネルの説明を読むと「持っていく展示」と書かれており、念のため学芸員さんに「マジすか?」と確認したところ、返ってきた答えは「はい」。お墨付きをもらった、正真正銘の“鑑賞”だったというわけです。
食べて、減って、初めて完成する作品
こうした「観客がアメを持ち帰る」スタイルの作品で世界的に有名なのが、アーティストのフェリックス・ゴンザレス=トレス。彼のアメ作品では、山と積まれたアメの総重量が人ひとりの体重とほぼ同じに設定されていることがあります。来場者が一粒ずつ持ち帰ることで山は少しずつ減っていき、その様子が「失われていくもの」「喪失」を静かに表現するという仕掛けです。
つまり、アメが減っていくこと自体が作品の進行であり、持ち帰る行為こそが鑑賞。「もったいない」でも「いたずら」でもなく、参加して初めて完成する。知ってから見ると、あの青いアメの山が急に切なく見えてくるから不思議です。
「その変な顔も含めて作品では?」
リプライ欄では、この“知らないと泥棒・知ってると粋”なギャップに、多くの人が反応しました。
「昔の横浜トリエンナーレにも、来場者が飴を一つずつ持ち帰るアートがあった」と、同種の作品を思い出す人も。日本でもたびたび展示されている、意外と“あるある”な現代美術のようです。
中には「隣の人がした“すっげえ顔”も含めて、ぜんぶ作品の一部なのでは」という、洒落た見立ても。知識ひとつで、万引き未遂が一気にアートの鑑賞体験に変わる。美術館では、やっぱり説明書きをちゃんと読むに限りますね。